第1回「メッセージ」【2023／3／19（日）放送】
製薬会社で生薬研究員として働く希久夫（滝藤賢一）と、海外のアンティーク家具を扱うバイヤーの美奈子（尾野真千子）は、結婚7年目の仲の良い夫婦だった。ある日、仕事を辞めた美奈子は節目の一人旅と称し、‘グレース’と呼ぶ愛車に乗って家を出発。海外旅行へ出かける。ところがその1週間後、美奈子は南フランスで観光バスの転落事故に巻き込まれて死亡してしまう。葬儀を終え、ぼうぜんとする希久夫の前に、弁護士の袴田（石橋蓮司）が現れた。袴田は美奈子から預かった不可解な遺言と彼女の秘密を語り始める。
第2回「昔の男」【2023／3／26（日）放送】
フランスに旅立ったはずの美奈子（尾野真千子）が、嘘をついて日本各地を旅していたことを知り、愕然とする希久夫（滝藤賢一）。妻が遺した愛車「グレース」のカーナビに、その足跡が残されていると気づいた希久夫は、妻の謎の行動を確かめる為、目的地を一つずつ訪ねてみることに。最初の目的地は、神奈川県藤沢市。そこには、美奈子が昔付き合っていた男、藤木俊彦（伊藤英明）が営む蕎麦屋があった。美奈子が昔の男に会いに来ていたことを知り、希久夫は藤木に真相を問い詰める。
第3回「失われた家族」【2023／4／2（日）放送】
美奈子（尾野真知子）と藤木（伊藤英明）の浮気を疑い、泥酔した挙句、藤木に川へ投げ込まれてしまう希久夫（滝藤賢一）。藤木の妻、紗江（黒谷友香）に介抱された希久夫は、翌朝、妻の真相を知るため、次の目的地、長野県松本市へと向かう。そこは希久夫が幼い頃、父（中原丈雄）、母（丘みつ子）、弟と共に暮らした想い出深い街だった。悲しみを抱えながら運転しているうちに、突如車が白煙をあげた。通りかかった仁科晴香（山崎紘菜）に助けられ、祖父の征二郎（宇崎竜童）が営む修理屋へと案内される。
第4回「グレース・ケリー」【2023／4／9（日）放送】
故障したグレースを見事な手際で修理した仁科征二郎（宇崎竜童）は、かつてこの車を開発したエンジニアだった。孫娘の晴香（山崎紘菜）の手料理を食べながら、希久夫（滝藤賢一）に、開発秘話や当時のエスハチの世界的人気を熱く語った征二郎は、翌朝、レースドライバーさながらにグレースを繰り、希久夫と峠をドライブする。征二郎はグレース・ケリーとこの車の浅からぬ縁と、これまで誰にも語らなかったロマンチックな秘密を明かすのだった。その後、希久夫は一人のヒッチハイク青年（林遣都）に出会う。
第5回「キャッチボール」【2023／4／16（日）放送】
ヒッチハイクで京都まで旅する青年、羽田純哉（林遣都）を助手席に乗せた希久夫（滝藤賢一）は、次の目的地、滋賀県近江八幡市に向かった。到着すると、目の前に30年前に生き別れたままの弟、由紀夫（柄本佑）が現れた。驚く希久夫に、由紀夫は2ヶ月前に美奈子がここを訪ねてきた日のことを語り始める。失った30年を取り戻すように、互いのこれまでを話す二人。由紀夫に、母、千江（丘みつ子）にも会うことを勧められるが、勇気が出ない希久夫。今更、会うべきなのかと葛藤する。
第6回「記憶のかけら」【2023／4／23（日）放送】
母、千江（丘みつ子）が認知症を患っていると聞き、勇気を出して会う決心をした希久夫（滝藤賢一）。琵琶湖のほとりで穏やかに暮らす母と30年ぶりに対面した希久夫の目には大粒の涙が溢れた。嬉しい反面、亡き妻の企みが徐々に明らかになり、この先何が待ち受けているのか、希久夫は怖くも感じていた。その後、純哉（林遣都）を京都に送り届けた希久夫は「腹違いの兄に会うので、一緒に来て欲しい」と純哉から懇願される。兄、純作（木村祐一）を尋ねた二人は、純作に「何しにきた!?」と怒鳴られるが…。
第7回「望まざる再会」【2023／4／30（日）放送】
カーナビ履歴にあった最後の目的地、愛媛県松山市に向かう途中、希久夫（滝藤賢一）は、かつて美奈子(尾野真千子)と一緒に旅をした因島を訪ねる。妻にプロポーズした想い出の島で、希久夫は美奈子が大事にしていた写真の釣り人の真相を知ることとなる。その後、辿り着いた松山には、かつての恋人、伊川草織（広末涼子）が暮らしていた。美奈子は、なぜ、夫の昔の彼女に会いに来たのか？ 美奈子に会ったのかと尋ねる希久夫に、草織は首を振った。希久夫は、懐かしい恋人との再会に、激しく心揺さぶられる。
最終回「永遠の孤独」【2023／5／7（日）放送】
元恋人と再会した日、宿泊先が見つからず、草織（広末涼子）の家に泊まることになった希久夫（滝藤賢一）は、翌日も去り難く、もう少しだけ松山に滞在することに決める。17年前、希久夫に突然別れを告げた草織は、今も後悔と自責の念に苛まれているようだった。亡き妻の想い出話を語るうち、美奈子(尾野真千子)に会っていないと言う草織の嘘に気が付く希久夫。やがて全ての真相にたどり着いた希久夫は、妻の深い愛情と切ない望みを知り、滂沱の涙を流すのだった。