韓ドラシーンのウソ・ホント 第4回【韓国ラーメンの世界①】

2021/12/17 10:10

韓国ドラマで気になるあのシーンのウソ、ホントを現地在住16年目の、るみさんにインタビュー。リアルな韓国文化をお届けします。

韓国ドラマのラーメンの登場率が、高いと思いませんか? 小腹が空いたり、気になる相手を誘う文句として、「ラーメン食べる?」と話すシーンを、見たことがある方も多いはず!  ということで、韓国とラーメンの密接な関係や、韓国で人気のラーメンを紹介いたします。

アレンジへのこだわりと熱意


――日本と同じく、韓国もラーメン大国ですよね。何と言っても、ラーメンに懸ける情熱がすごいような…?

「その通り、ラーメンに対する熱量はすごいと思います(笑)。種類でいうと、日本では生ラーメンとインスタントラーメンがありますが、韓国で生ラーメンは、ほとんど見かけません。生ラーメンというと、お店で食べる茹でたラーメン=日本料理という意味合いで『라멘(ラメン)』と呼んでいます。一方、インスタントラーメン自体は、日本が開発したものですが、韓国でいう“ラーメン”とは、韓国生まれのインスタントラーメン=『라면(ラミョン)』と呼び、区別しているんですよ」

※補足情報
乾麺(インスタント)=韓国のラーメン=「라면(ラミョン)」
乾麺以外(生麺)=日本のラーメン=「라멘(ラメン)」
  
  
――その種類も豊富だと思いますが、一番人気の라면(ラミョン)は何ですか?

「やはり、『辛ラーメン』でしょうか。食べ慣れている味が好き、というのもありますよね。『辛ラーメン』『ジンラーメン』『チャパゲッティ』『ノグリ』『安城湯麺』『プルダックポックンミョン』(※)が、韓国での売り上げの順位です。やはり統計的に見ても、農心(ノンシム)のラーメンが人気ですよね。辛さで『辛ラーメン』を好む人も多いですが、『라면(ラミョン)といえば”辛ラーメン”だ!』というニュアンスもあるかもしれません(笑)。カップ麺であれば、ユッケジャンラーメン。日本でいう、カップヌードルのような立ち位置? 昔からの安心安定の味ということで、根強い人気があります。私の家では、常時、箱買いしていますよ(笑)」

参考(2019年)

――ちなみに、るみさんが思う、韓国と日本のラーメンの違いって何ですか?

「商品によって違いますが、日本のものは麺が細い印象ですね。あと、韓国のラーメンは、残った汁にご飯を混ぜて食べるという楽しみがあるところでしょうか。これまた美味しいんですよ。16年住んでいるので、今では私の舌は、韓国ラーメン仕様ですが(笑)。あとは、アレンジがしやすい! 卵や『순두부(スンドゥブ)=おぼろ豆腐』だったり、私は『고추(コチュ)=唐辛子、青唐辛子』を刻んで入れて、辛さをアップさせますね」 


――アレンジに対する熱い思いが伝わってきます(笑)。

「そうですね、身近に作れるからこそ、自己流があるんだと思います。麺とスープ、どちらを先にお湯に入れるか、とか。あとは、スープの種類や性質によってアレンジを変えます。例えば、『ノグリ』などスープがスッキリ味のものには、乾燥ワカメを入れたり…。夫はアレンジにあまりこだわりませんが、『スッキリ味のラーメンに卵は入れちゃダメ!』と言います(笑)。スープが濁っちゃうからなのですが、これくらいは韓国では一般的かな? 最近だと「ロゼ」が流行っているんですよ。辛い『떡볶이(トッポッキ)』に牛乳を混ぜて『ロゼトッポッキ』とか、パスタにもありますね。辛さが和らぐのですが、これを『辛ラーメン』で作る人もいますよ」

――スープの味や性質によって、トッピングを変えるとは…!

「やはり、『ラーメン』の位置づけが韓国と日本では違うのだと思います。韓国では、一日一食はラーメンを食べるという人が少なくないんです。それほどラーメンを好む人が多いんですよ。私は、健康上あまり食べないようにしていますが、関係なかったら食べたいですもん、毎日(笑)。それぐらい、簡単に美味しく作れるんです。ラーメンの世界だったら、韓国人はみな、自分なりのレシピがあるんじゃないでしょうか(笑)」


みなさん大好き、ラーメンの前編はここまで。次回の後編では、ラーメン×韓国人の知恵をお伝えします。猫舌の人も簡単にラーメンを食べられる方法、お鍋なしで袋ラーメンを食べられる驚きの調理法があるんです!!


■今日のハングル

라면(ラミョン)=韓国式ラーメン   순두부(スンドゥブ)=おぼろ豆腐   
고추(コチュ)=唐辛子、青唐辛子   떡볶이(トッポッキ)=トッポギ(※)

※日本では「トッポギ」と発音しますが、「ギ」ではなく「ッキ」と発音するとツウ!

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■お話を聞いたのは……るみさん
韓国在住16年目。’04年に韓国の女子高に1年間留学。この1年間で得た経験から、’07年、韓国の4年制大学に正規入学。卒業後、旅行会社での勤務を経て、韓国人男性との結婚を機に一昨年退職。Instagramでは、グルメやスポット、アイテムなど、韓国の“リアル”を発信中。