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TVガイドみんなドラマ編集部
2022.12.27
3期目の岸辺露伴🎤高橋一生が舵を取った「露伴の芯」とは?
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2022年末も、岸辺露伴に会える! シリーズ3期目を迎え、露伴としての凄みが一層増した主演・高橋一生さんに、『3期目の露伴の魅力』を伺います!

 
2022年も年末のお楽しみが待っているッ! 荒木飛呂彦さんの名作コミック『ジョジョの奇妙な冒険』から派生した『岸辺露伴は動かない』シリーズ。相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むことができる“ヘブンズ・ドアー”という特殊能力(ギフト)を持った漫画家・岸辺露伴(高橋一生)が、奇妙な事件や不可思議な現象に立ち向かう物語のドラマ化第3期が、12月26日(月)、27日(火)の二夜にわたって放送されます。

コロナ禍を彷彿させる世界観の中、これまで見たことのない露伴が描かれる最新作『ホットサマー・マーサ』と、シンプルな一対一のスリルある対決が描かれる『ジャンケン小僧』。「メッセージ性」と「娯楽性」という両極端の魅力をもった2つのエピソードの中で、「これまでになくキャラクター性が広がってきた露伴」に、主演の高橋一生さんはどう挑んだのか。「ひとつの人格に収まるように意識し、慎重に演じた」というその芝居のディテールを、余すところなく語っていただきました。

『ジョジョの奇妙な冒険』の頃よりも広がってきたキャラクター性のおかげで、「露伴をひとりの人間にしていく」上でとても良い経験になりました

 
――『岸辺露伴は動かない』も3期目を迎えることになりました。まずは今回の『ホットサマー・マーサ』と『ジャンケン小僧』の収録を終えた感想をお伺いできますでしょうか。

「毎回、毛色が違うといいますか、ゲストの方もシチュエーションも含め、とても面白く充実していた1期、2期でしたが、3期はそれにも増して毛色が違っていました。というのも、今回僕が主にお芝居をさせていただいたのが飯豊(まりえ)さん演じる泉(京香)編集者以外では、基本、動物と子役の方という感じだったんです。1期2期をやってみて、これ以上濃い方々とご一緒できることはもうないだろうと思っていたんですけれど、3期はそれとはまた違うベクトルでした。犬と一緒にずっとお芝居をするということが僕の中にはあまりない経験だったので、それが(渡辺)一貴さんの演出によってどのように映っているのかが非常に楽しみです」


――第7回の『ホットサマー・マーサ』は、まさに荒木先生が今の時代に岸辺露伴を置いて描いた作品だと思います。それをこの2022年にドラマ化するというのは、非常に意欲的なチャレンジではないかと思うのですが、一生さんは、この一番新しいエピソードを演じることに関しては、どのように捉えていらっしゃいますか?

「僕にとっての岸辺露伴のベースのイメージは、(『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の主人公である、東方)仗助たちと一緒にいた頃の岸辺露伴なんです。どちらかといえば偏屈で、変人で、奇人で、ただ一本芯の通ったところがある。『ジョジョの奇妙な冒険』の表現の仕方をすれば“彼は彼なりの黄金の精神を持っている”というのが露伴に対するファーストインプレッションだったので、そのイメージを持ってこれまで演じてきました。ですが、近年の荒木先生がお描きになられている話は、キャラクター性がどんどん膨らみを増していっていて。僕の中では岸辺露伴という人間が、涙目のような表情になるというシーンは想定していなかったですし、バキンという子犬を飼うということもイメージにはなかったですから。ただ、露伴のそういう側面を知れたことは、とてもありがたいことで、『ホットサマー・マーサ』での露伴の人間性は、僕の中の凝り固まった岸辺露伴像というものを崩してくれました。露伴を多角的に見たときに、こういう面もあるんだというのがとても如実に出ているエピソードだったので、露伴を膨らませていく、ひとりの人間にしていく上では、非常に良い作業をさせていただけたんじゃないかと思っていました」


――第2期のとき、第1期よりもお芝居の出力を大きくしたとお話しされていました。では、今回に関してはいかがでしょうか?

「今回は一貴さんともお話しさせていただいて、1期の頃のお芝居に戻してみようということになりました。ですから『岸辺露伴は動かない』というタイトルにとても沿うと言いますか、どちらかというと“受ける”ことを意識してお芝居をさせていただいていたと思います。『ホットサマー・マーサ』では犬(バキン)のお芝居を受け、『ジャンケン小僧』では柊木(陽太)さんのお芝居を受け…。自分から能動的にお芝居を吹っかけていくというやり方を極力少なくしているので、そういう意味では1期とも違うんですが、ベースは1期に持ってきた気がします」

子どもにも対等な目線で、最初から全力を出せる露伴が素敵だなと

 
――『ジャンケン小僧』で大柳賢を演じた柊木さんは、どのような印象の俳優さんでしたか?

「とても大人っぽい方で、お芝居に対して自分のこだわりやお芝居の仕方、質感のようなものを把握できている方なんだろうなと思いました。ですから、お芝居で会話をしていく上で、ふたりの心理戦のようなものは出せたんじゃないかなと思います」


――以前、『ジャンケン小僧』はぜひ体験したいエピソードだとおっしゃっていました。今回それが実現したわけですが、演じるにあたって特に心がけたことはありますか?

「 “子どもだから”という感覚を全て排除したお芝居の仕方をしていると思います。露伴には、子どもだからしょうがない、子どもだから大目に見る、というような感覚はありません。僕はその感覚にとても賛成で、露伴は子どもにサインを求められたときも、わりと対等な人間として見ているんです。なかなかできそうでできないことだと思うので、そこはとても露伴から学べたところではありました。それだけに『ジャンケン小僧』への臨み方自体も、その感覚を意識してお芝居をしていました」


――子ども相手でも本気になる。それが、まさに露伴の露伴たる所以ですよね。その『ジャンケン小僧』の中で、特に見ものだぞという部分があれば教えてください。

「露伴は最初から圧をかけるんです。心理戦として『これをやったら崖っぷちなんだけど、お前、崖っぷちって分かっている?』という。背に腹は代えられない状況になったら人間は誰でもそうなると思うんですけれど、それを初動で出せる岸辺露伴という人間は、僕はとても素敵だなと思いました。最初から全力で当たろうとするのは、周りの目を気にしていないからこその強さだと思うんです。そこには僕もとても影響されていると思います」

自分が望んだ世界に岸辺露伴として居られることの幸運を、常に感じていました

 
――その『ジャンケン小僧』の劇中に、“3は調和が取れていて4は不安定”というくだりが出てきます。そういう露伴の思考がとても興味深かったのですが、一生さんご自身もその見識に共感するところはありますか?

「はい、僕は“3”というものに対して結構思い入れがあります。僕の誕生日(12月9日)の数字も、3の倍数なんです。ゲン担ぎにも、3、6、9といった3の倍数を気にしてはいたんです。それだけに、3に非常にこだわってしまう露伴や、露伴以上にこだわる大柳賢に対しては、意外とそういう人っているんだなという感覚になりました」

――“4”に関しては、作品の中にも「四辻は、この世ならざるものとつながっている」というセリフが出てきます。

「それこそ“辻斬り”という言葉がある通り、“辻”という言葉自体、ちょっと怪しい、怖いと思わせるところがあります。僕は、道で言えばY字路が好きなんです。四辻は四方八方から恐ろしいものが来てしまう場所なんじゃないか、という感覚は以前からありました」


――「四辻」に対する捉え方も、この作品ならではな気がしますね。

「怪異と呼ばれるものは、火のない所に煙は立たぬというものだと思うんです。ずっと語り継がれてきていますから。僕はそのような話が好きなんですけれど、それには水木しげる先生の影響も大きいんです。今回、撮影で使った古本屋さんで、僕が生まれた1980年に発行された『妖怪大事典』という本を見つけて、即買いしました」


――即買いなさったんですね(笑)!

「僕は怪異というもののベースにあるのは、人間の恐怖なんじゃないかと思っているんです。まず、そこに人がいないと観測者がいないわけです。だから、怪異が全く自分とは関係ない話だとは捉えられない。状況や場所が、人間を後押ししてしまうような要素を持っていたんじゃないか。僕自身そういう感覚を持っていますし、この作品には1期、2期、3期を通してその感覚があると思っているので、自分が望んでいた世界に岸辺露伴として居られることの幸運を、常に感じていました」

露伴のいろんな側面がひとつの人格に収まるよう、「橋渡し」をするように演じました

 
――先ほど「岸辺露伴にはこういう側面もあるんだ」というお話をされていました。とはいえ一生さんが露伴を演じられて今回で3期目です。それだけに自然にそうなってしまうというか、アウトオブコントロール状態になってしまうような部分はなかったですか?

「アウトオブコントロールになってしまうからこそ、気を付けたいなというところはありました。というのは、先ほども申し上げたようにエピソードによって、露伴の特定の側面が際立って出て来るんです。荒木先生がどうお考えになっているかは、直接お伺いしたことはないんですが、近年ハリウッドの映画などで意識的に描かれているマルチバースという世界観を、荒木先生はそれよりも前から漫画に落とし込んでいたのではないかという感覚があります。それこそ『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』には、時を加速させるスタンドを使う敵が出てきますけれど、一巡した世界や、何巡もして別の世界線になってしまう。そういう世界観を荒木先生は以前からお持ちになっているような気がするんです」


――確かにそうですね。

「それだけに露伴の人格というものに整合性をつけていくということにおいて、僕が一本芯を持っていないといけないと思っていたんです。エピソードによっては別人格に見えてしまう恐れがあるので、『ここはお芝居で舵を取らないと、今までの岸辺露伴とは違うことになりかねないな』という部分は、非常に慎重に。特に3期は初期の段階のエピソード(『ジャンケン小僧』)と最新に近いエピソード(『ホットサマー・マーサ』)を扱っているので、そこをどう橋渡しするかということを常に意識して演じていた気がします」

1、2、3期と、“一番最初のお客さん”であるスタッフの方々と、とてもやりやすい環境でお芝居ができていることに感謝しています

 
――では、第1期から第3期の中で一生さんの中にいる露伴に関して、変わってきた部分と変わっていない部分はありますか?

「変わらない部分は、おそらく志の部分だと思います。何を優先するかということは、露伴の中ではブレていない気がしますし、それは僕自身、特に意識してお芝居してきました。逆に変わったことは怪異に対する対応の仕方でしょうか。『これはもしかしたら怪異なのかもしれない』という思考に、わりと早くシフトできるようになっているというか。それはまるで原作における『これはスタンド攻撃かもしれない!』と思えるような変化ですね。3期までで、8つの怪異と対面している。それだけに怪異に対する対応の仕方も以前より柔軟になっていると思いますし、そこは変わったところかもしれないです」

――実写版のスタッフさんも第1期から同じメンバーです。今回3期でまたご一緒して、あらためてワクワクすることはありましたか?

「やはり最初のお客さんが一貴さんであり、(制作統括の)土橋(圭介)さんであり、他のスタッフの方々であるんです。その皆さんがマスク越しであっても笑ってくださったり高揚してくださったりするのが分かるので、できればどの現場にもこの方たちがいて、リアクションしてくださったら本当に嬉しいんだけれどなと思います。僕は常々『10年たっても、やっぱり面白い』と思っていただける作品を作っていかなければと考えているんです。そしてそのためには誤解を恐れずに言えば、SNSの反応などを気にしすぎてはだめだと思うんです。それよりも現場に、良いものを作ろうという『厳しい目』が存在している。そういう状況こそが必要だと思いますから。僕は現場の目こそが世間の縮図だと思っているんです。だからこそ、みんなが疑問に感じたことがあれば、そこをすり合わせながら作品を完成させていっているんです。そうやって、この『岸辺露伴は動かない』に携わるみんなが一丸となって作品を作り上げている感覚は1期、2期、3期と変わらずにある。浮かれすぎることもなく、慎重すぎることもない現場なので、僕もお芝居がやりやすいですし、そういう環境にいられることが非常にありがたいと思っています」
 
 

■プロフィール

高橋一生(たかはし いっせい)
1980年12月9日生まれ。東京都出身。
ドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。2023年1月14日(土)スタート「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」(テレビ朝日)に主演する。2022年12月24日(土)放送「『2020』高橋一生×上田岳弘×白井晃」(WOWOW)が放送。

■番組情報
「岸辺露伴は動かない」
NHK総合 12月26日(月)、27日(火)後10:00~
12月26日(月)第7回「ホットサマー・マーサ」
12月27日(火)第8回「ジャンケン小僧」

 
■第1期 & 第2期 イッキ見!再放送ッ!!

12/21(水)第1期
後 11:50 ~ 深0:40 第1回「富豪村」 
深 0:40 ~ 深1:30  第2回「くしゃがら」
深 1:30 ~ 深 2:22  第3回「D.N.A」

12/22(木)第2期
後 11:50 ~ 深0:40 第4回「ザ・ラン」 
深 0:40 ~ 深1:30  第5回「背中の正面」
深 1:30 ~ 深 2:22  第6回「六壁坂」

 
 
 
取材・文/髙橋栄理子
写真提供/NHK(高橋一生)
 
 
 

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