明日、最終回を迎えるTBS系火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』から、須崎功を演じる杉野遥亮さんにインタビュー。「変化」に対する杉野さんの思いを伺いました。
第9回(8/30(火)放送)で、父親の会社で大企業とスタートアップを繋ぐ架け橋になるために、ドリームポニーを去ることを決断した須崎。二人三脚で歩み、想いを寄せてきた佐奈(永野芽郁)との関係は? 最終回に向けた気になる質問を伺いました。。
変化やチャレンジは前向きに捉えて、心が動く方に進んでいます
――いよいよ明日、最終回を迎えますが、須崎と共に歩んできた3カ月を振り返ってみて、いかがですか?
「必死でした。5月の中旬から撮影がスタートして、人として少し大きくなったり、成長している部分を漠然とではありますが、感じています」
――具体的に、どういう部分での成長を感じていらっしゃいますか。
「自分の中で『全力で戦ったな』と思うこともありましたし、自分自身を追求して向き合った3カ月間でした。須崎功という役との向き合い方だけでなく、撮影現場での在り方なども含めて、全力を出し切った3カ月間でした」
――その3カ月を通して、特に印象的なことは…? 第7回ではリフレッシュ合宿のシーンがありましたが、You Tubeの「第7回のメイキング・NGシーン」動画を拝見しまして、皆さんが本当にリフレッシュされているように感じました。
「(撮影場所の)山梨の空気は気持ち良かったです。その土地の空気感を味わえるのは、ロケの醍醐味だとあらためて感じました。富士山に近かったこともあって本当に気持ち良くて純粋に、『この環境で仕事ができるのは嬉しいな』と。四六時中、癒やされていました」
――杉野さんが向き合ってきた須崎は、佐奈を支える立場ですが、言葉よりも表情で見せることが多いのかな、と見ていました。
「(須崎が)今、どういう心理状況なのだろう、という整理は常にしていました。第9話でも少しずつ変わってきていましたが、すでに第6話、第7話あたりから、彼に笑顔が見え始めていたと思います。特別意識したことはありませんが、須崎が佐奈にどういう感情を抱いているのかを、その都度振り返りながら演じていました。彼はすごく成長していく人でもあるので、その部分を僕なりに突き詰めていけたらいいな、と。佐奈と対等の立場でいる瞬間、そうでない時など状況もさまざまだったので、成長部分も細かく丁寧に演じるように心掛けていました」
――そんな須崎は、第9回(8/30(火)放送)のラストで、ドリームポニーを去る決断をしましたが、すごく迷ったのではないでしょうか?
「僕自身は、彼を演じながらそういう感情は抱いていませんでした。これまでずっと佐奈と働いていた須崎にとって、その状況が本当に心の底から望んでいたことではなかったのかな、と。なので、初めてやりたいこと、夢を見つけた彼にとっては、スッキリした気持ちで、前向きに考えていると思いました。ドリームポニーを去ることで、皆となかなか会えなくなることに対しては何かしらの思いはあるかもしれませんが、“自分の進みたい道”という意味では、すごく前向きに捉えているんじゃないかな、と感じています」
――仰るように、ドリームポニーを去ることで佐奈や次郎ちゃん(前原滉)との関係性は変わりますよね…。佐奈と須崎の関係がどうなっていくのかも、とても気になります。
「『ユニコーンに乗って』らしい最後になっています。見た後に、すがすがしい気持ちや納得感を得られるのではないでしょうか。そう思っていただけるように、丁寧に演じてきましたので…。最終話は特に大事なので気持ちの面で慌てることのないように、『ここでのセリフは、こういうことなのかな』など、もう一度、役と向き合いました」
――杉野さんご自身は、チャレンジや変化に対してどのように思われていますか?
「特に最近は、変化はすごく大事だと感じています。『このままの状態が続くことは、果たして良いことなのだろうか』と、ドラマの内容にもすごく共感します。それは、会社(ドリームポニー)としてもそうですが、自分のことに置き換えるならば、“変化”や“チャレンジ”は前向きに捉えたいですし、僕は心が動く方に進んでいっているつもりです。ただ同時に、新しい物事が入って来る時には、孤独を感じたり、今あるものを失わなくてはいけない状況になることも多いです。もちろん僕も、変化する局面に立つと怖いと感じることもありますが、踏み切れるか踏み切れないかによって成長度合いも変わりますし、それも全て合わせて変化って大事だな、と思っています」
――確かに成長には変化が必要ですが、不安が膨らんでしまう人が多いかもしれません。
「でも変化の前には必ず、しんどいと感じる時があります。自分にとって良いものが入って来る前には、大変なことや勇気を出さなければいけない状況になるのは当然だと思っています。何をもって“変化”と捉えるかは人それぞれですが、“変化”を常に受け入れていかないと成長できないんじゃないかな、って。同じところに停滞していても、周りから遅れを取るだけになってしまう…」
――なるほど…。ちなみに、大変だなと感じる時は、どのようにご自身を鼓舞していますか?
「僕は、“目の前に起きることに意味のないことはない”と考えています。孤独を感じたり、相談できる人がいなくなったり、居場所に迷ったとしても、何かしら前に進めると思っていて…。僕たちの仕事も同じですが、今の自分から何かを捨てないと、新しいものは入ってこないのかな、と。世の中は、そういうふうに回っているんじゃないでしょうか」
――確かに固執していては新しいものは生まれないですよね。また、今作は“大人の青春物語”として仕事や恋に真っすぐに生きる姿を描いている一方で、“変わること”の大切さを教えてくれていると思います。最終回の見どころと合わせて、作品を通して伝えたいことを教えてください。
「確かに『ユニコーンに乗って』は、恋愛ドラマの側面もありますが、それぞれが学んだものを、各々のフィールドや方法で発揮していくという、成長や変化を見せることができる作品なんじゃないかと思っています。最終回では、みんなの成長、新たなステージに進んでいく様子も描かれているので、見届けてほしいです。僕が演じている須崎功も、第1話と第10話では違う人のように成長した姿を見ていただけると思います」
――ありがとうございます。では最後に、ドリームポニー内では“恋愛禁止”を掲げていますが、杉野さんご自身、仕事のために恋愛をしないという気持ちに共感できますか?
「自分の感情に素直になったらいいんじゃないかな、と僕は思います。好きになってしまったら仕方ないですし、『恋愛禁止!』と思っていると逆に気になってきたりすることもあるかと…。なので、僕の中では、仕事と恋愛禁止ルールは大きく関係していないのかなと感じています」
■Prolife
杉野遥亮(すぎの・ようすけ)
1995年9月18日生まれ。千葉県出身。’15年に、雑誌「FINEBOYS」専属モデルオーディションでグランプリを獲得。’17年の俳優デビュー以降、’19年には「俺の話は長い」(日本テレビ系)、’21年には、「直ちゃんは小学三年生」(テレビ東京系)、「教場Ⅱ」(フジテレビ系)、「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Video)、「恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール~」(日本テレビ系)や、映画「東京リベンジャーズ」、舞台「夜への長い旅路」など、数々の作品に出演し、話題を集めた。現在、「僕の姉ちゃん」が放送中(テレビ東京、毎週水曜 深1:00~)。出演映画「バイオレンスアクション」が現在公開中のほか、9月22日には、自身2冊目となる写真集「杉野遥亮 PHOTO BOOK『8』」が発売されるほか、’23年の大河ドラマ「どうする家康」出演も控えている。
「ユニコーンに乗って」放送情報
TBS系
毎週火曜 後10:00~
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撮影/尾崎篤志