韓国ドラマで気になるあのシーンのウソ、ホントを現地在住16年目の、るみさんにインタビュー。リアルな韓国文化をお届けします。
「一日一ラーメン」と言っても過言ではない韓国。前編では、ラーメンに懸ける韓国の人々の熱い思いをお伝えしました。続く後編は、ラーメンをこよなく愛する韓国だからこそ誕生した食べ方を紹介! 韓国の人の手にかかれば、袋ラーメンは場所を選ばずに食べられるんです…。
蓋は即席お皿に変身! 韓国ラーメンは知恵の宝庫
――韓国には、ラーメン専用の“鍋”もありますよね? しかも鍋の蓋にも、ちゃんとした役割が…。
「はい、ラーメンは庶民食なので(笑)。そうですね、鍋の蓋がお皿代わりです。鍋の蓋だけでなく、カップラーメンの蓋もお皿として使いますよ! 2回折り曲げて、口を広げれば完成です。特に私は猫舌なので、カップ麺の時は、この蓋が欠かせません。ちなみに私の両親は、『ラーメンを鍋のまま食べるなんて!』と驚いていますが、洗い物も少ないですし便利ですよね(笑)」
――屋外で袋のラーメンを食べるシーンも見ますが、容器など用意周到で驚きました! ラーメンは外でも欠かせないものですか?
「コンビに併設された機械で、アルミホイルのお皿に袋ラーメンの中身とお湯を入れて作る、“アレ”(※)ですよね? やっぱり家の中で食べるのと、外で食べるラーメンは違うんですよ。格別です(笑)! 特に、バーベキューとかだとお肉がメインなので、やはり韓国の人は汁物がほしくなるんですよ。そういう時に、『ラーメン食べる?』って。なので、どこか遊びに行く時は、とりあえずラーメンは持って行きます。宿のスタイルが分からないので、袋だけじゃなくカップのラーメンを持って行ったり…。でも、袋麺もお皿がなくでも食べられないことはないんですよ!」
※“アレ”が気になった方は、「韓国 ラーメン 公園」で画像検索
――スナック感覚で食べる、ということですか?
「それもありますね。夫もですが、『뿌셔먹기(プショモッキ)』(※1)といって、水やお湯がなくてもスナックとして食べるんです。粉末スープを麺にふりかけて(笑)。韓国ではこの方法で、おやす、お酒のおつまみ感覚としてもラーメンをよく食べますね。あとは、袋ラーメンの中にお湯を入れて、割り箸などで袋の口を留めて蒸らしたら出来上がり、というのもありますよ。特に、男性がする食べ方で、『뽀글이(ポグリ)』(※2)と呼ぶのですが、お皿がなくても食べられるんです。袋麺と割り箸、お湯があれば作れるので軍隊ではお馴染みらしく、したことのある男性が多いみたいですね。人によっては、自宅でもポグリで食べる人もいるようです(笑)」
※1……뿌셔먹기(プショモッキ)…砕く食べ方
※2……뽀글이(ポグリ)…袋麺にお湯を入れてラーメンを食べる方法
――先ほどの蓋もですが、知恵ですよね。
「本当ですよね、『すごいなあ!』と感心します! どんなラーメンでも、お鍋がなくても“ポグリ”だとラーメンを食べられますから。そのくらい、“ラーメンはどんな状況でも食べるもの”というのが、韓国の人の考え方なのかもしれませんね」
――ラーメン=日本食という認識、と前編で伺いましたが、韓国に라면(ラミョン)店はあるのでしょうか?
「今は少なくなりましたが、インスタントラーメンを売るお店ですね。袋ラーメンがたくさん並んでいて、そこから好きなものを取って自分で調理して食べる、それが韓国式のラーメン店です。でも基本的には、外のラーメン店=生ラーメンを出す店という認識が強いので、日本食の『라멘(ラメン)』店の方が目にするかな? ちなみに、『떡볶이(トッポッキ)』など粉ものや、『김밥(キンパ)=韓国式のり巻き』などのメニューが揃う料理店『분식점(プンシッチョム)=粉食店』に行けば、韓国のラーメン=『라면(ラミョン)』は食べられますよ!!」
ぜひ、「韓国ラーメン」と検索して、お気に入りの「라면(ラミョン)」を見つけてみてください。ですが、ポグリで食べる際は、お熱いのでくれぐれもご注意を!
■今日のハングル
뽀글이(ポグリ)=袋麺をそのまま食べる方法 김밥(キンパ)=韓国式のり巻き
김(キム)=のり 밥(パブ)=ご飯 분식점(プンシッチョム)=粉食店
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■お話を聞いたのは……るみさん
韓国在住16年目。’04年に韓国の女子高に1年間留学。この1年間で得た経験から、’07年、韓国の4年制大学に正規入学。卒業後、旅行会社での勤務を経て、韓国人男性との結婚を機に一昨年退職。Instagramでは、グルメやスポット、アイテムなど、韓国の“リアル”を発信中。