亀梨和也主演 制作統括アフタートーク③ 鷹野の人物像とは?

2021/10/11 07:07

亀梨和也さん主演「正義の天秤」放送終了直後に公開する、制作統括・真鍋斎さんが明かす“今だから言えるネタバレ注意のアフタートーク”の第3回!

TVガイドWebでは、予習編を放送前に公開。みんなドラマでも復習して、より深く「正義の天秤」を楽しみましょう。

――鷹野和也(亀梨和也)が杉村徹平(北山宏光)と検事の長谷川政尚(高橋克実)との裏取引を疑う第3回でした。減刑した杉村の勝ち誇ったような顔が印象的でしたが、何か演出はされたのでしょうか?

「特別なことはなかったですね。北山さんが台本を読み取り、それにそって的確に表現してくれました」


――杉村はこれまでライトな軽い感じのイメージでしたが、第3回で強盗殺人事件を担当したことにより、成長したというか、新たな一面が垣間見えた気がしました。

「鷹野が来たことによって、杉村をはじめとする“ルーム1”の面々が持っている弁護士としての職業倫理や矜持(きょうじ)がちょっと見えてきたのかなと。いつもは愛されキャラの杉村がちょっと引き締まった表情になり、杉村は杉村なりの正義感を持って仕事をしているのが垣間見えたかなと思います」


――そういえば、鷹野や杉村が法廷シーンでは髪の毛をパリッとセットしているのに、法廷以外ではナチュラルな髪の時が多いように思ったのですが、これには意味があるんでしょうか?

「“オン”と“オフ”を使い分けている感じですね。基本は仕事ですから、事務所にいる時も“オン”ではありますが、法廷は晴れ舞台というか『本番』みたいな感じで、ビシッとキメています。髪形にも気合いが現れているということです」


――なるほど! では事務所にいる時に杉村が髪の毛をセットしていたら、「別の法廷に行っていたのかも?」なんて想像できますね! 話は少し戻るのですが、第3回の冒頭では鷹野と恋人の雨宮久美子(大島優子)の出会いが描かれていて、また新たな鷹野の表情が見られました! 鷹野にとって久美子はどんな存在なのでしょうか?

「2人のなれそめのシーンは、初々しい感じで、鷹野もこれまで見せたことのない表情をしていますし、とてもほほえましいシーンになりました。鷹野にとって久美子は、今まで会ったことのないタイプで、自分にはない部分を持っている人だと思います。表現方法は正反対の2人ですが、同じように人を思う気持ちを持っているので、お互いに惹かれたんだと思います」


――焼き肉店で、久美子が佐伯真樹夫(中村雅俊)に鷹野を紹介していたシーンでは、弁護士になる前の若い鷹野の姿が見られましたね! 

「若い時の鷹野も基本ツンデレなんですが、久美子と会っているときは今とは違ったやわらかい表情になるんです」


――中村雅俊さんとはどんな雰囲気でしたか?

「和気あいあいとやっていました。中村さん自身はたくさんお話をしてくださる方なんですよ。すごくフランクな方なので、撮影現場もシーンと同じように、和やかな雰囲気でした」

――食べるシーンといえば、鷹野と佐伯芽依(奈緒)が冨野静子(山口智子)と一緒にカレーを食べるシーンもありましたが、静子は鷹野と芽依にとってどんな存在なのでしょうか?

「芽依にとっては小さな頃からよく知っている近所のおばちゃんで母親代わりみたいなところもあります。ご飯を食べさせてもらったりして、気の置けない関係です。一方、鷹野は久美子を通じて静子と知り合ったので、自分の過去のことも知っているし、倒れた久美子の面倒も時々見てくれて、気にかけてくれている、恩人の一人です」


――話は変わって、今回は第1回と同様に、鷹野と杉村がキャッチボールをしていました! “ルーム1”のメンバーと順番にキャッチボールをするのかなと想像していたのですが、予想が外れました(笑)。

「一話につき、必ず1回はキャッチボールをすると決めていたわけでも、誰とすると決めていたわけでもないんです。キャッチボールは鷹野らしいコミュニケーションの取り方なのですが、たまたま話の流れで、杉村とすることになりました」


――あのキャッチボールは第1回の時とは違っていましたね。

「そうですね。第1回の時は鷹野が法律事務所に来たばかりで、キャッチボールを通して『こういう人なんだ』とお互いを知る場面でした。第3回では鷹野と杉村の関係性が変わっているということと、杉村が検事と裏取引をしたんじゃないかと鷹野が疑う事件で、その辺を含んだやり取りだったので、以前より心情的に濃い場面になりました」


――杉村とキャッチボールをした後、鷹野は開廷前の法廷で長谷川検事と対峙する場面がありました。

「鷹野が法廷で長谷川検事に『犯人と取引したんじゃないか』と詰め寄るシーンですよね。あのシーンは最初、撮影場所をどこにしようか悩んだんです。それぞれの正義がぶつかり合う場面なので、検事の自宅も違う気がして…。その後、法廷が分かりやすくていいんじゃないかとなったのですが、実は法廷ってすぐに追い出されるらしいんです。それでどうしようか考えていたら、法律考証の先生から裁判と裁判の隙間だったら、ギリギリ誰もいない法廷が15分くらい捻出できるかもしれないと伺ったので、法廷で撮影することになりました。あの場所だからこその緊張感がうまれたと思います」


――実際の法廷や裁判と照らし合わせて細部まで作り込んでいるんですね! そしてその後、西園寺清隆(竹中直人)にスパイになれとけしかけられた“ルーム1”のメンバー・桐生実雪(大政絢)が西園寺に何を耳打ちしていたのか、とても気になりました!

「これは物語の中でも重要なポイントになってくるのですが、耳打ちは何を言っていたのか僕らも分からないんですよ(笑)」


――そうなんですね(笑)。これから終盤に向けて、鷹野が久美子を襲った犯人を探していくことになりますが、鷹野と犯人のアクションシーンなんていうものは出てくるのでしょうか?

「それはないですね。法廷の中でのバトルは繰り広げられますよ!」


――法廷バトルも楽しみです! ここからはドラマの中では描かれない鷹野の人物像に迫りたいのですが、鷹野はどんな家に住んでいるのでしょうか?

「家については、あえて彼の生活感みたいなものを出さないようにしたくて…。もちろん、久美子とのことはありますが、基本、鷹野の私生活は謎に包まれています」


――私生活は確かに想像できません。そんな鷹野ですが、好物はあったりするのでしょうか?

「実は彼はわりと甘党なんじゃないかなと思っています(笑)。第2回でスイーツブログに登場していた店を巡っていたのは、鷹野が本当に行きたかったからというのもあるんです」


――スイーツ巡りをしていたのは本当に好きだったからなんですね! また、鷹野は何でもすぐ野球で例えますが、実は甲子園を目指す高校球児だったのでしょうか?

「野球については甲子園を目指すというほどではないですね。リトルリーグにいたくらいな感じでしょうか」


――ちょっと生意気そうな鷹野少年がリトルリーグで頑張っている姿を想像してしまいました。そんな話を伺ってから改めて鷹野を見ると、また違った印象を受けそうです。

「そうかもしれませんね(笑)」


――あと、脱線してしまうのですが、台本の表紙にブレーメンの音楽隊と鷹が対極に描いてありました。これは何か意味があるのでしょうか? 回数を重ねるごとに、ブレーメンの音楽隊に鷹が徐々に近づいていっていますが…。

「台本の絵はAP(アシスタントプロデューサー)の女性が描きました。鷹野が最初に『まるでブレーメンの音楽隊だな』と“ルーム1”のメンバーのことを例えたことからブレーメンの音楽隊が出てきて、鷹野は名字の“鷹”から連想して描かれていると思います。各回で絵を変えていて、ブレーメンの音楽隊と鷹が近づいていっているのは、彼らの距離感がだんだん縮まっていることを表しているんだと思います」

――台本の表紙にまで物語があるんですね! そして最後にひとつだけ…! キムラヒデユキという人物が登場しましたが、その人はどんな人物なのでしょうか?

「まだまだ明かせません。謎のままなので楽しみにしていてください」


――まだ言えないんですね。残念です、、、気になって仕方ありませんが、今回はここまでで我慢します。ありがとうございました!


次回は第4回(10月16日放送)の直前に「TVガイドweb」にて、真鍋さんの注目ポイントをご紹介します!



■Profile
真鍋斎(まなべ いつき)

1991年、NHK入局。これまで大河ドラマ「龍馬伝」(NHK総合ほか)や「立花登青春手控え」(NHK BSプレミアム)で演出を手掛けたほか、「大岡越前」(NHK BSプレミアム)や連続テレビ小説「まんぷく」(NHK総合ほか)で制作統括を担当。現在は、土曜ドラマ「正義の天秤」の制作統括を務めている。

「正義の天秤」放送情報

NHK総合
毎週土曜 午後9:00~

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