現在放送中のホームドラマ「妻、小学生になる。」。同作で愛川蓮司を好演する杉野遥亮さんへの、独占インタビュー!
元愛妻家の夫・圭介(堤真一)、外見は小学生の万理華(毎田暖乃)に生まれ変わった妻・貴恵(石田ゆり子)、そして大人になり切れていない娘の麻衣(蒔田彩珠)。ちょっぴり変わった3人と彼らに関わる周囲の人々が、“生きること”に再び向き合っていく姿を描いたドラマ「妻、小学生になる。」。
今作で、麻衣が、仕事の取引先相手として出会って思いを寄せていく愛川蓮司を演じるのが、杉野遥亮さん。麻衣と蓮司の関係性や、物語のキーとなる“心の距離”について、さらに、ドラマにちなんだお弁当のお話をたっぷり伺いました。
温かさが広がっていく。僕がこの物語を好きな理由
――クランクイン前のコメントで、「とても温かく、しっかりと軸のあるお話に共感でき、僕は好き」と本作について寄せていましたが、具体的に、どういう部分に共感されましたか?
「堤さん演じる圭介さんから、どんどん人々の輪が広がっていく感じですね。台本からもその温かさは感じていますし、実際に撮影現場でも肌で感じましたが、堤さんの温かさがどんどん周囲の人に広がっていく。その感じが、僕はとても好きです」
――仰るように、登場人物それぞれが、誰かの存在で変わっていきます。杉野さん演じる蓮司は、麻衣のどういう部分に影響されて、変わっていくと感じていますか?
「現状は想像の範囲で、僕も全てを知っているわけではありませんが、蓮司のバックボーンについて考えています。麻衣が、圭介さんと貴恵さんの娘であり、愛や温かい家庭を知っている人であることを、僕自身、蓮司を演じながら感じたい、という思いです。例えば5話で、『結婚って何のためにするんだろう?』と蓮司がポロっと言いましたが、その後に麻衣が言ったセリフは、『圭介さんと貴恵さんを見ていた彼女だから出た言葉だよな』というのは感じました。そういう何気ない部分から、麻衣が温かさを知っている人であることを感じ取り、蓮司自身も温かさを理解して変わっていくと感じています」
――まさにその第5回(2/18(金)放送)では、麻衣と蓮司の“恋の始まり”が描かれました。でも、それは決して分かりやすい始まり方ではありませんでしたが、2人の中で何が生まれて、恋に変わったのでしょうか?
「確かに、あの“瞬間”を捉えたら、恋が始まったと考えてしまいますが、その時の成り行きであったり、相手の考え方を知っていく過程だったのだと思います。これは僕の予想ですが、『麻衣目線でいうと、もしかしたら今まで見えなかった蓮司の姿が見えた瞬間で、それが、麻衣の中で恋に値するものだったのかもしれないな』って。この先、蓮司は、言葉で麻衣との距離を縮めていきますが、これまで蓮司目線で描かれていることが多くなかったので難しいです…。2人の関係性は基本的に、麻衣がどう感じて、どう受け取るかが軸になってくるのかな、とは思っています」
――第7回以降、蓮司と麻衣の“関係性”にも見える形での変化が?
「そうですね。だからこそ、蓮司が麻衣との距離を縮めていくに至った経緯、その背景を形作っておかないといけないと感じています。台本を読む中で、『麻衣は、蓮司の周りにはいないタイプの人間でもあり、海の向こうにいる蓮司の大切な人とリンクする部分があるのかな?』と、大きく考えていました。喋っていて居心地がいい、テンポが合う、とかそういうことなのかな、と思っています」
――ちょっと言葉が少な目な2人ですが、蓮司は、麻衣に対して居心地の良さを感じているのですね。
「そうだと思います。特に最初の方は、蓮司に関する情報量も多くないので、麻衣への思いに対して難しいな、と感じていました。でも基本的に、麻衣のことを優しくて愛のある人だと思う感情が、蓮司の気持ちのベースにあるのかな。その上での行動や言動だったりすると思っています」
――ちなみに劇中では、お節介が過ぎるあまり、圭介が万理華に怒られることも多いです。杉野さんご自身、そういった圭介の言動に共感できる部分はありますか?
「どうなんでしょう…。でも、気遣いと心遣いは、また別だと思います。心遣いは常に必要だと思っていますが、『気遣いはどうなのかな?』って。と思いつつも、気遣いをめちゃくちゃしてしまいます…。そういう点で見ると、圭介さんは心遣いをしているんじゃないかな、と僕は感じていますね」
――では最後に、“愛しているからこそ思いすぎてうまく伝えられない”…。そんなちょっと不器用な登場人物たちの前に進んで行く姿が、とても素敵に描かれている本作を通して、どんなことを伝えたいですか?
「まず一番に、僕も視聴者の皆さんと同じように、今後の展開が楽しみです。僕が制作側だったら、『いろんな方向や角度で考えたり、まだまだ作りたいな』と思っているので、どういう風にまとまるのかとても楽しみですし、皆さんと一緒に探っていきたいです。僕は今回、縁があってこの作品でお仕事をさせていただいているので、僕が演じる愛川蓮司として、何か1つでも伝えられたらいいなと思っています」
お弁当もおにぎりも、肉派です
―ありがとうございました。ここからは趣向を変えて、ドラマのモチーフにちなんだ質問をしますので、感覚的にお答えください! まずは、「妻、小学生になる。」と言えばお弁当。お弁当で好きなおかずは何ですか?
「お肉! 肉か魚かといったら、僕はお肉を選ぶ機会が多いです! 最近は、鶏の塩麴焼きを食べましたが、美味しかったです。もしくは、煮卵も好きです」
――あれ? お肉から随分離れてしまいましたね。
「タンパク質を欲しているのかもしれません(笑)」
――ちなみに、好きなおにぎりの具材は何ですか?
「チャーシューです。コンビニで、たまに見かけたことありませんか? あるコンビニで、細かく刻まれたチャーシューが入っているおにぎりを購入したことがあるのですが、それが美味しかったです!」
――チャーシューは、なかなか珍しいですね! 子供の頃のお弁当で、好きだったおかず、おにぎりの具材でいうといかがですか?
「唐揚げです。僕の家では、おにぎりの中に唐揚げが入っていました! 一気にエネルギーを補給できるように、ということなんだと思います。小学生の大好きなメニューでもありますし、僕は小さい頃、ポテトと唐揚げがあれば大満足でした!」
――続いて、劇中では「LINE」通話も印象的で、中でも蓮司は“二言返事”が多いですが、杉野さんご自身は?
「似ているところはあるかもしれません。要件だけを伝えてしまうかも…。うん、僕はやっぱりLINEやメールより電話がいいですし、電話よりも会って話がしたいので…。蓮司のように『いく』だけの一言返事だと、冷たい人間みたいに感じるので、文字で柔らかい印象を心掛けないといけないですよね。だからこそ、表情などで相手の感情を知れる電話や直接会う方が好きです」
――ということは、万理華ちゃんのようにスタンプや絵文字はあまり使わないですか?
「全然押さないので、今は、初期設定のスタンプしか入っていないです。絵文字の方が早いな、と思った時は『👍』の絵文字を使うことはありますが、それもたまに…。『承知しました』の後に句点を打つか打たないかとか、そのくらいさっぱりしているので、多分、蓮司と似ています。本当に、要件があればすぐに電話してしまうので…」
――なるほど。お話しを伺っていて、即断即決したいタイプなのかな、と思ったのですが…?
「はい、せっかちな面もあるかもしれません。LINEでいうと、自分の送った内容に対して、相手がどう思うかなどを考えるのが苦手なので、電話で話したいし、電話するなら会って話したい。その方が、わかることもありますし、誤解も生まないと思います。でも、せっかちというのも、基本的には相手に迷惑をかけないように働くことの方が多いです。『早くしなきゃ!』という気持ちも、誰かが待っているなど、相手のことで働くことだと思うんです。といいながら、基本的に僕の中では割と、時はゆっくり流れていて、あまり時間を気にしていないです」
■Prolife
杉野遥亮(すぎの・ようすけ)
1995年9月18日生まれ。千葉県出身。’15年に、雑誌「FINEBOYS」専属モデルオーディションでグランプリを獲得。’17年の俳優デビュー以降、「俺の話は長い」(日本テレビ系、’19年)、「直ちゃんは小学三年生」(テレビ東京系、’21年)、「教場Ⅱ」(フジテレビ系、’21年)、「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Videoで配信中)、「恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール~」(日本テレビ系、’21年)、映画「東京リベンジャーズ」(’21年)、舞台「夜への長い旅路」(’21年)など、数々の作品に出演。待機作に、映画「やがて海へと届く」(4月1日公開)など。
「妻、小学生になる。」放送情報
TBS
毎週金曜 後10:00~
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撮影/尾崎篤史