エキストラは、映像作品の雰囲気を演出するための役割を担う仕事です。エキストラといっても映画やドラマ、CMなどさまざまな仕事があり、求められる役も異なります。
エキストラになるには、いくつかの応募方法があります。どんな目的で仕事をしたいのかによって、最適な応募方法は変わるので、事前に確認しておくことが大切です。また仕事を行うにあたり、守秘義務や遅刻厳禁などのルールをしっかり把握しておく必要があります。エキストラの仕事がどんなものなのかしっかり理解した上で、応募するかどうか検討することが大切です。
今回は、エキストラの仕事内容や応募方法について解説します。案件例や注意点も紹介するので、エキストラの仕事が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
エキストラの仕事とは
そもそもエキストラとはどんな仕事内容なのか気になる方に、以下2つの項目を解説します。
・主な仕事内容
・向いている人
それぞれ詳しく見てみましょう。
主な仕事内容
エキストラとは、ドラマや映画などで映像の雰囲気を演出する役のことです。たとえば通行人や、飲食店のお客さんなどが挙げられます。画面には映るものの、セリフはないことがほとんどです。
出演シーンによっては、服装や髪形などを指定されることがあります。その他、バラエティー番組の観客として募集していることも。演技力は求められないことが多いため、募集の条件に合っていれば、経験が浅くても採用される可能性があります。
向いている人
エキストラの仕事をするのに、学歴や経歴は重視されません。しかし向き・不向きがあるのも事実です。特にエキストラに向いているのは、監督の指示に従って臨機応変に対応できる人だといえます。エキストラは演者の邪魔をせず、雰囲気に溶け込むことが求められるため、自分の存在感を示したい方には向いていません。
役者を目指している人は、エキストラとしての仕事をこなしつつ俳優の演技を間近で見られるので、いい勉強になるでしょう。また、制作会社、テレビ関連の仕事に就きたい人にも、エキストラの仕事を通じて映像作品が作られる舞台裏を知れるので勉強になるはずです。
エキストラの応募方法4選
エキストラの仕事に応募する方法は、大きく4つに分けられます。
1.人材派遣会社に登録する
2.求人サイトから応募する
3.制作会社に直接応募する
4.エキストラ専門の事務所に所属する
それぞれの方法を詳しく解説します。
1.人材派遣会社に登録する
エキストラの仕事を扱う人材派遣会社に登録して、仕事をもらう方法があります。派遣会社によって形態は異なりますが、登録しておくとエキストラの仕事が随時募集されるので、出演したいものや条件に合うものがあればその都度応募するといった方法が挙げられます。応募が多い場合は、書類選考や抽選などで出演者を決定することもあるでしょう。
なお、人材派遣会社にオンライン上で登録する場合は、顔写真を求められることがほとんどです。
2.求人サイトから応募する
求人サイトにエキストラの仕事が出ているケースもあります。求人サイトで「エキストラ」と入力すると、関連する仕事がいくつか出てきます。
求人サイトだけでなく、Googleなどの検索エンジンで「エキストラ 求人」と入れても、複数の求人が見つかるでしょう。映画やCM、ドラマなどさまざまな募集があるので、やってみたい仕事に応募するのがおすすめです。
3.制作会社に直接応募する
映画の制作会社では、エキストラを直接応募しているところがあります。「〇〇という映画の〇〇役」と、具体的にどんな役柄をこなすのかわかるので、自分に向いているかイメージしやすいでしょう。
また、テレビ局でもエキストラを募集していることがあるため、気になる案件がないかチェックしてみてください。
4.エキストラ専門の事務所に所属する
エキストラを専門に扱っている芸能事務所に所属すれば、仕事を紹介してもらえます。求人情報も早い段階で入手できるでしょう。
将来的に俳優になりたい方も、芸能事務所のエキストラの仕事なら人とのつながりを作りやすくなります。専属契約ではないため、複数の事務所に所属することも可能です。
エキストラの案件例
エキストラには、さまざまな仕事があります。いくつかの案件例を紹介します。
・ドラマや映画:群衆として参加することが多い。場合によっては映像に映らないこともある
・CM:群衆として参加することもあれば、出演者のひとりとして参加することも。ドラマや映画に比べると映像に映る可能性が高い。Web CMも増えており、案件は増加傾向にある
・ミュージックビデオ:イメージビデオに出演。アーティストの意向により内容は異なるが、振り付けを覚えて踊ることもある
・番組観覧:スタジオで拍手したり歓声を上げたりして番組を盛り上げる。映像には映らない可能性あり。
・スタンドイン:テレビ番組や映画などで撮影前に配置や配光チェックのため、俳優の代わりになる役割。映像に映ることはないが、映像制作の過程が見られるため勉強になる。
映像に映らないエキストラの仕事も多数あります。やりたい仕事がある方は、希望にマッチする求人が出るまで根気強く待ちましょう。
エキストラの応募方法を調べる前に知っておきたい注意点
エキストラに応募するのは、それほど難しくありません。しかし、エキストラの仕事についてしっかり把握して、きちんとこなせるかどうかを考えた上で応募することが大切です。
ここでは、5つの注意点を解説します。
・撮影の待ち時間が長くなることがある
・俳優に必ず会えるわけではない
・交通費や謝礼が出るとは限らない
・エキストラに参加して得た情報を漏らしてはいけない
・ドタキャンや遅刻は厳禁
1つずつ見てみましょう。
撮影の待ち時間が長くなることがある
エキストラは、撮影の状況に合わせて待機しなければならないことがあります。撮影の状況や天候などで、時間が変更になったり長引いたりすることもあるでしょう。
「1時間くらいで終わるならできそう」と応募して、もし撮影が長引いてしまった場合、用事があるからといって勝手に抜けることは許されません。待機時間があることを覚悟した上で、エキストラの仕事に挑む必要があります。
俳優に必ず会えるわけではない
エキストラに応募する動機が「好きな俳優に会える」という場合、出演者には会えない可能性がある点に注意が必要です。
撮影の内容について、誰が来るのかは事前に公表されません。また、自分から「〇〇は来るのか?」と質問するのも避けるべきです。制作会社から「この人にエキストラを頼んだら騒ぎそうだ」と敬遠される可能性もあります。
もしエキストラに応募して運良く好きな俳優に会えたとしても、騒いだり写真を撮ったり話しかけたりして、出演者やスタッフに迷惑をかけてはいけません。
交通費や謝礼が出るとは限らない
エキストラの仕事の中には、現地集合・現地解散で報酬や交通費が出ないケースもあるため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
万が一謝礼が出なくても「演技の勉強をしたい」「作品に出演してみたい」などの目的があれば、有意義に過ごせます。エキストラだからといって適当にこなすのではなく、何かしらの目的を決めて臨んでみてください。
エキストラに参加して得た情報を漏らしてはいけない
エキストラに出演すると、つい人に自慢したくなるかもしれません。しかし、撮影内容について口外してはいけない守秘義務があります。当然ながら、現場を写真に撮ったり録画したりするのもNGです。人に自慢したいからエキストラに応募するという考えはやめましょう。
ドタキャンや遅刻は厳禁
エキストラといっても、大切な出演者のひとりです。自分の都合でドタキャンをしたり遅刻したりするのは厳禁です。その日、その時間に必ず参加できるという保証がある仕事のみに応募しましょう。
万が一ドタキャンや遅刻をしてしまったら、キャストやスタッフに迷惑をかけてしまいます。また、次回応募する際に落選してしまう可能性が高いので、安易に応募しないというのも大切なことです。
エキストラといっても出演者のひとり。責任を持って、与えられた役に取り組むことが大切です。