2024年の秋、主演ドラマに主演映画にと大忙しな俳優・濱正悟に独占インタビュー! どちらの作品もストレートな恋愛作品だけに、役柄や作品についての話だけでなく、自身の恋愛観、果ては「恋愛」を検索したというエピソードまで飛び出し…。”生身の濱正悟”に触れるロングインタビュー、始まります~!
志波が恋に落ちてしまって、嫉妬が始まります!
――濱さんが現在出演されているドラマストリーム「毒恋~毒もすぎれば恋となる~」は、不思議でチャーミングな男同士の物語ですが、先日放送された第4話で、濱さん演じる天才弁護士の志波令真が、半ば強引に志波の家に住みついたハルト(兵頭功海)のことが好きだと自覚してしまいましたね。
「そうなんです。恋に落ちてしまって、嫉妬が始まるっていう(笑)」
――1話からすでに、ハルトが仔犬のような目で志波を見つめてくるシーンがありました。
「涙目で見つめるところですね。すごく繊細な感情表現をする場面だったので、そこに向けて兵頭くんと2人で集中していた感じがありました。夜のシーンだったんですけど、朝からいろいろ撮っていく中で、あそこが大事なシーンだと、スタッフのみなさんも思ってくださっていたみたいで。そこに向けた緊張感とかドキドキ感とかがありました。でも、大事なシーンを撮り終えてしまうんだという切ない思いもあって、不思議な感情でした。けど、始まったら後戻りできないので、お互い、身を預けて演じたような感じがします。ハルトが“涙目で見つめる”というのは明確に台本に書いてあったんですけど、1台のカメラで撮っているので何度も同じ演技をしなきゃいけないじゃないですか。それを毎回やってくる兵頭くんに圧倒されましたし、それがあったからこそ、志波も台本に書かれていないような表現ができたんじゃないかなって思いましたね。兵頭くんとは3回目の共演だったので、彼の人柄も知っているし、ストイックに役を演じていくことも知っていたので、“このセリフは、こうやったらハルトらしさが出るかな”とか、お互い気を遣わずにいろいろ話せたのが良かったと思います。この場面がどういう文脈でああいう会話になったのかは今後明かされるので、楽しみにしていてほしいです」
もはや「好き」も超越している気も。後半にかけて、どんどん志波の変化が見えてきます
――一筋縄ではいかない恋。今は、役者さんも多岐にわたるキャラクターを求められますね。
「今回はラブコメディで、原作の牧野(圭祐)さんも、人間愛を描きたいとおっしゃっていた。なので、志波が恋愛の経験があまりない分、好きってこういうことだったのかとか、だからこんな感情になるんだとか、僕自身も、その新鮮さを毎回感じながら演じています」
――志波とハルトが惹かれあうことついて、濱さんはどんな風に思われますか?
「ハルトの、笑顔だけどどこか儚い部分とか、シンプルに料理が上手いとか、居心地がいいとか、いろんな魅力があって、好きっていう感情になったのが4話までのことですけど、もはや好きとかでもない超越した何かがある気もしますね。なので、ドラマを見てくださった方が、演じた僕らが思ってもないような感想をつぶやいてくれたりするんじゃないかなって。そして天才弁護士の志波は、“冷酷無慈悲な氷の法王“と言われていて、あまり感情が表に出ないんですけど、心の声は感情たっぷりでいろんなことを思っていて。それを自分で自覚して、表情とか言葉に出すようになるのはハルトに影響されてからのことだと思うので、中盤から後半にかけて、どんどん志波の変化が見えてくると思います」
ずっと庭で多肉植物を見ていました。台本の設定で名前がついていないほかの多肉にも勝手に名前を付けたり
――志波にはすごくお茶目なところがあって、溺愛する多肉植物に話しかけたりしていますよね。
「名前も付けていますからね。ロイにスペシャルマッサージを行ったりして(笑)。あれが撮影初日だったので、僕がいると準備の邪魔になるかな…と思いながらも現場に早めに入って、あの(多肉植物を並べている)庭にずっといて、見ていました。志波が一番可愛がっているひとつに、テミスとフェリックスとロイっていう名前が付いているんですけど、他の多肉にも、ジーザスとか、ヤハウェイとか、勝手に名前を付けて遊んでいました」
――もともと多肉植物がお好きなんですか?
「特段そうではなかったんですけど、居心地の良さを感じて、自分の家でも一緒にいたいなって思いました。マイナスイオンじゃないですけど、幸せオーラみたいなのが出ているんじゃないですかね。この間、たまたま行ったところに多肉植物が大量にあって、すごく癒やされました。撮影中にロイの葉っぱが取れたことがあったけど、1カ月半で生えてきたんですよ。フェリックスもダメになってしまった部分があったんですけど、監督が自前の多肉を持ってきて移植したりしていました。原作では、多肉植物があるというだけで、語りかけるとかはないんですけど、ドラマでは、志波の拠り所になっている感じがすごく出ていますよね」
――ご自身のプライベートで、何かに語りかけてしまうようなモノはありますか?
「なかなか語りかけないですよね(笑)。趣味で集めているものもそんなになくて…一時期はカレーをスパイスから作るので、スパイスをめちゃくちゃ集めていましたけど、最近はずっとロケ弁にお世話になっているのであまり作れていないんです。自分で作って完成しても、1人で食べて終わりになっちゃうから、誰かに見せたいなと思って、Instagramに1回あげたんですけど、照れ臭くなっちゃってやめました(笑)」
新しい経験、人間的な変化があったほうが芝居にも変化が出ると思います
――濱さん自身も、今は志波と同じくらい仕事に忙殺される日々だと思いますが、志波にとってのハルトのような、仕事だけに向けていた思いを凌駕するような存在とか、物事を欲する思いはありますか?
「明確に何かっていうわけではないですけど、新しいものが入ってきた方が芝居にも影響すると思うんです。人間的な変化がないと、深くも浅くも、芝居も変わらないと思うので、出会ったときに楽しめる余裕は持っておきたいなって思いますね。僕自身、好奇心が強くて新しいことが好きですし、新しいことを知りたいから俳優もやっているというか…。大学に入って、みんなが就職活動をしている中、自分は、ひとつの仕事を極めていくのでいいのだろうかと思ったんです。俳優も、極めるということでいえばひとつの職業ではあるんですけど、役を通していろんな人生を生きたり、いろんな職業を経験したり、いろんな形の恋愛もすると思うし。今回、事前に裁判の傍聴に行ったんですけど、弁護士役をやらなければ、それも知らない人生だったと思うので」
――何か具体的に自分を変えた出来事はありますか?
「まだ自覚してないだけで、どんどん変わっていっているとは思いますね。自分は本当に人見知りで、人と話したいけど話しかけられないタイプの人間だったんですけど、監督や共演者の方と話さざるを得ない状況がたくさんあって、そのほうが豊かなものになることに気付いて、人と話すのが好きになったっていうのはありますね。お芝居する相手と話すことで一個先に行けるというか、新しいことが起きる感じがして。今回も、監督とだいぶ話しましたから。志波の人間性だけじゃなく、髪型にしても、超合理主義な志波だったら短い方が無駄がないんじゃないかとか。原作は前髪を下ろしているんですが、おでこを出した方がオープンに見えると思うし、裁判のシーンでも、前髪が下りていると隠しているというか、守りに入っている感じがあるかなって。最初は原作に寄せた方がいいかなと思ったんですけど、ハルトとの差を出すためにも、おでこを出して短い髪型がいいかなとか、細かいこともいろいろ話せたのが良かったと思いますね」
シャワーシーンで使うタオルは、スタッフさんの提案で志波のキャラクターに合わせ高級品に
――美しい身体をさらけ出すシャワーシーンもありましたが、あれはどなたのアイデアで?
「台本にもありましたし、監督ですかね。だいぶ脱がされました(笑)。脱がされたっていうと語弊がありますけど、初日なんてほぼ裸でしたから(笑)。志波が使っているタオルの質感とかも衣装合わせで話したんですが、志波は多分お金持ちで、“車なんてまた買えばいい”と言っているぐらいですから、キャラクター的にもいいタオルを持っていた方がいいと、自分では気付かない部分をスタッフさんに教えてもらいました。志波って、原作では筋トレキャラなんです。それで一応体は作っていたんですけど、いざ台本を開いたら筋トレシーンが一個もなくて(笑)。俺、何で鍛えたんだろう…って思ったりしましたけど、志波の家にダンベルが置いてあったので、まあ、やってよかったなって。何の理由もないのに脱いだらバキバキだったら、それこそコメディですよね。でも、多肉植物の前では全裸では居ないっていう。ちゃんとタオルを巻いて隠しているのも志波らしいですよね」
――細かなディテールで人柄が分かるのも映像ならではですね。
「植物って、普通は夜にお水をあげないじゃないですか。でも、4話でカボチャのランタンを作ったとき、ハルトのせいで志波がおかしくなっちゃっていて、“夜だけど水あげちゃっていっか”みたいになったりとか、志波の異変を散らばしておいた方がいいんじゃないかって監督が言っていたんです。撮影が始まる前に監督と話せたことや、兵頭くんとの関係性があったから、台本に書かれていることのひとつ先に行けた感じがして、良かったなと思っています。原作の牧野さんも、1話2話がおもしろかったってポストされていたので、すごく安心しました」
ハルトの過去とともにサスペンス色も。あと2、3回は展開が変わるので、お楽しみに!
――5話以降は怒涛の展開になるということですが、見所を教えてください。
「これまでの志波の人生は仕事が唯一のものだったけど、そこにハルトが加わって、“俺の人生に恋愛はない”と言っていた志波に大きな変化が訪れたことを、志波自身はまだ理解できていないと思うんです。それがこの先の5話、6話で、自分よりも大切なものに気づいていくのかなと思います。今までコメディ全開だった部分も、ハルトの過去が明かされていくことでサスペンスも混じってきたり、ドラマの色がさらに変わって、変わって、あと2、3回は変わる気がするので、それを楽しみにしていただけたらうれしいです」
監督自身の経験を散りばめた作品。不器用な人たちの群像劇で、”会話”がすごく面白い
――ところで、濱さんは、公開間近の映画「恋愛終婚」にも出演されています。こちらで演じた桂木一輝も、志波の最初の頃と同じように、仕事はデキるけど恋愛には興味がないキャラクターですね。
「一輝はだいぶツンでしたよね(笑)。撮影したのは3年前なので27歳くらいだったんですけど、当時のカッコつけてる感じとか、背伸びしている感じが一輝にピッタリだなって。自分としては、3年前の芝居を見て不思議な感じになりましたけど、現場はすごく楽しかったです」
――ここまで真っ直ぐに恋愛を描いた作品も、最近ではなかなかないと思いました。
「監督の岡元(雄作)さん自身が婚活アプリを使っていたそうで、ご自分の経験を散りばめた思い入れの強い作品なんです。恋愛に素直になれない、不器用な人たちの群像劇なんですけど、ラブコメなのでアトラクション感も強いし、会話劇なので、会話そのものがすごく面白いです。一輝もだいぶしゃべるので、僕はもうセリフが多くて、いっぱいいっぱいでしたけど(笑)」
クライマックスはドキドキ、ハラハラの大騒ぎに(笑)!
――一輝のお兄さんの匠(粟森涼)の結婚式のシーンで、一輝と、会社の同僚の(永田)遥(秋月三佳)が廊下で感情をぶちまけ合って、本音を言ってしまう場面にワクワクしました。
「実は遥を好きになってしまうんですよね。そうしたら、一輝の彼女・歩美(秋山ゆずき)にもそれが伝わって…、その場面の歩美が面白かったです。キレてるけど、廊下まで行ってブチギレるまでは行かない感情というか。そのあとに会場が大変なことになるんですけど、歩美は、え、いつの間に? っていう場面も(笑)。そういうコメディ要素もありつつ、恋愛とか結婚を改めて考える作品だったと思います」
スピード恋愛よりも、時をかけた人々が上手くいっているような気はします
――結婚することが目的なのか、恋愛の先に結婚があるのか、濱さんはどう思われますか?
「今はデジタル化が進んでいるので、実際に会う前から相手のことを知っている人が多いというか、展開が早いですよね。ドラマとかも1.5倍速で見る方もいるし、曲も、最初にサビが来て、時間も短めの方がいいとか。それで恋愛もスピード恋愛みたいになるんですかね。僕の周りでも、恋愛をしようとか、結婚したいっていう目的が先行している人は、それしか見えなくなってる気がするんです。それよりは、好きになって、付き合って、時間をかけて結婚した人たちの方がうまくいっているような気がしますね。でも、恋愛っていろんなパターンがあるし、恋愛じゃない“愛”もあると思うし、恋愛の定義って曖昧だなと思って、一回、“恋愛”って検索してみたんですよ」
――それはすごい。検索してどうでしたか?
「この映画の取材で、“結婚に恋愛は必要ですか?”という質問があったので、恋愛ってそういえば何だっけと思って検索したんですけど、結局、よく分かりませんでした(笑)。すごく曖昧なものだし、人それぞれ感覚が違うように、恋愛の概念も捉え方もみんな違いますよね。ドラマの方もそうですけど、やっぱり恋愛って難しい。だからこそ描かれ続けるものなんだと思います」
■Profile
濱正悟(はま・しょうご)
1994年8月22日生まれ。東京都出身。2015年、日曜劇場「下町ロケット」(TBS)で俳優デビュー。「恋せぬふたり」(’22年/NHK総合)、「何かおかしい」(’22年/テレビ東京)、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(’22年/NHK総合)、連続テレビ小説「舞いあがれ!」(’22年/NHK総合)、「何曜日に生まれたの」(’23年/朝日放送)、「グレイトギフト」(’24年/テレビ朝日)など数多くのドラマに出演。
■エピソード「濱正悟さんの推しドラマ」
ドラマっ子なので好きな作品はたくさんあるんですけど、「あなたの隣に誰かいる」(’03年/フジテレビ)というドラマがすごく好きでした。夏川結衣さんとユースケ・サンタマリアさんが出演されていて、坂元裕二さんが脚本を書かれたサスペンスホラーなんですけど、北村一輝さんが連続殺人鬼みたいな感じでめっちゃくちゃ怖くて、強烈に印象に残ってます。主題歌はB’zさんの「アラクレ」だったんですけど、オープニングは、沢田研二さんの「勝手にしやがれ」をB’zさんがカバーして歌っていて。僕の母が沢田研二さんが好きなので、一緒に見ていた覚えがあります。僕はもともとホラーとかダークな作品が好きなので、堺雅人さんの、「ジョーカー 許されざる捜査官」(’10年/フジテレビ)も好きでした。日中は温厚な捜査一課の刑事なんですけど、夜になると、法律で裁けない犯罪者に完全犯罪を仕掛けるんです。ゲストで窪田正孝さんが出られているんですけど、裁かれないように狂人を演じる窪田さんがすごくて、マジで忘れられないです。
ドラマストリーム「毒恋~毒もすぎれば恋となる~」放送情報
TBSほか
毎週火曜 後11:56~(一部地域を除く)
※TVerにて見逃し配信、Netflixにて1話分を先行配信。
映画「恋愛終婚(レンアイオワコン)」公開情報
2024年10月18日から
全国のイオンシネマにて公開
濱正悟さんサイン入りチェキを2名様にプレゼントいたします。濱さんからのメッセージ動画も到着!
■応募方法
下記応募フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。厳正なる抽選のうえ、当選された2名様に「みんなドラマ運営事務局」からご連絡(メール)を差し上げ、送付に必要な情報をお伺いします。
■応募期間
2024年10月15日(火)後5:00 ~ 2024年10月29日(火)後4:59まで
■注意事項
※当選のご連絡は、11月上旬頃にさせていただきます。この連絡をもって当選者の発表と替えさせていただきます。
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
※いただいた個人情報はプレゼントの抽選、当選者へのご連絡以外には使用しません。
撮影/為広麻里 取材・文/幸野敦子 ヘアメイク/佐々木麻里子 スタイリスト/徳永貴士(SOT)