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TVガイドみんなドラマ編集部
2021.12.17
🎤シム・ウンギョン独占インタビュー後編「最後まで、ジュニや蓮さん、青木荘のみんな、バンドのメンバー、それぞれの歩みと成長を見守ってください」――『群青領域』クライマックス
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「群青領域」のクライマックスをかみしめるために、主演のシム・ウンギョンさんに聞くインタビューも後編! 実は似た者同士にも思える陽樹との関係性から見えるメッセージ、お芝居で一番大切にしていること…引き続き、大いに語っていただきます✨

自分だけでなく、出会う人々と向き合って共に生きる、というメッセージを感じます

――陽樹(柿澤勇人)との関係がどうなっていくのか、についてもお伺いさせてください。ここまでの物語の中で、陽樹とジュニは少し似ているようにも思えました。互いに才能があり、依存していたところがあるというか。その二人が終盤、自立していくような流れも感じています。

シム・ウンギョン「陽樹は、確かにすべてではないけど、似ているところがあります。だから恋人としての関係も、似ているところがあるからうまくいっていた部分もあると思います。結局ふたりとも、トラウマというか自分の才能に対する自虐があったり、心に傷もあったり、似たような形になっています。けれども、そこからですよね。そこから、それぞれの持っている傷をどうやって乗り越えるのか、が違うと思います。私もこのドラマを通してすごく感じたのが、自分のトラウマや傷は、誰かの傷とは比べられないものだということ。それぞれがとても大変で、本当につらいことでもある。でも、そのことをずっと考えて、つらい思いだけを抱えているだけでは、この長い人生をこれからも歩むことなんてできないというか、生きていけないじゃないですか。ジュニはちょっと不器用だけれど、成長していきたいという気持ちが強いですよね。そこが陽樹とジュニの同じところであり違うところでもあると思っています」

――では一方の陽樹は?

シム「陽樹は陽樹らしく、いろいろ工夫して、世界一、日本一の歌手になりたいという気持ち、目標に向かって走っています。その陽樹を通して、自分の目標だけ考えて、それだけで成長していくものなのだろうか、と考えましたし、私も似ているところは確かにあったと思います。世界一のアーティストになりたいという目標、ほかの誰とも違う自分の目標というものもあると思いますけれども、やはり、それだけでは、自分自身がずっと前を向いて生きていけないんじゃないか、と。だからそういったものを全部抜いて、一人の人間として、どういうふうにこれから生きていったら良いのか。これから自分が出会う人々と自分がどう向き合って、お互いに見守って、自分だけじゃなく、共に生きていくこと。このドラマを通して、そのメッセージがすごく伝わって来るんです」

まるでその場に生きている人のように、キャラクターを見せることを大切にしています

――先日の小松EPのインタビューでは、役者さん達とのお芝居を通してのコミュニケーションの結果、だんだん強い言葉や説明的なセリフを入れなくなってきた、と伺いました。ご自身は、制作陣とのキャッチボールで変化していく実感はあったのでしょうか?

シム「そうですね、監督やプロデューサーの方たちと役者の皆さんとも、いつも撮影の前に、これから撮るシーンに関していろいろ打ち合わせや相談をして、工夫して撮影を進める、そういう雰囲気なんです。話し合いをしながら、また、ジュニを演じてみて、やっぱり役者の仕事は言葉で何かを言うことよりも、一人の人間を演じるというか“見せる”ことなのです。一人の人間の人生すべてを見せるわけではないんですけども、その人の断面というか、人生の中の一つの場面を見せる。役者として、そういう意識をいつも私は持っています。だから、演じる人物は自分とは違う存在であり、自分と比べるのが正解かは分からないのですが、実際に日常生活といろいろ比べたときに、人って、こういうことを、こういう気持ちを言葉で言うのか、言えるのだろうか、と考えます。やはり一番大切なのは、心だと思います。そういう、私が演じるキャラクターが今、持っているその心持ちがちゃんと出てくれば、何よりそれが見えたら、言葉もいらないくらい。自分はそういうふうに考えています。私がいつも演じる上で一番大切にしているのはそういうところです」

――では、台本を読んで常に自然に見せるように考えているわけですね。

シム「でも、だからと言って台本に書いてあるということは、その言葉には作家さんの意図があるし、いつもいつも何回も何回も考えて、また考えて、やっぱり意味があると理解して、そのセリフを言います。その上で、監督、小松さんやスタッフの皆さんと、これからの台本に関して、例えば、ジュニはこういう気持ちを持っているんじゃないでしょうか、などそういう話をたくさんしています。まるで、キャラクターがその場に生きている人のように見せることが私にはとても大切なので、そういうところをいつも考えて、話しながら工夫しています」

小松EP「実は後半は、こちらからウンギョンさんに『どう思う?』って聞いていました。ずっとその役をやってきたのはウンギョンさんなので。例えば8話でも、自身の痛みを吐露した玲二(細田善彦)に向かって言うセリフとか、海辺で蓮(若葉竜也)と二人の場面で、大切な人の話をするんですけど、そこもいちばん最後に一言だけのセリフをウンギョンさんが言ったんですね。その一言でものすごい表現をしてくれて。特別な言葉じゃないんだけれども、それに全部が表れているということを、こちらが教えてもらっている感じで、もう最近は聞くようにしています」

シム「ありがとうございます」

――非常に深いお話をお二人からお聞かせいただいて、より、お芝居や「群青領域」という物語への理解が深まった気がします。ではシムさんから最後に一言、インタビューを読んでくれている方にメッセージをお願いします!

シム「はい。終盤に向けて『群青領域』は走っています。皆さま、ここまでご視聴くださいまして本当にありがとうございます。これからジュニと、蓮さん、青木荘のみんな、そしてバンドのメンバーたちが、自分のそれぞれの道をどのように歩んでいくのか、一人の人間としてどう成長していくのか。最後の最後まで、ぜひ『群青領域』の面々のことを見守っていただければと思います!」


――ありがとうございました!

シム・ウンギョン

1994年5月31日生まれ。韓国出身。2004年に韓国のTVドラマで子役としてデビュー。以来、数々の作品に出演し、実力派女優としての地位を築いた。2019年からは日本での活動も本格的にスタート。映画「新聞記者」(’19)では第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。ほか「七人の秘書」(テレビ朝日系)、「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」(テレビ東京系)などに出演

ドラマ10「群青領域」

NHK総合 金曜 後10:00~10:45 
※リピートあり
12月17日 第9回
12月24日 第10回(最終回)
 
 
 
取材・文 みやけとしろう(編集部)
 
 
 

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