あの頃のわたしたちは、世界が輝いて見えた――。福原遥がABEMAオリジナルドラマで初主演を務めた群像サスペンスドラマ『透明なわたしたち』。この番組のメモリアルフォトブック発売を記念して、出演者インタビューを1週間にわたり連日公開! 第2回は齋藤風花役を演じた小野花梨インタビューをお届けします。
(本稿は発売中の「『透明なわたしたち』メモリアルフォトブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)
善と悪だけでははかれない、物事の難しさを伝えたい
――地元で主婦として暮らす、齋藤風花役を演じられましたが、脚本を読んでどんなことを感じたのでしょうか。
「6人の主要人物の中で、風花が一番共感を得られる役なのではないかと思いました。だからこそ、リアリティを持って演じることで風花の存在意義を見いだせるかなと」
――現状に満足できない風花のもどかしさを、丁寧に演じていらっしゃいましたね。
「夢に挫折して地元に帰り、結婚して出産するというケースは珍しいことではないと思うんです。ただ、私自身は小さな挫折はあれど、やりたい仕事をさせていただいていて、結婚もしていなければ子どももいない。あくまでも想像でしかないのですが、家庭って、人間が最初に出会う社会ですよね。家族の形に正解はなくて、それぞれまったく違う。想像のしがいがあるなと思いました」
――鬱屈した思いを抱えていた風花は、SNSに渋谷事件の犯人は高木だと特定する投稿をしてしまいます。風花のした行為についてはどう思われましたか。
「よくあることだとは思いたくないですが、演じるためには、『あるあるなんだ』と共感のポイントを下げて理解しようとしました。一歩間違えたら誰もがやってしまう、身近な事象のひとつとして捉えようと。もちろん私は絶対にやりませんよ! あとは、高木くんが、高校時代も大人になっても風花のことを見てくれなかった悲しみが大きかったのかなと。ただ、高木くんが悪者かと言われたらそうじゃないですよね。高木くんは高木くんの正義で、自分の人生を生きていただけですから」
――富山での撮影で印象に残っていることはありますか。
「とても寒かったです。地元の方が、天気予報が一切当てにならないとおっしゃっていて、撮影も天気にかなり左右されました。今思えば、あの土地の持つ不安定さ、人間は一切抗えない無力さが、すべてのシーンに説得力を持たせてくれたなと。作品の不安定さとマッチしていて、大正解の土地選びだったと思います」
(本稿は発売中の「『透明なわたしたち』メモリアルフォトブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)
■Profile
小野花梨(おの・かりん)
1998年7月6日生まれ。東京都出身。’06年、ドラマ「嫌われ松子の一生」(TBS)でデビュー。’23 年、ドラマ「初恋、ざらり」(テレビ東京)でドラマ初主演を務める。近年の主な出演作に、映画「52ヘルツのクジラたち」、「ミッシング」、ドラマ「お別れホスピタル」(NHK)、「スノードロップの初恋」(カンテレ)(すべて’24年)など。’25年、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に出演。
好評発売中!「透明なわたしたち」メモリアルフォトブック
定価:2,750円(本体2,500円)
発行:東京ニュース通信社
【主な内容】
●ドラマ名シーンで綴る、全60頁に及ぶメモリアルアルバム
●撮り下ろしインタビュー:福原遥、小野花梨、伊藤健太郎、倉悠貴、武田玲奈、林裕太
●座談会:松本優作(監督・脚本)×岸建太朗(撮影)×竹内久史(録音)×宮本茉莉(スタイリスト)
●特別対談 幾田りら×福原遥
●オフショット
誠品生活日本橋店で特設ブースを実施中!
■期間:2024年12月9日(月)まで
■会場:誠品生活日本橋
■開場時間平日 11:00〜20:00 土日祝 10:00〜20:00
※特設ブースの詳細はこちらへ
『透明なわたしたち』AbemaTVにて全6話配信中
キャスト:福原遥、小野花梨、伊藤健太郎、倉悠貴、武田玲奈 ほか
スタッフ:<企画>BABEL LABEL <監督・脚本>松本優作 <プロデュース>藤井道人<脚本>八代理沙・八瀬ねね(BABEL LABEL Writer’s room)
「もしも凶悪事件の犯人が、高校時代の同級生だったら――」
2024年渋谷。身元不明の⻘年が、ある凶悪事件を引き起こす。週刊誌ライターの主人公・碧(福原遥)は、事件の犯人が高校の同級生ではないかと気付き、疎遠になっていたかつての仲間たちと再会。誰が、なぜ、事件を起こしたのか。高校時代を回想しながら、真相を追いかけていく。その中で鮮明な記憶として甦るのは、文化祭の日に起きたある事件――。 東京と富山を舞台に、過去と現在、それぞれの事件が繋がり“真実”が紐解かれる、群像サスペンス。
※1~3話は常時無料、4~6話はABEMAプレミアム会員のみ視聴可能。
※11月21日よりNetflixでも配信開始。
撮影/為広麻里 取材・文/石本真樹 構成/袴塚信彦