越山高校野球部が甲子園出場を目指す姿を描き感動を呼んだ「下剋上球児」のメモリアルブックが絶賛発売中! その中から、越山高校野球部の球児を演じた若き俳優たちにまつわる座談会を抜粋してお届けする第2弾は、2015年度入学生を演じた福松凜(富嶋雄也役)、奥野壮(野原舜役)、絃瀬聡一(紅岡祥悟役)の3人。弱くても“ 野球に対する熱はどの代にも負けていない”と役と向き合った彼らが、作品への思いを語ります!
(本稿は発売中の「『下剋上球児』公式メモリアルブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)
夢の詰まったストーリーで、球児たちが甲子園を目指す理由が分かった
――まずは最終回まで走り終えた今の思いを聞かせてください。
福松「オーディションの書類選考から約1年も作品に関わることってなかなかないことで。合宿したり、練習会したりいろんなことがあったので、まだ終わった実感がないです」
奥野「その間プライベートの記憶がないぐらい。撮影しか思い出がない」
絃瀬「逆にいうと撮影でみんなに会ってきたのが一番の思い出ですね」
完全にアドリブだった7話のセリフ
福松「上の代とは全然違うよね。キャプテンの感じも違うし」
奥野「僕らの代はとにかく弱い(笑)。でも、めちゃめちゃ内に秘めています。練習をサボっていた中にも、本人たちなりの後悔があって、もっとやっておけば強くなってたのかなとか、野球に対する熱はどの代にも負けていないと思うんですけど」
福松「ただ弱い(笑)。第6話の試合とか僕ら最上級生が下位打線(笑)」
奥野「でも、越山らしい野球を一番体現していたのかなって」
絃瀬「この代が最後までくらいついて取った一勝っていうね」
奥野「でも、その後にちゃんとボロ負けする(笑)。ひとつ下の代になると、もう強豪校みたいな雰囲気が出てくるから」
福松「実際に見ても強そうだしね。でもみんなキャラクターにぴったりだから、アドリブも自然と出るみたいな感じもあったよね」
奥野「僕が一番印象に残っているのは、第7話で、泣き崩れている僕を凜ちゃんが抱えて、『最後まで』って言うところ。あの言葉は完全にアドリブなので、すごいグッときた」
絃瀬「あのシーンはすごかった」
奥野「まさに僕らの関係性が出たワンシーンだったかなって」
――その瞬間、役として生きていたからできたことなんでしょうね。
福松「僕はアドリブをやっては外すタイプだったけど、あのときだけは、こうやろうとか、こういうことを言おうっていうのはなかったです」
――南雲先生役の鈴木亮平さんとのお話も聞かせてください。
福松「お芝居に対する姿勢だけじゃなく、僕ら球児全員のことにも気配り、目配りしているっていう姿勢がすごくて。これが日本を代表する俳優さんなんだなって思いましたね」
奥野「本当にストイックで、監督としての説得力を持たせるために撮影の合間もずっとノックの練習とかをしているんですよ」
絃瀬「オーディションの後、僕らが合宿しているときに亮平さんがいらっしゃって、野球の練習をされていました。亮平さんは野球経験がないらしいのですが、それが完璧に仕上がってくるのがすごい」
福松「第3話で、僕が壮磨(小林虎之介)を野球部に誘うシーンがあったけど、全然満足いく演技ができなかったんですよ。放送が終わった次の日に亮平さんに会ったら、『トミー、昨日見たよ。頑張ってたね』って言ってくださったんですけど、満足しきれない気持ちがあったのでメールしたんです。『第3話のシーン、自分では満足できなくて。本当にお忙しいと思うので、ご都合よろしいタイミングでいいので何かお願いします』って。そしたら、ものすごい長文のメールを頂いて。『まずこういう印象が良かったよ。だけどハイレベルなことを言うと、ここをこうした方がいいと思う。でもあの間尺でそれをやるのは難しいと思う。あれがベストだったと思うから自分を褒めてあげて』って、本当に先生みたいで」
山住先生の言葉に何度も助けられた
――他にも心に残ったシーンはありますか? みなさんの代は、山住先生役の黒木華さんとの思い出もたくさんあると思います。
絃瀬「第6話で勝った瞬間ですね。野球未経験の僕らが勝てたんだっていうのが信じきれなかったけど、山住先生が叫んだ『よーし!』っていう言葉が心の中に入ってきていろんな感情が沸いて。あの瞬間は忘れられないです。僕はもともと陸上をやっていたんですけど、集団でひとつのものを作り上げる団体競技の素晴らしさが、その瞬間にわかりました」
福松「第6話の最後に、五十鈴高校を前に、『みなさんの分まで精一杯頑張ります!』って言うところも。現場では山住先生が急に大きい声を出したからビックリしたけど、映像で見ると全然違って」
奥野「あと僕はやっぱり校歌を歌ったときかな。何度か歌っているけど、甲子園に出場することが決まって、校歌を歌った瞬間が一番カーっとなった。勝ったから歌えるっていう。普段から歌っていた歌なのに、こうも自分たちの感情を揺さぶられるのかって」
福松「本当そうだね。(歌いだして)♪あーあ~」
全員「♪えつざん~」
福松「のところがたまらないよね。越山でいることが誇れるんだよね。ずっと誇れなかったけど」
(座談会の完全版は「『下剋上球児』公式メモリアルブック」をご覧ください!)
■プロフィール
福松凜(ふくまつ りん)<写真中央>
’98年12月8日生まれ。東京都出身。高校生時代は、強豪校の野球部に所属し、野球に打ち込んでいた。配信ドラマ「シコふんじゃった!」(’22年)や、映画「ラーゲリより愛を込めて」(’22年)、ドラマ「クールドジ男子」(’23年)などに出演。
奥野壮(おくの そう)<写真左>
’00年8月21日生まれ。大阪府出身。「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」フォトジェニック賞・明色美顔ボーイ賞W 受賞。’18年に主演を務めた「仮面ライダージオウ」で俳優デビュー。クラシックバレエ歴は11年間、野球歴は半年間。
絃瀬聡一(いとせ そういち)<写真右>
’01年6月11日生まれ。福岡県出身。’19 年に「HORIPRO MEN’S STARAUDITION」のファイナリストとなり、ドラマ「集団左遷!!」(’19)で主人公・片岡洋(福山雅治)の息子・裕太役で俳優デビュー。「下剋上球児」は4年ぶりの日曜劇場出演となった。’24年1月クールは「Eye Love You」(TBS系)に出演中。
出演者インタビューやスタッフに聞く制作舞台裏で「下剋上球児」の世界を深く振り返る公式メモリアルブックが発売中!
やる気のある部員は1名のみの弱小高校野球部が、甲子園初出場を目指す姿を通して、監督、部長、選手たちを始め、学校や町でチームを支える人々など、さまざまな登場人物たちの愛と成長を描いたドリームヒューマンエンターテインメント。このドラマの魅力を、撮影終盤に実施した出演者のインタビューや、クランクアップ密着レポート、放送終了後だからこそ明かせる舞台裏の制作秘話など、あらゆる角度から掘り下げた決定版のメモリアルブックが発売中です!
■主な内容
・出演者インタビュー(鈴木亮平/黒木華/井川遥/小日向文世)
・制作者座談会(脚本・奥寺佐渡子×演出・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子)
・越山高校野球部〝同学年″座談会
・2014年度入学組(菅生新樹、財津優太郎、鈴木敦也)
・2015年度入学組(福松凜、奥野壮、絃瀬総一)
・2016年度入学組(中沢元紀、兵頭功海、伊藤あさひ、小林虎之介、橘優輝、生田俊平)
・伊達さゆりが選ぶ名場面コラム
・オーディション舞台裏トーク
・シーン写真で振り返る名場面集
・公式資料大公開!登場人物プロフィール&小道具
・オフショット特集&クランクアップ密着レポート
ほか
■商品情報
「下剋上球児」公式メモリアルブック
定価:2200円
発行:東京ニュース通信社
■Blu-ray&DVDも4月12日(金)発売決定!予約・詳細はこちら
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取材・文/幸野敦子 撮影/尾崎篤志