韓国ドラマで気になるあのシーンのウソ、ホントを現地在住16年目の、るみさんにインタビュー。リアルな韓国文化をお届けします。
家族も友人もみな、兄、姉、弟、妹!?
「サランヘ」「ケンチャナヨ」に続いて耳にする「ヒョン」「オッパ」「ヌナ」「オンニ」。日本語訳では、男性が兄を呼ぶ時は「ヒョン」、姉は「ヌナ」、反対に女性が兄を呼ぶ時は「オッパ」、姉は「オンニ」となりますが、韓国では、友人同士でもこの呼称を使うのです。そこで第1回目は、「ヒョン、オッパ、ヌナ、オンニ」にまつわる話を詳しくお伝えいたします!
――「ヒョン、オッパ、ヌナ、オンニ」と呼ぶシーンが、どのドラマにもありますよね。日本語訳は「兄、姉」ですが、実の兄や姉ではなくてもこう呼ぶのですか?
「はい、そうです。例えば私(女性)の場合、実の兄なら“オッパ”、姉なら“オンニ”ですが、相手が1歳~年上の男性友人も“オッパ”、女性知人も“オンニ”。ただ、呼び方に違いはありません。(男性の場合は、年上の同性友人を“ヒョン”、女性友人を“ヌナ”と呼ぶ。)」
――そうなんですね。ちなみに、韓国の学年の境目は、日本と同じですか?
「いいえ、違うんです。韓国では、1月~12月生まれが同い年、かつ同学年になるんですよ。というのも韓国は数え年なので、1月1日にみんな一斉に年を重ねます。以前は、3月~翌年2月生まれが同学年という日本と似たような考え方で、生まれた年は同じなのに学年が上や下という場合もありました。今は、生まれ年=同じ学年となりましたが、新学期(新年度)の始まりは3月なので、ややこしいですよね(汗)」
※韓国の学年制度(2021年8月時点)
従来は3月~翌2月までが同学年だったが、2009年以降は1月~12月までが同学年に。これにより、同じ年生まれ=同学
――確かに、学年の境と年度の始まりが異なると、複雑ですね。
「はい…(汗)。高齢の方ほど、誰が年上や年下かという“整理”が、知人同士でもついていないことがあるんです。なので、会話の中で突然、学年の“整理”が始まることもあって…(苦笑)。特に男性は『私が年上だ、年下だ!』と言い合いになることもあるらしく、当人同士がOKであれば呼び方は自由ですが、初対面の時の“整理”は重要。そういう観点から、“ヒョン、オッパ、ヌナ、オンニ”の呼称は大切なんです」
――でも、初対面から呼称を使って話しかけるって勇気がいるような…。
「そもそも、韓国では『何歳ですか?』『何年生まれですか?』という会話で始まることが多いんです(笑)。これが、第一段階の“整理”。私は人見知しりをしない性格なので、この整理の段階で、『私がオンニだね』『私がヌナだね』と、初めから呼んでもらうことが多いかな。日本語訳にすると“お姉さん”となり、なんだか不思議な感じがしますね…(汗)」
――つまり、「ヒョン、ヌナ」などは、日本語訳の「兄、姉」以外にも意味があるんですか?
「そうですね。日本にはない感覚で、“愛称で呼んでいる”イメージでしょうか。この愛称で呼べるので、名前がわからなくても『オンニ!』と話し掛けられちゃいます(笑)。初めて会った人でも、明らかに自分より年上だとわかる場合、もっと言うと、相手の名前をド忘れしちゃった時でも『オンニ!』と言えますね。そういう意味では、相手の名前を知らなくても親しくなれます(笑)」
――名前を知らなくても仲良くなれるって…素敵ですね。
「(笑)。仲良しとは違いますが、買い物中に女性店員さんから『オンニ』と話しかけられることもあるんです。この場合は年齢関係なく、“親近感”を持って接しているということですね。同じように、食堂で年配の女性店員に話しかけるときは、『イモ~』。“おばさん”というより、“おばちゃ~~ん!”と愛嬌たっぷりの親しみを込めて呼びかけているイメージです」
――初対面でもあまり距離感を感じさせないため、ということですよね?
「そうですね。ちなみに、スマホの電話帳でもこれらの呼称を使っていますよ。年上の友人の場合は“○○オッパ”“○○オンニ”と、年上の友人を固有名前+呼称で登録している人が多いと思います。特に、年上の知人が多い私の電話帳は、“○○オッパ”と“○○オンニ”だらけですが(笑)」
◾️お話を聞いたのは……るみさん
韓国在住16年目。’04年に韓国の女子高に1年間留学。この1年間で得た経験から、’07年、韓国の4年制大学に正規入学。卒業後、旅行会社での勤務を経て、韓国人男性との結婚を機に一昨年退職。Instagramでは、グルメやスポット、アイテムなど、韓国の“リアル”を発信中。
「私のIDはカンナム美人」放送情報
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8/26スタート 毎週月~金 深1:30~(全16回)
■舞台は大学の化学科。同学年の友人、先輩、妹など、友人同士の距離感が、テーマの呼称で分かるかも!?