【瓔珞】を語る 第1章【レッツ倍返し、瓔珞】

2021/11/23 07:07

終盤を迎える中国ドラマ「瓔珞」(BS11 イレブン)のキャラクター7人を厳選して紹介(ツッコミ!?)するコラムの第1回。今回は、天真爛漫、頭脳明晰、絶対復讐の主人公・瓔珞が登場。

第1章  倍返しで何が悪い!?
…魏 瓔珞(ぎ えいらく/演:ウー・ジンイェン)


連載の初回を飾るのは、主人公の魏瓔珞(写真)。後宮で謎の死を遂げた姉の汚名をそそぐため、すまし顔だが心中は殴り込みの覚悟で、後宮の女官となった魏瓔珞。とにかく最初から顔に気合いがあふれ、瞳孔がかなり開き気味。大きな瞳をした女優さんなんだけど、やはりそこには、尋常ではない闘志と狂気が垣間見えてしまう!

そんな彼女は、最初からアクセル全開! 後宮で用いられる衣裳に刺繍をする部署(縫坊)の女官という高くない身分のわりに、お妃候補を追い出すわ、お妃同士のつぶし合いの戦いに口を挟むわ、やりたい放題。必要がなければ自ら手を出さないけど、売られた喧嘩は買う! しかも基本“倍返し”。同僚から湯吞みで水をかけられれば、桶で水を運んできてぶっかけ返すなど、やることが半端ない。さすが、「女版・半沢直樹」といわれる所以だわ。

だけど、言うこともそれなりなのが瓔珞。「友はいらない。私を怒らせると怖いよ」。一匹狼でクールな彼女は、言葉も気も強い。なかなかこうは生きられないけど、周囲に気を使いすぎて疲れた日には、つぶやいてみるとスカッとするかも!? そして、「人事を尽くして天命を待つ。ダメなら死ぬ運命」。太監と文字通りの死闘を繰り広げ、焼死覚悟で火をつけた瓔珞が放った一言。やるだけやってダメなら仕方ない。まさに、「やらぬ後悔より、やる後悔」的な名言、さすがだわ…。

一見、やることは激しい瓔珞。だけど、頭の中では冷静に計算が働いているため、行動は全てその結果を見越したもの。かと思えば、素で庭の木にボカスカ八つ当たりしているところに、ナイスタイミングで乾隆帝(ニエ・ユエン)が通りかかってしまい、見とがめられる。何でも、その木が、彼が名付けた霊樹だったという運の悪さ…(汗)。しかし、それすらも流れるようなデマカセで言い繕い、その場を切り抜ける。これも後の瓔珞と乾隆帝の関係のフラグかと思うと、瓔珞はモッテる女だよね。

そして、姉の仇を探していた瓔珞は、ついにそれらしき人物を特定。その人物は、少し前から彼女の前に麗しい姿をチラチラ見せていた御前侍衛・富察傅恒(フチャふこう/シュー・カイ)。実写なのに、マンガのようなイケメン! しかも皇后の弟という身分で、女官たちが女子高生になったようにキャワつく存在。だけど、そんな彼に対しても容赦ないのが瓔珞。

あざといを超えた仕掛けで接触し、こんな顔もできるんかい! という表情で見つめ、プレゼントを贈ったり…。だけどこれ、ミニサイズの時限爆弾というか、殺傷能力の高いヤバいブツ。それでも傅恒殿は、瓔珞にメロメロ。はぁ、チョロすぎるよ。こんなにイケメンモテ男なのに、あざと女子には免疫がないのか…。そして、こんないい人が瓔珞の姉の仇であるわけはない(?)ので、おそらく思いがけぬ犯人が今後登場するはず。え!? そして二人は恋仲になっていく!?

一方で、傅恒に近づくために皇后付きの女官になった瓔珞だが、そこで乾隆帝と再会。キレ者の瓔珞に対して、乾隆帝の危険アラートが発動。この女はヤバい。ある意味、似たもの同士ともいえる瓔珞と乾隆帝の間に、第2のフラグが立った!?

果たして瓔珞は姉の仇に復讐できるのか? ハードボイルドな瓔珞の物語に、ロマンスの花は咲くのか?

このなんとも言えない魅力の持ち主・瓔珞を演じて一躍ブレイクを果たしたのが、ウー・ジンイェン。美人が多いといわれる四川省の出身で、1990年生まれの現在31歳。瓔珞を演じていたのはなんと27歳の時!

6歳で踊りを習い始め、長じてはバレエの訓練を受け、17歳で中央バレエ団に所属。その後、ケガで退団し、名門・北京電影学院に入学というドラマチックな経歴。2010年にドラマデビューするもお蔵入りとなり、2018年の「延禧攻略」(「瓔珞」の原題)までコツコツと下積みを続け、満を持してブレイク! その後の「秀麗伝~美しき賢后と帝の紡ぐ愛~」「四大名捕~都に咲く侠の花~」では、こんなところに発見、という感じ。「瓔珞」のプロデューサー、ユー・ジョン作品の常連でもあるので、「鳳囚凰~陰謀と裏切りの後宮~」「コウラン伝 始皇帝の花」で一味違う彼女の魅力も確認したくなるんだわ!

日本では時代劇の古装美女のイメージが強いけど、彼女のInstagram微博(ウェイボー:中国のブログサイト)、ファッション誌のグラビアなどを見ると、超モードでスタイリッシュなメークやファッションがまた似合う! いまどきのナチュラルな太眉も美しく、「瓔珞」の時は役作りでこれを一部剃り落としていたとか(驚)。そんな彼女には、「瓔珞」で共演したシュー・カイやホン・ヤオとの熱愛疑惑が生じたが、ゴシップどまりだったよう。やはり今は仕事が恋人!?

ほかには、ラブ・サスペンスの「你是我的答案(原題)」(英訳:You Are My Answer)、ニエ・ユエンとの再々共演作「幸福還會来敲門(原題)」(英訳:Knock on the happiness door)、トレンディードラマ風の「青春创世纪(原題)」(英訳:Something Just Like This)、「正青春(原題)」(英訳:Fighting Youth)など現代ドラマも新鮮だが、ここはやはりシュー・カイと共演した最新時代劇「尚食(原題)」(英訳:RoyalFeast)をチェック!

中国版「宮廷女官 チャングムの誓い」ともいわれる「尚食」は、明の時代を舞台に、後宮で料理人として成長、成功を収めていくヒロインをウー・ジンイェンが演じ、彼女と愛を育む後の皇帝・朱瞻基(しゅ・せんき)をシュー・カイが演じるというもの。中国の伝統美食がテーマかつ、ヒロインのサクセスストーリー×ラブ×グルメと、ご馳走様です。中国では、旧正月前に放送予定(2022年1月31日~)だという話も小耳にはさんだので、日本に上陸する日もそう遠くないよね? これまた新しい中国ラブ史劇の誕生となりそうな予感で、ウー・ジンイェンからまだまだ目が離せない!


※作品名が(原題)のものは、現在、日本でテレビ放送されていない作品です。

「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」放送情報

BS11 イレブン
毎週月▶金後3:29~

■DVD発売情報
瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~
コンプリート・シンプルDVD‐BOX1~5 好評発売中 各5,500円(税込)
DVD全36巻好評レンタル中
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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文/熊坂多恵