坂東龍汰インタビュー「海斗のように思いを口に出すタイプ」

2022/08/24 08:08

放送中のTBS系火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』で、森本海斗を演じている坂東龍汰さんにインタビュー。7クール連続ドラマ出演と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い!

そんな坂東さん演じる海斗が、明日の第8回(8/23(火)放送)でまさか…!? そこで、気になる第8回のヒントや海斗という人間に加えて、坂東さんが“仲良くなりたいな”と思う人のポイントについて伺いました。

海斗の存在っていいな。かわいくて、愛おしくて…

――「これまで演じたことのないクセの強いキャラクター」と仰っていましたが、第1回が本当に強烈で、海斗が一番記憶に残ったと言ってもウソではありません!

「えー!? それは初めて言われました!」

――面接のシーンが特に…(笑)。クセが強くて、掴みづらいことはありませんでしたか?

「まさに面接のシーンは、クランクインの日に撮影したこともあり、海斗のキャラクターをあのシーンで伝えないといけない、という意味では大変でした。ですが、面接のシーンだったからこそ海斗のキャラクターを掴めたかな、と思っています。実は、撮影当日の朝まで『どう演じよう?』と、海斗像が固まっていませんでした。『どこまで人間っぽさを出して、どこまで人間味をなくそうか』『声のトーンやどういう音でセリフを言おうか』と、いろいろと考えていましたが、面接の席に座った時に『これだ!』と、掴みました」


――声のトーンや音とは、具体的にどのような?

「共演者の皆さんとテスト(撮影)をした時に、『この音でいこう!』『海斗はこのトーンだ』と、主軸の音感を感じ取りました」

――確かに、海斗のトーンは特徴的! さらに海斗と言えば、先ほどの面接シーンでの長いセリフ。これは、大変でしたよね…?

「はい(汗)。特に僕は、電子機器類とは無縁のシュタイナー教育の学生生活を送っていたので、プログラミング言語という、かなりかけ離れたものとの出会いになりました。喋っていても呪文のようで…(笑)」


――呪文(笑)。ですが、慣れないから一つ一つの言葉を理解して発していると、ある記事で拝見しました。

「頭の中で映像を浮かべながらセリフを言うのですが、それだと普通に話すよりも速度が遅くなってしまいます。フラッシュメモリーのように、断片的にその描写が出てくるくらいのスピード感じゃないとダメだということに気付いてからは、一度は理解しますが、あとは呪文です(笑)。音で話す感覚ですね」


――その上に早口なので、聞いているこちらが噛みそうな気持ちです(汗)。

「ドリポニ(ドリームポニー)のみんなも『呪文みたい』と言っていました。ただ、みんなそれぞれで難しいセリフが異なることもあって、『ははは、噛んだー!』『そのセリフ、言いづらいよね!』と、難解なセリフを楽しんでいます。西島(秀俊)さんには、『間違えることは怖いことじゃないよ』と教えていただきまして…」

――「真犯人フラグ」(日本テレビ系)でも共演されていた西島さんは、やはり心強いですか?

「めちゃくちゃ心強いです! 横にいてくださるだけでマイナスイオンと言いますか、優しいオーラがあるので、心配になった時はつい、西島さんの顔を見てしまいます。そういう時はいつも、ニコッと笑顔を返してくださるので、心強い大先輩です!」

――物語も後半戦。展開とともに海斗を知っていくと、「彼こそ掘り下げたら人間味があるのでは?」と思ったのですが。

「そうですね(笑)。周囲にツッコまれたら色んな一面が出てくると思うのですが、海斗に絡みづらいみたいで…。アドリブで海斗に絡んでくる方は、あまりいません(涙)。たまに、青山(テルマ)さんは絡んでくださるのですが、僕(海斗)が全く反応を示さないから、『絡んだ損じゃん!』って、怖がって逃げられちゃいました(汗)」


――でも、特に第5回(8/2(火)放送)では、ビジコン(ビジネスコンテスト)に一丸となって取り組む中で、メンバーとの距離も縮まったような気がしました。

「今まで見られなかった海斗の顔を見ることができた回でしたよね。僕自身、ビジコンで優勝したシーンは、演じていて楽しかったです! 紆余曲折ありながらも、それぞれが信念を持って頑張ってきましたし、“スタディーポニーキャンパス”を作るという目標を持っているので、思いがぶつかりながらも一体感があって素敵でした」

――ビジコンの準備期間も、海斗の一言がチームを導いていたように、最適解を端的に言える海斗の存在は、すごく大きいと思います。確かに、空気を読んだ方がいいこともありますが、最近は読み過ぎることも多いので…。

「オンエアを見ていて同じことを思いました! 僕は、どちらかというと海斗寄りの人間なので、誤解されることも多いのですが、好きなことや信じていることなどへの思いは、声に出したい。あんなに(海斗のように)『スパーン!』と言わなくてもいいですけど、思ったことを口に出すことは、すごく大事ですよね。もちろん、表現の仕方によっては、違う捉えられ方をされてしまいますが…。だけど、海斗を1人のキャラクターとして見ていて、『こういう人の存在っていいな。かわいくて、愛しいな』って純粋に感じました」

――そんな海斗は先週(8/16(火)放送、第7回)、“スタポニキャンパス”特許申請の件で渦中の人となってしまいました。さらに、過去の記憶がフラッシュバックして苦しんでいたり…、海斗の今後が心配です(涙)。過去に何があったのですか?

「そこは注目していただきたいところです。“うまく表現できないから誤解を招いてしまうし、だから人間関係もうまくいかない”という、今の海斗の人間性を作っているのが、過去のトラウマでもあり…。そんな彼の過去や、海斗とドリポニのみんなとの関係性が、第8話では変化していくと思います。とは言え、ゲームアカデミアの永瀬さん(松尾貴史)はよくないですよね(怒)!」


――はい! もう本当に、分かりやすい“悪”。

「そう! 分かりやすい黒幕(笑)! そんな黒幕がいる中で、海斗やドリームポニーがどうなるのか? 第7話を見て、『海斗が裏切った!』『信じられない!』『海斗なんて…!』と思ったそのままの感情で、明日の第8話を見てほしいです。第1話で海斗が一瞬見せた、“ニヤッ”の意味が分かるかもしれません! 本当に、海斗のいろいろな部分を見ていただけると思います」

――ありがとうございます。第1回の“ニヤッ”が、ずっと気になっていました! さて、ここからは作品にまつわるキーワードから、坂東さんの素顔に迫っていきます。まず初めは、アプリ上のバーチャルスクール“スタポニキャンパス”に掛けて、坂東さんの好きな教科は何ですか?

「苦手な教科はいっぱいありますねぇ(笑)。体育もアリですか? それなら体育! あとは美術と世界史の授業、特に古代ローマ時代、メソポタミア文明や古代エジプトあたりが好きでした」


――絵を描かれたり、陶芸をされたり、ボクシングもお好きですよね! 好きな教科が今の坂東さんの日常に繋がっている!?

「そうですね! 僕が通っていた学校の方針で、世界史の授業でも絵を描いていたのです。まず教科書がなくて、カエサルや、メソポタミア文明の絵画や壁画を真似して描いて、自分だけのノートができあがっていました。絵を描けた世界史の授業は、すごく好きでしたね。日本史の授業でも武将の絵を描きましたが、そこは…(汗)」

――いえいえ、好き嫌いはありますから! 好き嫌いと言えば、海斗は“たらこおにぎり”に目がないですが、坂東さんもお好きなのですか?

「はい、大好きです! でも、おにぎりの具で言うなら、一番好きなのは鮭。二位が、たらこおにぎりです。なので、何個食べても平気で、第5話でもたくさん食べました! 純粋に、『美味しいな~』と思いながら食べています」

――口いっぱいに、頬張っていましたよね(笑)! それでは最後に、「素直な人」「理念を共有できる人」など、ドリームポニーには、仲間になる上での大切な要素がありますが、坂東さんが「この人と仲良くなりたいな」と思うポイントはありますか?

「風ですかね…。その人に流れている“気”のようなもの。結構、瞬発的に察知するタイプなので、『この人に流れているものが好きだな』と感じた瞬間に、『一緒にいたいな』と思います」


――瞬発的というと、初対面で感じ取るのでしょうか?

「一度、話をするだけで感じ取れるようになってきた気がします。そういう人とは、長く深い付き合いになることが多いですね。ファーストインプレッションで、『パチン!』『ビビッ!』と(笑)」

■Prolife
坂東龍汰(ばんどう・りょうた)

1997年5月24日生まれ。北海道出身。’17年に、ドラマ「セトウツミ」(テレビ東京系)で俳優デビュー。’18年に、「花へんろ 特別編『春子の人形』」(NHK BSプレミアム)でドラマ初主演を果たして以降、 「今ここにある危機とぼくの好感度について」(’21年、NHK)、「ソロモンの偽証」(’21年、WOWOWプライム)、「真犯人フラグ」(’21年、日本テレビ系)、「未来への10カウント」(’22年、テレビ朝日系)など、話題作に出演。ほか、「弱虫ペダル」「スパイの妻」(ともに’20年)、「ハニーレモンソーダ」(’21年)、主演作「フタリノセカイ」(’22年)などの映画でも活躍。InstagramTwitterもチェック。

「ユニコーンに乗って」放送情報

TBS系
毎週火曜 後10:00~

   
撮影/尾崎篤志