【推しメン】細田佳央太―人を魅了する誠実さ溢れる演技

2022/02/18 05:05

「もしも、イケメンだけの高校があったら」で民放ドラマ初主演を果たした細田佳央太さんを深掘り。並み居るイケメンの中で、野菊のようにたくましく咲く姿が愛しい!

憑依型俳優・細田佳央太の演技を勝手に分析!

『もしも、イケメンだけの高校があったら』(2022年/テレビ朝日)で、意外にも、連続ドラマ初主演を果たした細田さん。イケメンばかりが通う私立美南学園にうっかり合格してしまい、なぜか「全国選抜高等学校イケメン大会」(通称・選抜イケメン大会)の選抜メンバー候補にも選ばれてしまった平凡な高校生・池田龍馬役を演じています。

最初はジェンダーとかルッキズムとか、現代の風潮を考えてドキドキしてしまったのですが、見続けていくうちに、「この作品が描きたいのは、そこではないんだ…!」ということがわかってきました。イケメンのカテゴリーも時代とともに形を変えていて、外見だけではない真のイケメンが評価される時代になっていくのかもしれない……と細田さん演じる、裏表なくまっすぐに行動できる龍馬を見て感じる日々。

龍馬は令和のイケメンとして認められるのか? そして「選抜イケメン大会」で、美南学園は優勝できるのか⁉ 応援企画として、「美南学園イケメン選抜 ランキングバトル」も開催中なので、ぜひ池田龍馬に清き一票を! こちらの結果も楽しみながら、最終回まで見届けます。

さて、私が細田さんを初めて見たのは、わが家の子どもたちが握手会に行くほどハマッていた『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』(18年/テレビ東京)の邪魔彦先輩! 邪魔彦は、遠藤憲一さん演じる邪魔界の支配者・邪魔男爵の息子。人間に変身し、ヒロインたちが通う中学校に、ヒロインが恋心を抱く正彦先輩として転校してくる、という役でした。

『マジマジョ〜』は、三池崇史監督が総監督を務める「ガールズ×戦士シリーズ」の第2弾として放送された特撮ドラマです。マジマジョピュアーズの相棒で、猫の姿をした妖精・モコニャンの声が安藤サクラさんだったり、邪魔男爵に夢を奪われ、敵の「アキラメスト」になってしまう料理研究家を窪田正孝さんが演じたりと、キャスティングが豪華。ときにはマニアックで母のオタク心もくすぐる、親子で夢中になれる作品でした。
  
細田さんはオーディションで邪魔彦に抜擢されたそうで、正統派イケメン正彦先輩はさわやかに、悪役の邪魔彦はクールに、そしてどちらも細田さんらしくまっすぐ演じていました。後半に進むにつれ、邪魔男爵との親子の葛藤が明らかになっていき、最後はわが家の子どもたちも「邪魔彦、かわいそう…」と肩入れするほどのキャラクターとして存在感を発揮。邪魔界でも抜群の演技力を見せてくれました。  
  
マジマジョ熱があふれ出てしまいましたが、俳優・細田佳央太の魅力がキラキラと輝いた映画『町田くんの世界』(2019年)も、細田さんを語る上で外せません! 1000人以上の中からオーディションで選ばれた、運動も勉強もできないけれど、すべての人を分け隔てなく愛する町田くん役で、“キングオブまっすぐ”ぶりを発揮しています。
W主演の関水渚さんと細田さんの若い2人を囲むのは、高畑充希さんや前田敦子さん、太賀さん、池松壮亮さん、戸田恵梨香さんなど、石井裕也監督だからこその豪華過ぎる奇跡のキャスト。先輩たちの熱量に巻き込まれ、「お芝居が楽しい!」と初めて思えた作品なのだとか。人並み外れて不器用な町田くんを周りのみんなが好きになってしまうのは、細田さんが演じていたからだと確信を持って言えます。話題となったファンタジーすぎるラストも含め、大好きな作品です。Netflix、Huluほかで配信中なので、見ていない方はぜひ!

  
そして、細田さんの魅力が一気にお茶の間に広まったのが、昆虫が大好きな青年・健太を演じた『ドラゴン桜』(21年/TBS)でしょう。第5話から東大専科のメンバーとなり、その愛すべきキャラクターで大注目されました。阿部寛さん演じる桜木先生に、アリの観察記録をとうとうと語るシーンなど、健太が乗り移ったかのようなお芝居で視聴者の心をわしづかみ。“憑依型俳優”の一面を見せてくれました。Paraviでは未公開映像付きのオリジナル版が配信中。私もあの感動を、もう一度味わいたいと思います。

注目を集める中、杉咲花さん演じる弱視のユキコと杉野遥亮さん演じるヤンキー男子・森生のピュアな恋を描いたドラマ、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(21年/日本テレビ)では、ユキコが通う盲学校の同級生、青野陽太役を熱演。生まれたときから全盲ながら、ちょっとエッチで明るい青野くんは、1週間の癒やしでした。森生のヤンキー仲間、戸塚純貴さん演じる花男と、堀夏喜さん演じる草介と青野くんとの間で芽生えた友情物語にかなりグッときました……。
  
ドラマは終わってしまいましたが、スピンオフをお待ちしています!

細田さんは小学2年生で芸能活動をスタートし、現在20歳。所属事務所の若手俳優ユニット「チーム・ハンサム!」のライブではMCに抜擢。渡邊圭佑さん、鈴木仁さん、甲斐翔真さんらと結成した「ハンサムバンド」のメンバーとしても活躍しました。何事にも一生懸命取り組み、演じる役柄からもにじみでる誠実さが、20歳の細田さん最大の魅力です。
  
今後は、『ラブファントム』(2021年、MBS)の相良淳平や、『初情事まであと1時間』(2021年、MBS)の相良裕司のような、ラブ要素多めの作品での活躍もさらに期待したい!(ただ見たいだけ…)

以前インタビューで、「将来は映画監督もやってみたい」と語っていた細田さん。これから俳優としてさまざまな経験を重ね、いつか細田さんが見せてくれるお芝居のような、見る人の心に響く作品を撮ってくれるに違いありません。4月からは、猫付きシェアハウスで暮らす人々を描いたドラマ『ねこ物件』(写真上)もスタート(テレビ神奈川ほか)。猫と細田さんという反則技を、目を細めながら眺めたいと思います!

■Profile
細田佳央太(ほそだ・かなた)

2001年12月12日生まれ、東京都出身。小学2年生から芸能活動を始め、2018年、テレビ東京「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」に出演。2019年には石井裕也監督の映画「町田くんの世界」で主演を務める。その後、映画「花束みたいな恋をした」(2021年)やドラマ「ドラゴン桜」(TBS)、「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ)などに出演し、現在放送中の「もしも、イケメンだけの高校があったら」でドラマ初主演。映画「女子高生に殺されたい」(2022年4月1日公開)を控える。公式Twitter、公式Instagram

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文/石本真樹