「素晴らしき哉、先生！」（ABCテレビ・テレビ朝日系にて2024年7～9月クール放送）の脚本・演出を務めたのは、タクフェスの主宰や俳優としても活躍する宅間孝行。物語へ込めた想いや教職員たちへのエール、ドラマを彩ったキャストたちの撮影秘話を全3回でたっぷりとお届け！ 第2回は主演に抜擢した生田絵梨花さんの印象からどうぞ。
（本稿は発売中の「『素晴らしき哉、先生！』公式フォト＆シナリオブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです）
生田さんが持っているものと、りおとの振り幅が出せたことが成功のカギ
――出演時の皆さんの印象などをお伺いします。まずは生田絵梨花さんの印象を教えてください。
「僕が台本に書いたのは、多分パブリックイメージの生田絵梨花ではないと思うんです。やっぱり皆さんは生田さんに対して歌が上手くて、優等生、お嬢様というイメージを持っていて、普通であれば彼女がりお役をするのは違和感があると思います。本人も最初は心配していたり、控え目だったりしたのですが、回を重ねるにつれてりおと一体化してきて、非常にポテンシャルが高い人だと思いました。本質的に彼女が持っているものが、りおとすごくフィットしたのかなと思うくらい。撮影が終わったときに生田さんが『私のドラマ初主演がこの作品で本当によかった』と言ってくれて。彼女が持っているものと、役としてのりおとの振り幅がきちんと見せられたこともあり、彼女の主演で大成功だったと思います」
――りおの家族である笹岡家の皆さん、田中美佐子さん、高橋克典さん、内海誠子さんの印象を教えてください。
「美佐子さんは何度もご一緒していて、勝手知ったる仲なのですが、克典さんは初めてで。僕がやろうとしていることに対して意気に感じて向き合っていただけたのは嬉しかったですね。撮影初日が終わった後に『北野組以来の緊張でした』と言われたり（笑）。というのも、夕食などのシーンでは、僕はほかの作品でも実際に食べながらセリフを言ってもらって、リアリティが出るなら多少のセリフの甘噛みもOKにしているんです。克典さんは『マジですか？』って、そこにプレッシャーを感じていたみたいで。カッチリしたお芝居をする方なのかなと思っていたのですが、逆にすごく軽やかにこなされているのが印象的でした。美佐子さんはもともと軽やかなタイプというか、力が入っていなくて、だからこそやっぱりすごいというところを改めて見せてくれました。内海誠子ちゃんはまったく物怖じしないタイプなので、あのように明るく仲良しな笹岡家が生まれたんだと思います」
――「アリゲーター」の場面でも皆さん、食べて、飲んでいましたね。
「葉山奨之君はひたすら食べていましたからね。葉山君は新人教師の山添役でしたけど、キャリアがある分、気を抜くと〝老獪さ〞が出てしまうので、常に『新人だからね』と言い続けていました（笑）。彼が持っている関西人特有の空気が山添のキャラにすごく合っていて、こちらからもフレッシュさだけを気を付けてもらって、方向性なんかは本人が芝居で作ってくれたところはありますね。一方で美術教師の大隈役の桐山漣君は割とあんな感じでおっとりしていて、すごく落ち着いた感じ。大隈はスナフキンみたいなイメージだったので、彼も結果的にはハマり役になりましたね」
（「『素晴らしき哉、先生！』公式フォト＆シナリオブック」より抜粋・再構成）
■Profile
宅間孝行（たくま・たかゆき）
1970年生まれ、東京都出身。俳優、脚本家、演出家、映画監督。劇団「東京セレソンデラックス」主宰を経て、現在は「タクフェス」主宰。監督作品に映画「あいあい傘」（’18）、「LOVE HOTELに於ける情事とPLANの涯て」（’19）、脚本を手掛けたドラマに「花より男子」シリーズ（’05、’07、’08）、映画「くちづけ」(’13)、映画「ヒートアイランド」(’07）などがある。YouTube連続ドラマ「THE BAD LOSERS」シーズン1＆シーズン2が現在配信中。
好評発売中！「『素晴らしき哉、先生！』公式フォト＆シナリオブック」
定価：3,000円（本体2,727円）
発行：東京ニュース通信社
【主な内容】
●生田絵梨花 とじ込みピンナップ＆グラビア＆インタビュー
●ドラマ名シーンフォトアルバム
●特別公開！ キーアート・メイキング集
●幻の結末が収録！全8話シナリオ完全版
●脚本・演出／宅間孝行ロング・インタビュー
●人物関係図・大人編＆生徒編
●現役の先生たちの「声」
●完全網羅！ 星陽学園高等学校 生徒名簿
●撮影オフショット
表紙カバーは「通常版」と「Amazon版」の2種類！
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取材・文／高橋ダイスケ 構成／袴塚信彦