『光る君へ』衝撃シーンが話題!玉置玲央「嫌われるのは想定内」

2024/01/29 13:01

大河ドラマ『光る君へ』の放送がスタート。第1話で視聴者に強烈なインパクトを与えたのが、藤原家の次兄・藤原道兼だ。

大河ドラマ『光る君へ』は、吉高由里子を主演に、千年の時を超え、今もなお語り継がれるベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部の生涯を描く。

第1話では、幼少期の紫式部・まひろが、この先、特別な絆で結ばれていく三郎(のちの藤原道長)と運命的な出会いを果たす一方、ラストでは、目の前で母・ちやは(国仲涼子)が右大臣・藤原兼家(段田安則)の次兄・道兼(玉置玲央)に殺されるという衝撃の展開を迎えた。


以降、道兼は、兼家に認められたい一心で、女官を使って帝の食事に毒を仕込み、円融天皇(坂東巳之助)を衰弱させるなど、汚れ役を一手に引き受けていく。

そんな『光る君へ』の物語展開のキーマンとも言える、藤原道兼を演じる玉置玲央さんに、放送開始後の反響や撮影エピソードを聞いた。

玉置玲央さん1

大河ドラマ3作品目にして初の「長く参加できる役」

――『光る君へ』への出演が決まったときの気持ちを教えてください。

「大河ドラマは3作品目(※)ですが、やはり参加させていただけるのは光栄なことだなって思いました。1作目も2作目も撮影期間は数日だったんです。『できることなら長く現場にいさせてもらいたい』と思っていたので、今回のように長く作品に参加できる役というのはありがたいです。脚本の大石(静)先生にお会いしたときに、『玉置さんに良い役をと思ったらすごく嫌なヤツになっちゃった』って言われて、『長い期間、嫌なヤツを演じるのか』とも思いましたけど(笑)」

※『真田丸』(2016年)で織田信忠役、『麒麟がくる』(2020年)で伊平次役を演じた。


――「嫌なヤツ」といえば、道兼役は、1話から強烈な印象を残しましたが、放送後の反響はいかがでしたか?

「反響は大きかったですね。『何こいつ』とか『嫌い』とか。直接声を聞くことはなかなかないので、それこそSNSなどで見るくらいですけど。台本読んだときから『嫌われるだろうな』と思っていたので予想通りです(笑)」


――ちやはを刺し殺してしまうシーンの撮影現場はどんな様子だったのでしょうか。

「第1話であの急展開なので、見ている方には道兼がそこに至るまでの積み重ねがないですし、史実にないフィクションの部分でもあるのでどこまで受け取ってもらえるのか、納得してもらえるのかわからない。でも一生懸命、道兼らしく溜めるもの溜め込んで、ちゃんとムカついて従者の言葉にプツンと切れて刺すに至る、という流れを表現しなくちゃいけないという思いで臨みました。実は、竹林の薄暗い中での撮影で日没まで時間がないという緊迫感も現場全体に流れていたんです。その空気と道兼の追い立てられているような状況がうまくマッチして助けられた部分もあります」

玉置玲央さん2

平安時代と江戸時代を行ったり来たり(笑)

――大河ドラマの中でも、平安時代を描く作品は珍しいと思います。

「平安時代の知識って学校の授業で習ったくらいでなかなか馴染みがないですよね。僕は並行して『大奥Season2』(2023年/NHK)の撮影にも入っていたんです。だから平安時代と江戸時代を行ったり来たりで…」


――まるでタイムトラベラーですね(笑)。

「そうなんです(笑)。当然ですけど江戸時代とは衣装も違えば所作も違って。勉強しながら、楽しみながら演じています」


――男女関係も、今とはまったく違いますね。

「一度も会わないまま結婚するとか、文のやりとりとか、面白い感覚だな、と。だけど、まひろと三郎が出会ってひかれ合うのは現代にも通じるものがあって。そこは視聴者として見ていて応援したくなりました。キュンキュンしますよね(笑)」


――ご自身もリアルタイムで『光る君へ』をご覧になって、Xにポストしていましたね。

「自分が出ていないシーンを見るのはオンエアが初めてなんですよ。だから台本で読んでいただけのまひろと三郎のやり取りが『こんなにキラキラした風景の中で、キラキラしたやり取りしていたんだ』って(笑)。基本的にどのシーンも衣装や風景の色味がすごくきれいなんだけど、例えば道兼のパートだとその美しい画にダークな内容が乗っかってくるギャップとか。同じ画の中でもそこにいる俳優が違うとこんなにも印象が変わるんだなって、その辺もすごく面白いと思いました」

玉置玲央さん3

インタビュー後編では、演じる道兼の心の内や、兼家を中心とした藤原家のシーンについて、また玉置さん自身についても聞いています。

玉置玲央さん4

■プロフィール

玉置玲央(たまおき・れお)
1985年3月22日生まれ。東京都出身。劇団「柿喰う客」の中心メンバーとして活躍。最近では映像作品にも活躍の場を広げ、2018年の「教誨師」で第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。主な出演作に、ドラマ10『大奥Season2』(NHK)、『七人の秘書スペシャル』(テレビ朝日)、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)など。2024年は舞台PARCO PRODUCE 2024「リア王」の公演が控える。

大河ドラマ『光る君へ』放送情報

NHK総合 毎週日曜 後8:00~/再放送 翌週土曜 後1:05~
BS・BSP4K 毎週日曜 後6:00~
BSP4K 毎週日曜 後0:15~

撮影/尾崎篤志 取材・文/陰山ひとみ
ヘアメイク/村上知久
スタイリング/長谷川睦子
衣装提供/ジャケット¥70,400(税込)、パンツ¥36,300(税込)/T-JACKET(三喜商事)

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