杉野遥亮インタビュー「みんながハッピーになれたら」

2021/11/24 09:09

いよいよ後半戦に突入するドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」から、黒川森生を演じる杉野遥亮さんに直撃インタビュー!

作品に対する思い、演じていての手応え、後半の見どころなどを、たっぷりと語っていただきました。

心と心の触れ合いや分かり合っていく姿が、皆さんの癒やしになれば

――毎週見ていて、とにかくすごく面白いです。周囲からの反響などもお耳に届いているかと思うのですが、ご自身では手ごたえなどいかがでしょうか?

「演技のことに関していうと、やっぱり、まだまだできることはあるというか、放送を見ても、もっとこうだな、ああだなという目で見てしまいますね。反響は、家族、友人など身近な人たちから、すごく良い感想を頂けています。SNSなどで直接的に何かを見るということは無いですけど、なんとなく空気感で、良いものを作れているのかな、という感触は伝わってきてはいます。ただ、僕はどちらかというと、面白いという声を頂くのはもちろん嬉しいですけれども、大事なのは、自分がやるべきことをやるということ。それがちゃんと、楽しくできていれば、それで良いんじゃないかなと思っています」


――やるべきこと、物語を作っていくことに集中できているのですね! ではドラマの内容について詳しく伺っていきます。スタート当初は“恋愛もの”というイメージでしたが、物語が進むにつれ、世間と折り合いの付けにくい要素を抱える二人が、互いを受け入れ、周囲も含めて認め合っていく流れがとても丁寧に描かれています。

「演じている時にはシーンのことに一生懸命ですけれども、あとで通して見たときに、俯瞰で見ると、すごく自然な流れで二人の関係が作られていっているなと思います。また、ここから二人が変わっていくことで周りも変わっていったりという反響も起きてきます。特に7話からは新たな登場人物が出てくるので、大切な人としての何かが見えてきたりするのかなと」

――6回放送の予告に出てきた人物は、今後の展開に深く関わってくるのでしょうか?

「僕自身も台本はまだ7話までしか読んでいないので楽しみにしています。あとやっぱり、原作がとても素敵なので、その世界観を壊さずに皆さまにお届けできたらいいなと思います」


――原作もピュアで素敵ですね!

「はい、それは今すごく求められているものではないかと思っているんです。この物語に悪い人が出てこないんですよ。温かくて、肉体的、物質的なものではなく、心と心の通い合いだったり、人として分かり合っていくさまが、今ささるというか、こういう世の中の状況だからこそ、大事だなということを再確認しました」


――おっしゃる通りです。アルバイトの話で、一番排除しようとしていた先輩と認め合うなど、応援したくなる話になっているように思います。

「本当に浄化してくれますよね。日々たまった鬱憤とかストレスとか。涙を流すことって、浄化につながるので、そういうシーンが一話に1回はあるのが、とても素敵だなって思います」

ユキコと森生だけでなく、皆がハッピーエンドを迎えられたら嬉しい

――森生も、周囲の人物たちと理解を深め合っていきます。共演者の方とのキャッチボールというか、演じることで発展していくものはありますか?

「そうですね、今回、純粋に楽しんでいる部分が強いです。森生は物語の中で、いろんな人と関わる機会が多くて、僕はそれをとっても楽しく思っているし、森生の良いところが広がっていけばいいなという思いでやっています。だから、特に6話の空ちゃん(田辺桃子)とのやりとりは感情が行き渡しできて、とっても楽しかったし、一緒に会話できたのは嬉しかったです」


――空ちゃんの話題が出ましたが、ユキコ(杉咲花)と森生だけでなく、いろんなペアというか組み合わせが描かれています。イズミ(奈緒)と獅子王(鈴木伸之)、空と青野(細田佳央太)、花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)、彼らはこの後、どうなっていくのでしょうか?

「やっぱりハッピーエンドがいいなと思いますね。それぞれが何かしら幸せの形だったり、ゴールだったり、学びだったりを得られるっていうのが良いなと。僕自身、昔からハッピーエンドが好きなんです。だけど自分からすると、やっぱりユキコと森生のストーリーだけど、二人で成り立つものではないので、周りがあってこその二人で、周りがあってこその森生だというのは、見ていてすごく実感するし、みんなで作り上げるチーム戦なのかなと。だから、そういった意味でもみんなで上がっていけたら、と思いますね」

――みんなが幸せに。

「そうですね、はい。やっぱりそれって、相互関係じゃないですか。森生って多分、花男だったりハチ子だったり獅子王だったり、イズミさんからも空ちゃんたちからも、何かいろいろもらっているから、森生としても、彼らに対して思いを馳せるんじゃないかなと。気持ちの面でもらっているから、気持ちの面で幸せになってほしいって。そういうのがたくさんあれば良いですよね。支え合いの輪が広がっていくっていう」


――獅子王が、実は森生に思いを寄せています。

「7話は良いシーンがいっぱいありますよ!」


――獅子王、切ないというか愛しいですよね!

「愛しい! で、特に後半くらいから、いろんな人物たちのことがますます愛しくなっていくと思うんですよ。今までユキコと森生を軸に見てくださっていた方にとっても、どんどんそこだけじゃないことが起こるというか。登場人物みんなが魅力的に描かれていくので、自分も放送を見るのがとても楽しみです」

登場人物それぞれに、色があって、バックボーンが想像できる

――青野くんもじわじわと良さが出てきました。第3話の「同じ赤でもいろんな赤があるでしょ」というシーンが、とても印象深くて。

「あの場面ですね、分かります。確かにって思うし、まあ実際に映像を見たとき、撮影しているときから画面の中に“赤多いなあ”って思いましたけど(笑)、ああいうセリフを青野くんが言うことで、彼の魅力とか深さが出るなって素敵に思ったり、空ちゃんが弱いところを打ち明けることでまた深みが出てきたり、そういう一人ひとりにスポットが当たっていくのが良いなあと思います」


――一方で、ユキコの初恋の人・緋山くん(小関裕太)も、後半これからたっぷりと描かれるのでしょうか?

「どうなんでしょう。これから出てくるんだと思いますけどね。でも絶対、良い面もあれば、見る方にとっては、考え方を揺さぶられる発言だったり、価値観を持っていたりもすると思います。それを良いと思うか悪いと思うかは、見ている方それぞれの受け止め方によってですよね。今こういう時代になって、価値観や考え方は本当に千差万別というか、いろいろあって、誰が正解、不正解っていう単純なことではなくて、誰が良い、誰に沿いたいって思うのも自由だと思うので、そういった意味で、緋山くんが登場して、また作品がより豊かになっていくんじゃないかと思います」


――登場人物の名前に、みんな「色」が付いているのがまた良いですね。

「考え方とか価値観が、全然みんな違うので、それこそまさに“色”ですよね。そこからそれぞれの生きてきたバックボーンが想像できるし。そう考えると、やっぱり『ヤンキー君と白杖ガール』っていう原作の持つ力は大きくて。温かさや、ちょっと神聖な感じすらしています。ぜひ原作も読んでもらいたいです!」


――私もそうだったのですが、ドラマで初めてこの作品に出会った人が、そこから原作を読んで、本当に面白い、温かいと感じられると思います。

「はい、嬉しいです、ありがとうございます!」

――では、締めとして、このインタビューを読んでくださっている方、ドラマのこれからを楽しみにしてくださっている方に向けてメッセージを頂けますでしょうか。

「はい。『とりあえず見て!』と(笑)。『見たほうがイイですよ~』という感じです。だって、泣けますもん! 自分がこれを視聴者として見ている立場だったら、友達や親にすすめると思います。だって1週間に1回泣けたら、1週間に1回は涙出てスッキリするわけじゃないですか。日々の鬱憤を晴らして、大事なことに気付いたりとか、初恋を思い出したりとか。もし気付かなくても、見ているだけでホッとしてくれたらな、と。ピュアな感情が胸に突きささる作品だと思うので、そういうふうに感じていただけたら嬉しく思います!」


■Prolife
杉野遥亮(すぎの・ようすけ)

1995年9月18日生まれ。千葉県出身。’15年に、雑誌「FINEBOYS」専属モデルオーディションでグランプリを獲得。’17年の俳優デビュー以降、「俺の話は長い」(日本テレビ系、’19年)、「直ちゃんは小学三年生」(テレビ東京系、’21年)、「教場Ⅱ」(フジテレビ系、’21年)、「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Videoで配信中)、映画「東京リベンジャーズ」(’21年)、舞台「夜への長い旅路」(’21年)など、数々の作品に出演。待機作に、映画「やがて海へと届く」(4月1日公開)など。Huluオリジナルストーリー「黒川森生、アルバイト探してますっ!」がHuluにて独占配信中。

「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」放送情報

日本テレビ
毎週水曜日 後10:00~

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撮影/尾崎篤史