「滅相も無い」放送記念トークイベント・リポート

2024/04/26 01:01

突然日本に現れた7つの巨大な「穴」。その「穴」を神と崇める男の呼びかけである場所に集まった8人の男女が、自らの「自分史」を語り合う…。昨年、岸田國士戯曲賞を受賞し、映画「ほつれる」など映像の世界でも活躍する加藤拓也氏が脚本・監督を担当するドラマ「滅相も無い」。MBSで毎週火曜深夜0時59分から、TBSで深夜1時28分から放送中、さらにNetflixでの世界配信もスタートする本作の「放送記念トークイベント&3〜4話先行上映会」が、4月24日(水)にユナイテッド・シネマお台場にて開催されました。ドラマに出演している古舘寛治さん、平原テツさん、中嶋朋子さん、窪田正孝さんと、ナレーションを担当する津田健次郎さんが登壇し和気あいあいと進行したイベントの様子をお届けします。

「加藤監督は固定概念に縛られない人」(窪田正孝)

まず、ドラマの感想を問われた古舘さんが「僕の周りは小劇場の人も多いので、面白いねって言ってもらっている。演劇っぽさを映像にして失敗する例も多いと思うのですが今回はうまくいっていて、(加藤拓也監督は)センスに溢れた監督だと思っています」と切り出すと、劇中でカラオケを披露した中嶋さんは「世代が違うから、加藤くんの選んだ曲が全然わからなくて(笑)。一生懸命覚えました」と撮影のエピソードを告白。

昨年、加藤監督の舞台「いつぞやは」を怪我のため降板し、満を持しての加藤組への参戦となった窪田さんは、「固定概念に縛られない人なので、それが映像にも溢れているし、(自分の)殻をどんどん破ってくれて。優しく刃物で刺してくるくらいの刺激を与えてくれる、すごい愛のある人」と、監督を絶賛しました。 そんな中、ロンドンに滞在中の加藤監督が電話でサプライズ登場。平原さんが代表して「現場の加藤くん、聞こえますか?」「みんな加藤くんのこと褒めてたよ」と声をかけると、監督は「ありがとうございます」「こっちは寒いですよ」とクールな対応で、窪田さんが「これでいいの? 事故ってない?」「せっかくロンドンと繋いだのに」と大爆笑する場面も。

登壇者5人が作品を楽しむためのキーワードを紹介

このほかにも、「バーベキューのシーンで使う机を、なぜか平原さんが組み立てられなかった話」や、「2話で染谷将太さんが演じた菅谷のエピソードがずるい」「あそこだけフランス映画みたいだった」などの話題で大盛り上がり。

登壇者5人が作品を楽しむための「キーワード」を紹介した場面では、古舘さんが「(自分がメインで出演する)第5話」というキーワードを取り上げると、平原さんは「自分の宣伝だけをする先輩は、ちょっと残念でしたね」とすかさずツッコミ。

平原さんのキーワードは「リアリティ」、津田さんは「不思議世界」、窪田さんは自分の過去を見つめ直すきっかけになるのではという思いを込めて「和多志(※編集部注=「私」の昔の表記)を取り戻す」というキーワードを披露。

「それぞれの愛の形とそれぞれの心の穴」というキーワードを準備していた中嶋さんは、「古舘さんの自己愛とか、いろんな愛のあり方がある」と冗談めかしながら、「不思議なお話だけど(そこで描かれるのは)それぞれの愛のあり方。壮大な穴が現れるけれど、実は心に空いた穴だったりする」と、作品のテーマを分析していました。

そして、翌4月25日が46歳の誕生日の平原さんを、穴の形のケーキでお祝い! 平原さんは「かなり忠実! 怖い!」とリアルな穴の形状に怯えつつ、ケーキを頬張って「めちゃくちゃ美味しい!」と喜んでいました。

窪田さんは、会場に来た観客に「みんな、穴を見てどう思った? 入るという方!」と呼びかけましたが、観客の手はあまり上がらず、平原さんは「俺も入らないかな。怖いよね、やっぱり」と共感。 イベントの最後には、津田さんが「ハッシュタグを付けて感想をバンバン書いてください。そうしていただかないとエゴサできないので(笑)」と呼びかけると、中嶋さんも「どんなふうに思ったんだろうとか、ぜひ皆さんの声を聞きたいです!」と乗っかり、窪田さんも「みなさんがどういう反応するのか、僕もエゴサします!」と笑顔で締めくくりました。


ドラマイズム「滅相も無い」

MBS 毎週火曜 深0:59~(TBS 深1:28~)

 


取材・文/須藤美紀