韓国ドラマに出てくる“あるあるシーン”。これはドラマの世界? それとも日常? と、気になるあのシーンの“ウソorホント”を現地在住16年目、るみさん(旦那様は韓国人!)にインタビュー。 人気ドラマを通して、“リアル”な韓国文化をお届けします!
第2回【家族も友人も“兄や姉”?~後編~】
劇中で、よく耳にする「ヒョン」「オッパ」「ヌナ」「オンニ」。日本語訳では「兄」「姉」となりますが、実際は、年上男性、年上女性を指していると前編でお伝えしました。続く後編では、これら4つの呼称にまつわる話を、さらに深掘りしていきます!
―前編では、「愛称」として4つの呼称が使われていると教えていただきました。
そうですね。
前編でもお話ししたように、韓国では、「ヒョン」や「ヌナ」などには、「兄」「姉」という意味が必ずしもあるわけでありません。互いの距離感を近づけるためや、近づいた証拠として、無意識的に使っているのだと思います。
―「ヒョンニム」という言葉も聞いたことがありますが、「ヒョン」と関係があるのですか?
そうですよ。
男性では、年上男性を「ヒョンニム」と呼んでいる方が多いかもしれません。「ニム」が「様」と訳されるように、「ヒョンニム」の方がより敬意が込められているニュアンスです。「ヒョン」だと、どことなく若い年代同士の呼称という印象もあり、同じように、「ヌナ」の上で「ヌニム」もありますよ。10~20歳ほどの年齢差で使うことが多く、私もたまに「ヌニム」と言われるのですが「ちょっと! ヌニムはやめて!」と言います(笑)。ものすごく年上だと言われている気がするので(涙)。
―ちなみに、男性は「オッパ」と呼ばれると嬉しいと聞いたことがあります…。
笑。年下の異性から「オッパ」「ヌナ」と話しかけられるって、嬉しいものなんですよ。私も「ヌナ」と呼ばれることが増えてきましたが、「あれ、気分いいぞ?(笑)」と。「オッパ」もそういう感覚に近くて、嬉しいという気持ちがあるのだと思います。それこそ、『오빠라고 불러다오(オッパラゴ プロダオ)』というタイトルの歌がありますが、意味は「(おじさんって呼ばないで)オッパって呼んでくれ」。男性の場合、年齢差が大きいと「アジョシ」「サムチョン」と呼ばれるんです。つまり、日本語で"おじさん"(汗)。だからこそ、「オッパ」と言われる方が、相手に若く思われているという感覚があるんです。男性の切なる願いが込められた歌ですね(涙)。
―なるほど。年下の異性から「オッパ」や「ヌナ」と呼ばれると嬉しいのですね。
(笑)。
「オッパ」「ヌナ」などは、家族間では日本語と同じ意味ですが、友人同士ではこれに限りません。“親しい”というニュアンスが含まれるんです。と言うよりも、実の兄弟姉妹以外を指して使う時は、この言葉自体に意味がないのかもしれません。
―だからこそ友人同士では、“整理”が重要になるという…。
そう、とっても大切!
学年が1つでも違うと「ヒョン、オッパ、ヌナ、オンニ」、生まれ年が同じ場合は「チング(友人)」となることが一般的です。ただ、ここでの「チング」は“friend”ではなく、“同い年”という意味の「チング」です。ややこしいですよね(汗)。“整理”をする=年齢を聞く、ということにもなりますが、韓国でも女性に年齢を聞くことは失礼にあたる場合もあります。ですが今後の関係性を考えると、初対面時にはとても重要。 失礼というより、相手に対する“礼儀”として大切なことです。
―家族ではなくても、親しい間柄という意味で年上の友人に対しても「ヒョン、オッパ、ヌナ、オンニ」を使うという点に注目すると、もっと深い人間関係を知ることができそうですね!!
さて次回は、呼称の番外編「職場での呼び方」についてお話します! 日本では「名字+さん」で一般的ですが、はたして韓国は…?
お話を聞いたのは…るみさん
韓国在住16年目。’04年に韓国の女子高に1年間留学。この1年間で得た経験から、’07年、韓国の4年制大学に正規入学。卒業後、旅行会社での勤務を経て、韓国人男性との結婚を機に一昨年退職。Instagramでは、グルメやスポット、アイテムなど、韓国の“リアル”を発信中。

韓国ドラマ「オー!マイベイビー ~私のトキメキ授かりロマンス~」
アジアドラマチックTV(アジドラ) 10/9スタート 毎週土曜日曜 前8:00~(10/9は前9:30~)(全16回)
▶「子どもが欲しい」と父親探しに奔走する主人公が、年上男子、男友達、年下男子をその候補に。オッパと呼び、ヌナと呼ばれているかで、それぞれとの親密度がわかる!

TVガイドみんなドラマ編集部
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