若君争奪戦!やっぱりノー眉毛キャラが見逃せないのである

2024/02/28 18:06

将軍・家治(亀梨和也)に若君・竹千代誕生。おめでたいはずが、これはまた、大変なことになった。

なぜなら、「大奥」において、若君とは、「最弱にして最強の存在」だからだ。

最弱とは、もちろん赤子の身で、抵抗力はゼロということ。しかも、大奥総取締り松島(栗山千明)も言うように、将軍の子は、「御腹様(おはらさま)」である生みの母ではなく、乳母に育てられるのがならわしなのである。竹千代は誰の乳を飲むのか。狙われたらひとたまりもない。

 一方、誰がこの子の後ろ盾となるのか。若君を抱き、守り切った者こそが、権力のトップの座に就ける、最強の存在でもある。生母のお知保(森川葵)から竹千代を引き離し、笑いが止まらない松島は、長年、ともに陰謀を巡らせてきた“相棒”田沼意次(安田顕)に、「そなたの指図は金輪際受けるつもりはございません」と決別宣言。怒った田沼は、松島のライバル高岳(田中道子)に接近する。眉毛がうすい田沼と眉毛のない高岳。ノー眉毛の新たなバディにより、最強カードの若君を巡って、争奪戦になることは必定。大丈夫なのか、若君!?

そういえば、過去のフジテレビの「大奥」シリーズでも、若君はピンチの連続だった。

五代将軍・綱吉(谷原章介)の御代を舞台にした「大奥~華の乱」。人妻だったのに無理やり綱吉の側室にされた安子(内山理名)が男子・長丸を出産。綱吉が長丸を溺愛すると、先に徳松を生んでいた側室のお伝の方(小池栄子)は、嫉妬ファイヤーを激しく燃やす。そして、陰謀男の側用人柳沢吉保(北村一輝)に「庭に落ちた青梅は毒」とそそのかされたお伝は、スキを見て幼い長丸の口に青梅を押し込んだ! ひーっ、怖すぎ!

お伝の方は、眉毛がなく、見るからに気が強そうな迫力の容貌だった。やっぱり「大奥」のノー眉毛キャラは、要チェックなのである。

そんな中、気になるのがヒロイン倫子(小芝風花)と家治の関係だ。お知保に安産のお守りを見せつけられたりして、懐妊しないことにコンプレックスいっぱいだったが、竹千代の可愛らしさに触れて、誰の子も宝だと自覚。精神的な成長を見せた。だが、ここへきて次回は「私がお子を…」という展開になる様子。またまた波乱の予感がする。

実は史実では、倫子は家治との間に姫を授かっている。ドラマにも出てきたが、徳川将軍家では、二代秀忠の正室・江が生んだ三代・家光のほかは、ずっと側室が将軍の生母になってきた。「華の乱」では、倫子と同様に公家から嫁いできた正室(藤原紀香)は、綱吉からまったく相手にされず、表向きは品よく優雅にしていたものの、側室たちにメラメラと嫉妬していたのだ。そんな空気の「大奥」で、側室の数も少なく、正室との間に愛娘が授かった家治は愛妻家とみられているのである。ちなみに十代家治の次の十一代将軍・家斉は、側室が少なくとも16人(実際はもっと多いという)、実子が50人以上いたために、幕府の財政が圧迫されたとされる。

愛憎渦巻く伏魔殿の印象も強い「大奥」で、将軍と正室が純愛を育てるのは大変だ。臨月のお知保(森川葵)は、御鈴廊下で打掛の裾を踏まれて転倒、あわやと大騒ぎになった。事故も毒も偽情報も飛び交う中で、倫子はベビーを守れるのか。踏ん張りどころである。

文/ペリー荻野

「大奥」 放送情報

フジテレビ
毎週木曜 後10:00~10:54