日曜劇場「アンチヒーロー」Special Interview #6 野村萬斎(伊達原泰輔 役)

2024/07/30 17:05

「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士が常識を覆す、逆転パラドックスエンターテインメント「アンチヒーロー」の公式メモリアルブックが遂に発売されました! その中から、出演者陣にドラマの魅力や制作秘話を語って頂いたインタビューを抜粋し6回にわたってお届け。第6弾は、伊達原泰輔を演じた野村萬斎のスペシャルインタビューをお届けします。

(本稿は発売中の「日曜劇場『アンチヒーロー』公式メモリアルブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)

伏線が各所に隠されているので、
全話見終わった後にもう一度楽しんでください

――本作のオファーを受けた際の率直なご感想から、聞かせてください。

「嬉しかったですね。これまでも、福澤克雄監督から『日曜劇場』へのオファーを何度かいただいていたのですが、スケジュールが合わなくて出演できなかったんです。でも、福澤さんが監督を務めた私の主演映画『七つの会議』(’19)の現場が非常に面白かったですし、きっと『日曜劇場』のスタッフワークもそれを受け継ぐものになるだろうと思っていました。僕は、『日曜劇場』の1つの型として、『スーツを着た時代劇』という側面があると感じていたんです。役者と役者が切り結ぶような緊張感があるじゃないですか。その緊張感と、そこに差し込まれるコメディパートの弛緩作用が、『日曜劇場』の面白さ。真剣に物語を観ないといけない作品は、貴重ですよね。今回は相手が長谷川博己くんということで、僕が彼とどういう風に対峙していくのか考えるだけでもスリリングでしたし、イチ視聴者として『観たいな』と思いました。長谷川くんと久々に会えるのも、純粋に楽しみでしたしね」


――本作での長谷川博己さんとの初共演シーンは、5話冒頭の料亭の場面だったそうですね。

「実際に演技を交えて、改めて彼の成長を感じましたし、あのシーンの撮影は非常にスリリングで楽しかったです。彼とは古い付き合いで、まだ彼が20代の頃、僕が芸術監督をしていた世田谷パブリックシアターの芝居に出て海外公演まで行ってくれた縁があります。ですから、つい『長谷川くん』なんて呼んでしまうのですが。彼はその後、映画や大河ドラマで主演を務めたりして、百戦錬磨の役者さんになられました。世間では、僕と長谷川くんがどこか似ているという声も出ていたようですね」


――若い頃の明墨正樹は自分にどこか似ていた、という伊達原泰輔のセリフもありました。萬斎さんは、どのくらいそこを意識していたのでしょうか?

「かつての部下と上司である明墨と伊達原の行動パターンや思考回路は確かに似ていますし、僕と長谷川くんは師弟関係ではないけれど、20年前の彼を知っているという意味ではリアリティがありました。お互い首が長めなところなど、もともと見た目が似ている部分はあるのかもしれない。また、彼も金田一耕助役などで探偵ものの秘訣を身に着けたのではないかと思いますが、長台詞に説得力を持たせるための声の抑揚の付け方など、テクニックの部分でも共通しているところもあるのでしょうね。ともあれ、舞台の演出や制作をしている立場から言うと、彼の役作りにこの作品がかかっていると言っても過言ではないというのは感じていましたから。20年前、まだ青年だった彼が、どんなキャラが来ても主役を貫くことができる役者に成長して、どんなスタイルを作ってくるかというのは非常に興味がありましたが……見事でしたね」


――伊達原がバナナを食べたり、フライドポテトを食べたりするシーンも、少し意外な気がしました。

「検事正としての一面だけでなく、秋田で育った叩き上げの男の庶民的な部分を出したいということで、監督の提案でした。庶民出身の男が、この世界で生きていくために自分自身を作り上げている部分を強調したいという思いもありましたし、『ブラボー!』『ウェルカム!』のような大げさな仕草も彼の『演技』の一環だと捉えれば、統一感が出ると考えたんです。全編にわたって本当に無駄なシーンがないですし、伏線が各所に隠されているので、全話見終わった後にもまた行きつ戻りつしながら楽しんでいただいたら、『このシーンにこんな意味があったのか』というのがどんどん発見できるのではないですかね」

(インタビューの完全版は、現在発売中の「日曜劇場『アンチヒーロー』公式メモリアルブック」をご覧ください!)

日曜劇場「アンチヒーロー」インタビュー:野村萬斎

■Profile
野村萬斎(のむら・まんさい)
’66年4月5日生まれ。東京都出身。狂言師。演出家。野村万作の長男として生まれ、3歳で初舞台を踏む。’94年に萬斎を襲名し、舞台や映像作品で幅広く活躍。主なドラマの出演に「あぐり」(’97)、「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(’21)、三谷幸喜脚本の「勝呂武尊」シリーズ(’15~’21)、大河ドラマ「どうする家康」(’23)など。映画の出演作に「陰陽師」シリーズ(’01、’03)、「のぼうの城」(’12)、「七つの会議」(’19)、7月26日公開の「もしも徳川家康が総理大臣になったら」などがある。映画「シン・ゴジラ」(’16)では、モーションキャプチャーでゴジラを演じた。

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日曜劇場「アンチヒーロー」公式メモリアルブック
定価:2,200円(本体2,000円)
発行:東京ニュース通信社

【主な内容】
●メモリアル・フォト集
●出演者グラビア&インタビュー
長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎
●人物関係図
●全10話ストーリーガイド
●人物プロフィール
●事件ノート
●制作陣座談会
プロデューサー・飯田和孝×脚本・山本奈奈、李 正美、宮本勇人、福田哲平
●Music Interview
主題歌:milet、劇伴音楽:梶浦由記
●初公開!番組割本
~最終回クライマックスシーンを割本で「読む」
●深掘り!ドラマの美術デザイン
●撮影オフショット

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Blu-ray BOX:4枚組 32,340円(税込)
DVD BOX:6枚組 26,400円(税込)
発売元:TBS・TBSグロウディア
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【映像特典】
スポット集 ほか
【封入特典】
ブックレット
【TBSオリジナル特典】
マフラータオル(TBSショッピングで購入の場合のみ)

※内容・名称は予告なく変更となる場合がございます。
※仕様変更に伴い特典が付かない場合がございます。

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