全国の男性アナウンサーに推しドラマを聞く、【ご当地アナウンサーの推しドラマ】。第7回は、長野県「abn 長野朝日放送」から、稲垣貴大アナウンサーが登場。
稲垣アナウンサーの推しドラマや趣味のスノーボードや山登り、長野県の魅力、稲垣アナがオススメする長野グルメを、写真とともにご紹介いたします。
源田壮亮選手との出会いから、アナウンサーを目指しました
――愛知県西尾市出身で、入社4年目の稲垣貴大アナウンサーにご登場いただきました。まずは、現在の担当番組を教えてください。
「夕方のニュース番組『abnステーション』の月曜から水曜のメインキャスター、土曜日午前の情報番組『駅テレマルシェ』や『いいね!信州スゴヂカラ』のリポーター、高校野球、バスケットボール、バレーボールなどのスポーツ実況を担当しております。また、『abnステーション』では、記者の業務も行っております」
――記者として取材をされてきた中で、特に印象的だったことはありますか?
「二つあります。入社と同時に長野県で生活を始めたこともあり、長野をより感じられる『そば』に興味を持ち、長野市にある長野吉田高校戸隠分校の『そば部』を継続的に取材してきました。高校生という多感な時期に、青春をそば打ちに捧げるその輝かしい姿を見て、私も再び青春を味わわせてもらったな、と印象に残っています。もう一つは、リンゴ農家さんの取材です。長野はリンゴの産地で有名ですが、以前、大雨による浸水で畑が被害に見舞われたリンゴ農家の方を取材したことがありました。その農家さんが昨年の秋、水害後初めての収穫を迎えることができ、私自身とても嬉しくて、その立派なりんごをプライベートで買いに行きました。こういう背景を知ることができるのも、取材の醍醐味だと感じています」
――そば打ちに捧げる高校生のように、稲垣アナは青春を野球に捧げたと伺いました。
「小学3年生から大学卒業まで、13年間野球を続けていました。高校時代は甲子園を目指し、大学時代は社会人野球で次のステップに進もうと考えていたほど、打ち込んでいました。そして今は、高校野球の実況中継を行っているので、とても感慨深いと同時に、野球を伝えることの難しさを感じています。先に起きることを予測して実況をしなければならない部分があるほか、ボールの静止時間が長いスポーツゆえに、喋ることがたくさんあります。伝えるべき適切な内容についても考えさせられますし、自分の実況を見返して反省の日々です…」
――社会人野球を目指していたとのことですが、アナウンサーを目指すようになったきっかけは何だったのでしょうか?
「実は、野球です。大学時代、次のステップを見据えて、トヨタ自動車の社会人野球チームの練習会に参加したことがありました。現在、埼玉西武ライオンズで活躍している源田壮亮選手が、トヨタ自動車に所属していたまさにその当時です。源田選手と共にノックを受けたこともありましたが、一緒にノックを受けている嬉しさを感じることもなく、ただあ然とした記憶が強く残っています。同時に、自分が選手として野球を続けることの難しさを認識し、むしろ、『源田選手を前にして感じたような感動を伝えられる職業に就きたい』と、アナウンサーを目指すようになりました。それまでは本当に、社会人野球の道しか考えていなかったですね」
――源田選手との出会いは、人生を変えるほど衝撃だったのですね。そんな稲垣アナは1年間、テレビ朝日に出向された経験があるそうで…。ていたと伺いました。
「ノック一つをとっても驚きで、源田選手は、ひときわ輝いていましたね。そしてお話にありましたように、入社2年目の10月から翌年の9月末まで、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』(月曜~金曜 後4:45~ ※一部地域を除く)に出向し、番組制作に携わっておりました」
――番組制作とは、具体的にどのような業務をされていたのですか?
「ディレクター兼リポーター業務を行っていました。東京(テレビ朝日)は基本的に、取材をする人、原稿を作成する人、編集をする人、ナレーションをあてる人、アナウンサーと、分業制。その中で私は取材を担当していましたが、長野にいた頃とは取材に行く回数が段違いでした。現在は、1日1本の取材を行い、自分で原稿を書き、アナウンサーとしてスタジオで伝えていますが、東京では1日に3本の取材をこなすこともありました。取材数が多かったので、取材力は身に付きましたし、取材と原稿作成を一人で行っていた時には分からなかったことに気付けて、とても刺激的な一年でしたね」
命の始まりと終わりを担う2人の恋愛を描く「星降る夜に」、化学反応に期待!
――とても濃厚な一年の中では、プライベートで新たなことを始めたそうですね⁉
「はい、サーフィンデビューをしました! 何となく昔からサーフィンをしてみたい、と思っていたので東京にいる時に…(笑)。この写真(上)は、宮崎県の海にサーフトリップに行った時のものですが、東京にいた頃は千葉や湘南にも通っていました。長野に戻ってきてからも、長野市から一番近い新潟の上越市の海(写真下)に、サーフィンをしにいっています! (車で)1時間半ほどで行けるので、昨年の12月中旬にも行ってきました(笑)。ほぼ完全防備ながらも、外気に触れる部分は寒さでしもやけに…。ですが波に乗った時の高揚感は、寒さも忘れるくらいです!」
――そして、サーフィン同様に、社会人になってスノーボードにもハマっていらっしゃると伺いました。
「実は大学生の頃、一度だけ岐阜県でスノーボードをしたことがありましたが、ダメダメで…(汗)。ですが、せっかく長野に来たのでもう一度挑戦してみたところ、すっかりハマりました。写真(下)は、野沢温泉村にある野沢温泉スキー場です。長野の雪は、パウダースノーといわれることがあるように、サラサラとした粉雪で水分量が少なく、とても滑りやすいのです。野沢温泉スキー場だけでなく、白馬村など有名なスキー場がたくさんあり、私の友人も地元・愛知からよく遊びに来てくれます」
――野球、サーフィン、スノーボードときて、最近ハマったものが…登山! とてもアクティブですね。
「体を動かすことが、とにかく好きです。これは、燕岳(つばくろだけ)に登った時の写真ですが、燕山荘という有名な山小屋に宿泊するために1泊2日で燕岳を楽しむ方が多いそうです。そんな中、私は、朝に登り始めて夕方に下山するとういう日帰りコースでしたので、山頂にいた時間は30分もなかったかもしれません(汗)。ですが、山頂からの景色と達成感は格別でした! 登山初挑戦だったのですが、達成感がハンパなく(笑)、『次はどの山を登ろうかな?』と考えているところです。特に、登山とスノーボードは、長野に来ていなければ楽しさに気付いていなかったかもしれないと思うほど、自然を満喫しています」
――そんな体育会系アナウンサーの稲垣さんが現在、ハマっているスポーツ以外のものがあるそうで…?
「はい、ドラマ『星降る夜に』(毎週火曜 後9:00~)で、放送の前からすごく気になっていました。感情を忘れて孤独に生きる産婦人科医の主人公・雪宮鈴(吉高由里子)と、音のない世界で生きる遺品整理士・柊一星(北村匠海)が、10歳差の恋愛を育んでいく物語なのですが、産婦人科医と遺品整理士という命の始まりと命の終わりをつかさどる2人の関係がどうなっていくのか、非常に興味があります。吉高さんと北村さんの実際の年齢もおよそ10歳差ですので、よりリアルですよね。どんな化学反応が起きるのかな、と楽しく見ております」
――脚本も大石静さんですので、ドラマ好きにはたまりませんよね。
「本当に見どころが満載ですし、このドラマが放送される“枠”にも注目しております。テレビ朝日の火曜夜9時は、昨年10月にスタートしたばかりの新しいドラマの枠。『科捜研の女 2022』とは全く異なるジャンルのドラマで、さらに幅広い世代の方にドラマを楽しんでもらえるのではないか、と思っております。個人的には、これまで火曜9時=ドラマというイメージがあまりなかったので、多くの方に『火曜9時=ドラマを見る時間』として定着するきっかけにもなったら嬉しいですね」
――ありがとうございます。では最後に、稲垣アナにとって“長野”はどういう場所なのか、教えてください!
「そば、野沢菜、おやき…そのほかにもおいしい食べ物がたくさんありますし、松本城に上高地、軽井沢に善光寺と、何度訪れても楽しめる観光地が数多くあります。何といっても、地元の皆さんがとても温かくて本当に居心地の良い場所です。ちなみに、『おやき』も、具材の種類が豊富! 野沢菜、野菜ミックス、しめじ、なす、カボチャ…どれもおいしすぎて、私もいつも悩みます。おやきを販売しているお店も多く、どれもおいしいのですが、私のオススメは、善光寺の参道にある『丸八たきや』さんのおやき(写真下)。店内で冷凍販売も行っていますが、店頭ではできたてのアツアツおやきを販売しているのでオススメです!」
■Profile
稲垣貴大(いながき・たかひろ)
1996年6月23日生まれ。愛知県西尾市出身。’19年、abn 長野朝日放送に入社。担当番組は、ニュース番組「abnステーション」(月曜~金曜 後5:33~)の月曜~水曜メインキャスター。また、情報番組「駅テレマルシェ」(毎週土曜 前9:30~)や「いいね!信州スゴヂカラ」(毎週土曜 前10:45~)に出演しているほか、スポーツ実況中継も担当。小学校から大学生までは野球、社会人になってから、スノーボードとサーフィンデビューをし、昨年夏には、ついに登山デビューも果たすなど、体を動かすことが大好きな、アクティブアナウンサー。Instagramもチェック。
取材協力/長野朝日放送株式会社