不動産という業界を通した人間模様を描く痛快お仕事コメディー「正直不動産」。スタートを前に、主演の山下智久さんのインタビューを紹介。
原作は、人気連載中の同名漫画。“口八丁”で売り上げNo.1を誇っていた敏腕営業マン・永瀬財地が、土地のたたりによって嘘をつけなくなってしまいます。これまで“口八丁”で実績を積んできた彼は、正直さだけを武器に海千山千の不動産業界で闘っていかねばならない…。果たして、全てを“ぶっちゃける”しかない永瀬の営業は、この世界で通用するのか?
人は変われる。永瀬の姿から僕が一番伝えたいこと
――初めに、人気コミックで連載中の作品がドラマ化されたことへの率直な気持ちをお聞かせください。
「原作も拝見しましたが、痛快でスッキリさせてくれて、何よりも不動産のことを学べるので、本当に色々な角度から楽しめる作品だな、というのが最初の感想でした。人は、『本音で生きていきたい』という気持ちをどこかで持っていると思うので、多くの方に楽しんでいただけるのではないかな、と感じています」
――原作とドラマのタイトル「正直不動産」から、連想することはありましたか?
「まず、不動産屋さんが正直なのか、正直じゃないのかということ自体、考えたことはありませんでした。なので『正直不動産というくらいだから、“噓つき不動産”も存在するのかな?』と。演じてみて、不動産に限らず、自分で学んで知識を増やしていくことの大切さを今、改めて感じています。大切な人を守るためにも必要なことだと思うので、『正直不動産』というタイトルは、インパクトが大きかったです。あとは、不動産に対してすごく興味を持ちやすくしてくれていますよね」
――不動産のことを学べるとのことですが、印象的な不動産用語やエピソードがあれば教えてください!
「最近、『ペアローン(共有名義)』という言葉を学びました。これも、メリットとデメリットがあるのですが、永瀬は、どちらもしっかりと伝えるのです。これに限らず、永瀬は良い面も悪い面も教えてくれるので、将来家を購入する際に参考になるな、という事例もたくさんあって…。この『ペアローン』も、すごく難しいセリフでしたが(汗)、自分なりに言葉の意味をひも解きながら、不動産の勉強をさせてもらっています。一石何鳥にもなる、そんな感覚ですね」
――仰るように、不動産用語など、聞きなれないセリフが多いと大変ですよね?
「もう助けてほしいです(苦笑)。僕が今まで出演したドラマの中で、群を抜いてセリフが多くて…。普段は撮影の空き時間があると『ふぅ…』と深呼吸をする気持ちだったのですが、今回は、『あ! セリフを覚えなきゃ(汗)』という状況です(涙)。だから本当に、隙間時間をいかに有効活用するかに懸かっていて。でも、本番でバシッと言えた時は、すごく痛快で気持ちいいですよ! セリフを覚えられたという快感とともに、痛快な気分を味わっているので、ある種のストレス発散になっているかもしれません(笑)」
――台本を拝見するに、長い上に、畳みかけるような説明のセリフだったり…。
「どちらかというと僕は、ドMなタイプだと思うので(笑)、追い込まれている自分に燃えているんじゃないかなって思っています。『(難しいセリフをくれて)ありがとうございます! 言い切った!』のような気持ちで臨んでいるので、難しい不動産用語もありますが、楽しみにしていただけたら嬉しいです(笑)」
――劇中では、山下さん演じる永瀬が嘘をつけなくなったことで、営業成績にも影響していきます。そんな永瀬をどう捉えていますか?
「永瀬は、仕事で一番を目指す、お金を稼ぐぞ、という考えの人物です。言葉を選ばずにいうと、わかりやすい成金を目指している、そういうタイプの人間。でもそんな彼が、嘘をつけなくなって、正直に生きて行かざるを得ない状況になる。お客さんと会話をしながら心の中で、『何で学んでいないんだよ? これを知らなかったら騙されるんだぞ!』ということを彼なりに、一生懸命伝えているのだと感じています。お金を稼ぎたい思い一筋の時もそうですが、とにかく一生懸命。何か一つのことに対して一生懸命になれる男だな、というのが僕の永瀬に対する印象です」
――嘘や誠の前に、一つのことに向き合える人間ということですね?
「永瀬のように、一つのことや決めた目標に向かっていく思いが僕にもあるので、すごく共感できます。あとは彼が体現していますが、『人って変われるよね』ということ。これは、僕個人的には、一番伝えたいメッセージですね。僕にも目指しているものがあるので、『目標に向かって一生懸命走っていくことは大切だな』と、永瀬を通して感じています」
――永瀬から刺激を受けているような感覚でしょうか。
「やはり、何かに一生懸命になれることは大切だなと。ちょうど僕が初めてテレビドラマに出演したのが、NHKさんの作品で、僕が小学6年生の時でした。その時以来のNHKドラマ出演なので、初心に戻って、心のドキドキやワクワク、情熱を、永瀬を通して取り戻せるような気がしています。そういう意味でも、一つ一つの目標に向かって、泥臭くても走っていくことって大切だな、と学びながら演じていますね」
――最後に、山下さんご自身、久しぶりの日本のテレビドラマ出演となりますが、今作に掛ける思いなども合わせて、意気込みをお願いします。
「日本のテレビドラマに出演することが久しぶりなので、こうして声を掛けていただいてすごく光栄に感じています。だからこそ、この『正直不動産』を通して、『家っていいよね、家族っていいよね』という温かさや、『本音で生きて行こう』というメッセージを届けられたらいいですね。特にこのご時世、家で過ごす時間が増えているからこそ、家を選ぶ時は、自ら学んで知識を増やさなければいけない。そういう意味も含めて『いい家って何だろう?』という疑問を持って、その答えを、みなさんと一緒に探っていけたらと思います」
■Prolife
山下智久(やました・ともひさ)
1985年4月9日生まれ、千葉県出身。’96年より芸能活動をスタートし、以降は映画やドラマでの俳優活動、アーティストとしての音楽活動で活躍。現在は活動の場を海外にも広げ、’20年にはハリウッド映画「The Man From Toronto」(アメリカで8月12日公開)の撮影に参加。4/7(木)より日米同時配信される「ハリウッド共同制作オリジナルドラマ『TOKYO VICE』」(WOWOWプライムで4/24(日)スタート)に出演しているほか、ブルガリ新作メンズレザーグッズコレクションで、キャンペーンアンバサダーを務める。フランスでMusic Videoを撮影した新曲「Face to Face」が絶賛発売中。Twitter、Instagramもチェック。
「正直不動産」放送情報
NHK総合
4/5(火)スタート 毎週火曜 後10:00~