亀梨和也さん主演「正義の天秤」放送終了直後に公開する、制作統括・真鍋斎さんが明かす“今だから言えるネタバレ注意のアフタートーク”の第4回。
TVガイドWebでは、予習編を放送前に公開。みんなドラマでも復習して、より深く「正義の天秤」を楽しみましょう。
――第4回(10月16日)放送では杉村徹平(北山宏光)が報道陣にもみくちゃにされるシーンがコミカルに描かれていましたね。
「すごく短いシーンでしたが、あれは梅雨みたいに連日雨が降っていた8月に撮影したんです。当日も雨が降ったり止んだりという天候だったので、雨が止んだ時を狙って撮影に挑みました」
――鷹野のキャッチボールの相手がなんと桐生! 桐生実雪を演じる大政絢さんとのキャッチボールはいかがでしたか?
「ボールを全く投げられない女性もいらっしゃいますが、大政さんは何事もなく普通にキャッチボールをされていました。もちろん亀梨さんは、北山さんや佐戸井さんとキャッチボールをしていた時よりも柔らかめの球を投げていらっしゃいましたよ」
――すごい! 勝手なイメージですが、大政さんは運動神経が良さそうなイメージがあったので納得です。ちなみに亀梨さんは大政さんにキャッチボールのアドバイスをされていましたか?
「それも芝居の中に組み込まれていたんですよ」
――言われてみれば「ちゃんとトップを作れていないから狙ったところに投げられない」、「踏み出した足のつま先は相手に向けないと」という鷹野のセリフがありました。あれは実は、キャッチボールだけではなく、迷っている桐生に向けた鷹野らしいアドバイスのようにも思えるのですが…。
「脚本家には多少そういう意図があったかもしれません。でも、それを押しつけがましく言えば説教じみてきます。どちらかというと、鷹野なりに桐生の気持ちをほぐしてホッとさせるつもりで言っていたというところでしょうか」
――なるほど、それもある意味、鷹野らしいですね。その後、鷹野のまねをして、スーパーボールを投げる芽依がかわいかったです。奈緒さんはたくさん練習されたのでしょうか?
「芽依は鷹野と違ってスーパーボールをうまく操る必要がないので、奈緒さんはそんなに練習をしていません。奈緒さんは普段はほんわかしているけれど、セットに入るとスイッチが入って気持ちで演じるタイプの女優さんです。スーパーボールの下手っぷりも上手でした(笑)。芽依のヘタレなところも含めてかわいらしく、面白いシーンになりました」
――スーパーボールといえば、お皿にたくさん盛られていますが、あれは鷹野が持ってきたのでしょうか?
「そうです。これまでも皿に盛られたスーパーボールは映り込んでいたと思いますが、いろんな色のスーパーボールは鷹野が持ってきたものです」
――そうなんですね! 色とりどりのスーパーボールを買っている鷹野と想像すると笑ってしまいます(笑)。また、公判を終えて、弁護士失格だと落ち込んでいる芽依に「お前がダメなのはそこじゃない」、「真犯人かもしれない男に無防備に近づいたことだ」と鷹野が言った場面はキュンキュンしてしまいました!
「一つには鷹野が部下である芽依の身を案じていることもありますが、一番は久美子(大島優子)が“安倍川事件”で真犯人に近づいたことによって危険な目にあい、昏睡状態になっているので、真犯人に不用意に近づくということの危険性を知っているわけです。だからこその言葉で、久美子の事件と重ねて言っているのだと思います」
――かっこよかったです! 第4回は全編通して鷹野の魅力が爆発しているように見えましたが、それはなぜだと思われますか?
「鷹野の人間性が見えてきたからじゃないでしょうか。最初は少し変わり者で冷酷、頭脳明晰でズバズバ事件を解明していく鷹野でしたが、回を追うごとに、人間としての深みや、人としての迷いがだんだん出てきました。ただの変わり者じゃないんだというところが分かってきて、より一層、魅力的に見えるんだと思います」
――気持ちが揺れ動いていた桐生が物語の後半で、どちらに付くか決断するシーンも見られました。桐生が決断した決め手はどこにあったのでしょう?
「鷹野という人間は、一見、冷酷なように見えるけれども、自分たちのことをちゃんと思ってくれている人物であるということを人間として認めたんだと思います」
――桐生の決断により“ルーム1”の結束力が強まった気がします。そして最後に一ノ瀬が登場して、鷹野と取り引きをしようとしていました。一ノ瀬の言葉で、彼が味方なのか敵なのか、分からなくなってしまいました。
「そうですよね。一ノ瀬は味方でもあるし、敵でもある。簡単に割り切れるものではないんだと思います。これまで一ノ瀬はあまり多くを語っていませんでしたが、第4回でフィーチャーされ、いよいよ次回、鷹野と一ノ瀬が弁護士と検事として対決します。最終回は熱量のあるシーンになっていますよ」
――そんな最終回に向けてお伺いしたいことがありまして…。もしキャッチボールのシーンがあるのであれば、芽依なのか、はたまた一ノ瀬なのかが知りたく…。
「あははは(笑)。一ノ瀬っていうのは思い付かなかったですね! それは面白かったかもしれないな。誰とキャッチボールをするのかは楽しみにしていてください」
――一ノ瀬ではないことは分かりました(笑)。ほかにも静子(山口智子)が見つけた書類がありましたが、そこには何が書かれていたのでしょうか?
「それはまだ言えませんね」
――アフタートークをご覧になっている方にヒントだけでも…!
「言いたいところですが、ネタバレになってしまうので…。静子が見つけた書類については、最終回で明らかになります。そこまで楽しみに待っていてください!」
――ありがとうございました! 最終回まで楽しみにしています。
次回はいよいよ最終回となる第5話(10月23日放送)の直前に「TVガイドweb」にて、真鍋さんの注目ポイントをご紹介します!
そして来週の アフタートークはなんと、最終回が終わったまさに直後の公開です。最後まで見届けた皆さんが、真鍋さんの言葉を聞きながら物語の余韻をかみしめる、、そんなエモいファイナルを目指して、記者が筆を振るいます。乞うご期待!
■Profile
真鍋斎(まなべ いつき)
1991年、NHK入局。これまで大河ドラマ「龍馬伝」(NHK総合ほか)や「立花登青春手控え」(NHK BSプレミアム)で演出を手掛けたほか、「大岡越前」(NHK BSプレミアム)や連続テレビ小説「まんぷく」(NHK総合ほか)で制作統括を担当。現在は、土曜ドラマ「正義の天秤」の制作統括を務めている。
「正義の天秤」放送情報
NHK総合
毎週土曜 午後9:00~