『リビングの松永さん』実家のような居心地の良さが俳優にも好評

2024/02/06 08:08

火ドラ★イレブン『リビングの松永さん』(毎週火曜 後11:00)は、シェアハウスを舞台に、恋に不器用な堅物アラサー男子・松永純(中島健人)とピュアで一生懸命な女子高生・園田美己(髙橋ひかる)が、時に衝突し、時に助け合うことでお互いを認め合い、成長していくラブコメディー。

たくさんの物であふれ生活感が感じられる「リビングの松永さん」リビングのセット

タイトルにもなっている「リビング」は、たくさんの物であふれ、生活感が垣間見える。実は、この作品では、撮影に入る際に通常行われる「顔合わせ」や「台本読み」に代えて、リビングのセットで実際に動きながらリハーサルを敢行。出演者たちは「こんなすごいセット作ってもらったんだ」と感動し、撮影開始に向けての士気を高めたという。

ドラマの世界観を生み出す上で大切なセットデザイン。『リビングの松永さん』を担当する久渡明日香さんに話を聞いた。

「リビングの松永さん」第5話のシーン写真

撮影初日にすんなり役に入れるような空間を

――ドラマのセットをデザインするときに心がけていることはありますか。

「多くの作品の場合、俳優さんは、撮影初日にセットに初めて入って、その何分か後には役を演じ始めるんです。その状況の中、すんなり役に入れるような空間作りができたらいいなと、毎回思っています」


――『リビングの松永さん』では、それがリハーサルだったとうかがっています。

「皆さん『セットを見てイメージが膨らんだ』と言っていただいたようなので、良かったなって思いました」

「リビングの松永さん」リビングで過ごす女子メンバーのシーン写真

中島健人さんが「リビングに遊びに来てほしい」

――俳優の皆さんから「落ち着く」「ソファにずっといられる」というコメントがあったそうですね。

「Instagramライブで、中島さんに『シェアハウスメンバー以外にもリビングに遊びに来てほしい』というようなことを言っていただいて。実家みたいな雰囲気を大事にしたので、くつろげるとか、居心地がいいという感想は、今回のコンセプトにとても合っているし、それがリアルに伝わったのなら、すごくうれしいです」

「リビングの松永さん」リビングに設置している棚の様子

――よく見てみると、リビングにあるものも、楽器があったり、健康器具があったり、さまざまですね。

「今までもいろんな人が住んできたシェアハウスということを考えると、何が置いてあってもいいと思っていて。本棚には松永さんが読みそうな本も置いていますし、マンガはもしかしたら誰かが置いたのかもしれない。カメラも、健太郎(向井康二)が置いたのかな、とか。誰がどれを持ってきたとは決めていないんですが、見る人が想像しやすいように、幅を持たせました」


――逆に、個室はそれぞれのキャラクターが出ているなと感じます。

「そうですね。松永さんは中島さんが演じるということで、すごくイメージしやすかったです。デザイナーという仕事で、スタイリッシュでかっこよく、中島さんにも似合いそうな黒を基調にした部屋になっています。美己は、とにかく素朴でピュアな女の子のイメージ。ナチュラルなテイストにして、どの女の子にも当てはまりそうな部屋にしました」

「リビングの松永さん」松永さんの個室
「リビングの松永さん」美己の個室

――実際に真似できそうなインテリアや収納技もありますか?

「冷蔵庫の中や、洗濯物のかごなどは、どこにでもあるものを使っているので、マネしやすいと思います。あと、松永さんがデザインしたというマグカップも、松永さんの水色と健太郎の黄色は番組公式グッズとして販売されています」

「リビングの松永さん」キッチンに並ぶマグカップ

2月6日放送の『リビングの松永さん』は…

「リビングの松永さん」第5話代表カット

美己(髙橋ひかる)は松永(中島健人)の誕生日に、これまでのお礼も兼ねてプレゼントを渡したいと考えるが、予算が足りない。そんなとき、凌(藤原大祐)のアルバイト先のカフェが人手不足だと聞き、一緒に働き始める。松永に知られれば反対されると内緒にしていた美己だが、ある日、アルバイト先に松永がやってきて…。

「リビングの松永さん」第5話アルバイトをする美己
「リビングの松永さん」第5話健太郎のバーを訪ねる松永さん

■プロフィール

久渡明日香(くどう・あすか)
大阪府出身。大阪芸術大学を卒業後、(株)テレビ朝日クリエイトを経て、2020年からフリーランスに。関わった主な作品に『時効警察』シリーズ、『dele』『ハコヅメ』など。

推しドラマ・エピソードトーク

新人時代に助手として関わった『時効警察』

――印象に残っているドラマ作品を教えてください。

「悩みますね(笑)。90年代後半から2000年代はじめのころの、フジテレビやTBSのドラマで好きだった王道作品はたくさんあります」


――テレビっ子だったんですね。

「そうですね。それがこの仕事につながっているんだと思います。ひとつ作品名を挙げるとしたら、会社員時代に、美術スタッフとして第一線で活躍していた方の助手として関わった『時効警察』は特別な思いがあります」


『時効警察』(2006年/テレビ朝日)…時効が成立した未解決事件を趣味で捜査する警察官・霧山(オダギリジョー)が活躍するミステリーコメディ。第1シリーズが好評を博し、2007年、2019年にも続編が制作された。

火ドラ★イレブン『リビングの松永さん』放送情報

カンテレ/フジテレビ系
毎週火曜 後11:00~
カンテレドーガ、TVerで最新話を無料配信中
FOD、U-NEXTで最新話まで全話配信中

写真/カンテレ提供 取材・文/陰山ひとみ

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