若手俳優を紹介する「推しメン!」の第5回は、2022年を迎えた瞬間から、『デキないふたり』で「初きゅん」を届けた板垣瑞生さん!
吸い込まれるような澄んだ瞳が印象的
2021年10月クールは、「気がつけば、そこにきみがいた」と言っても過言ではないくらい、数多くの作品に出演していた板垣瑞生さん。
まずは、バカリズムさんの淡々としたナレーションと、次々と巻き起こる不運エピソードの伏線回収が秀逸だった、『アンラッキーガール!』(読売テレビ)。福良幸(福原遙)という幸せそうな名前とは真逆なアンラッキーすぎる主人公と、ある日偶然出会った綾波樹(高梨臨)と朝倉香(若月佑美)。金運ゼロ、仕事運ゼロ、男運ゼロの不運トリオが、嵐のように訪れる不幸に立ち向かいながらも幸せをあきらめない健気な姿が笑えます!
板垣さんは、若月さん演じる香の頼りない彼氏、桜田卓海役。強盗に間違えられたり、マンホールに落ちたり。バカでダメな卓海と別れられない香を「嗚呼…」と客観的に見つめながらも、板垣さんの憎めないキャラのさじ加減が上手すぎて、次の瞬間には「わかる!」と共感する挙動不審ぶり。最終的には香のように卓海を許し続け、支え続ける覚悟を(勝手に)決めました! コメディーとしても面白いので、ぜひHuluでチェックを!
一方、日曜劇場『日本沈没』(2021年/TBS)と連動して配信された、Paraviオリジナルストーリー『最愛のひと ~The other side of 日本沈没~』では、乃木坂46の与田祐希さんとW主演で、名前のとおり「奇跡」のようにピュアで真っ直ぐな青年・蒔田奇跡を演じています。
日本に迫る未曾有の危機の中で運命的に出会い、恋に落ちるという正統派ど真ん中のラブストーリーももちろんよく似合います。与田さん演じる愛と奇跡の、ケガレのないほっこりとしたやりとりは、見ているだけで心が洗われますね。最終話では『日本沈没』本編の3年後が描かれていて、主演の小栗旬さん、松山ケンイチさん、杏さんも出演。その後の『日本沈没』が気になる方にもおすすめです。
そして、江口のりこさん、赤楚衛二さん、町田啓太さんとの共演で話題の『SUPER RICH』(21年/フジテレビ)では、江口さん演じる氷河衛がCEOを務めるベンチャー企業「スリースターブックス」でインターンとして働く豪徳尊を演じています。
インターン仲間の盛り上げ役で、いわゆる陽キャの大学生が、過酷な就活の波に飲み込まれて…! 『アンラッキーガール!』『最愛のひと』と比較すると、等身大な板垣さんの姿が見られる作品かもしれません。前半は、いいヤツなのかそうじゃないのか…どっちつかずの尊でしたが、自分が蒔いた種が原因で挫折したあと、たくましく自分の道を見つける姿まで見届けられたので、板垣さん推しとしては大満足です。FODで配信中なので、対立する赤楚・町田コンビが見たい方もぜひリピートしてください!
そして締めは、冒頭でも触れたドラマ『デキないふたり』でスタートした2022年。テレ朝ドラマ史上初の「地上波×動画配信プラットフォームTELASA」の完全連動ドラマ企画で、1月1日にはTELASAで「ムズきゅん編」を先行配信。3日には「ディスきゅん」編が放送されました。
板垣さんは山本舞香さん演じる白藤奈緒の元カレ、黒瀬孝仁役をコミカルに演じています。初体験のトラウマを引きずり、恋愛をこじらせた2人が再び出会って惹かれ合うラブコメディー。印象的だったのは、奈緒に思ってもいないことを言ってしまい、食事をしていたお店の壁に頭を打ちつけるシーン。「そんなに!」と思うくらいガンガン行っていて、役者魂を感じました。
3月には、WOWOWオリジナルドラマ『ヒル』も出演。原作にも登場する、闇組織のボスであるヤシマの部下で謎に包まれた男、テトリス役を演じます。
■Profile
板垣瑞生(いたがき・みずき)
2000年10月25日生まれ、東京都出身。2014年、「闇金ウシジマくん Part2」で映画デビュー。2015年映画「ソロモンの偽証」で神原和彦役を演じ、日本映画批評家大賞新人男優賞受賞。その後、NHK「大河ファンタジー 精霊の守り人」(第二期・第三期)やNHK連続テレビ小説「エール」など、話題作に出演。2022年は映画「君が落とした青空」、「ツーアウトフルベース」、「WOWOWオリジナルドラマ ヒル」が控える。公式Twitter、公式Instagram。
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文/石本真樹