越山高校野球部が甲子園出場を目指す姿を描き感動を呼んだ「下剋上球児」のメモリアルブックが遂に発売されました! その中から、越山高校野球部の球児を演じた若き俳優たちにまつわる座談会を抜粋し4回にわたってお届け。第1弾は、2014年入学組を演じた菅生新樹(日沖誠役)、財津優太郎(長谷川幹太役)、鈴木敦也(藤本大牙役)の3人が登場。オーディション募集から1年に及んだ笑いと涙の“人生の夏”を語ります!
(本稿は発売中の「『下剋上球児』公式メモリアルブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)
本当の先生・監督のようだった鈴木亮平さん
――鈴木亮平さんについて話を聞かせてください。
鈴木「本当の先生、本当の監督のように感じますね。亮平さん自身は野球が未経験なんですけど、ノックなんかはすぐに上達しました。しかも、亮平さんのほうから僕たち野球経験者に聞いてくるんですよ。動画を撮って一緒に見たり、監督はベンチでどんな感じで立っているのかとか」
菅生「僕ら全員に満遍なく愛をくださるしね。誰かだけじゃなく、ひとりひとりと真剣に向き合ってくれて、芝居のこともプライベートのことも何でもフランクに答えてくださる」
財津「時間が少しでもあったらノックしてくれるし、キャッチボールもしてくれる。演技については、『このシーンはこういう場面だから、もうちょっとテンポを上げてこう見えるようにしよう』とか丁寧に教えてくださる。僕らが今のキャリアで亮平さんと共演できたことは、本当にありがたいなって感謝しています」
菅生「第3話で(野球部員の喧嘩沙汰が問題になった回)、『僕がやりました』って南雲先生に告げるシーンを撮った日は、実は僕の誕生日だったんだけどね」
鈴木「そうだったんだ」
菅生「亮平さんと1対1で向き合うとき、思いっきりぶつかっていこうと思った。だから撮影前から終わるまで亮平さんとは全くしゃべらなかったし、いい意味で緊張感を持ちたかった。自分がぶつけたものをどう受け止めてくださるのか、僕ももらったものをしっかり返したいと思っていたから」
――緊張感が張りつめていた現場で大変でしたね。
菅生「撮影中に誕生日を祝ってもらったんだけど、大切なシーンの直前だったので現場は張り詰めた雰囲気。亮平さんは『おめでとう』って言ってくださった後すぐに手をパンパンってたたいて、『それじゃやろう!』って。それくらい僕も亮平さんも集中して2時間くらいやったのかな。感情を表すシーンだったから演技でボロボロ泣いたんだけど、撮影が終わった後に『よく頑張った』って言ってくださって。ハグするように寄り添ってくれたときは、また泣きそうになっちゃった。亮平さんと出会えて本当に良かった」
今回の部員たちは、普段から役名で呼んでしまうくらい、みんなぴったりな役柄
――みなさん、本作で演じた役柄についてはいかがですか?
財津「最初に企画書をもらったとき、僕らの役柄は幽霊部員くらいしか書かれていなかった。それが、みんなと関わっていく中で、自分の立ち位置を見つけられたというのかな。〝僕が長谷川だったらこうしたい〟っていう部分を探りながら演じました」
菅生「僕は今まで出演した作品では、共演した人のことを役名で呼んだりしなかったけど、今回の野球部員12人は役名で呼んじゃうことが多い。ここにいる2人のことはフジとハセ(長谷川幹太を演じた財津優太郞の呼び名)と呼んでいるくらい。みんなにピッタリな配役だと思う」
財津「本当にそうだね。僕も(鈴木のことを)フジって呼ぶし」
――ハセとフジ。菅生さんのことはヒオキとか?
鈴木「新樹って呼ぶ(笑)」
菅生「撮影に入る前は、(鈴木を)〝あつぼー〟ってあだ名で呼んだり、財津とか呼び捨てだったけど、最近はプライベートのメールのやり取りではハセ、フジって書いちゃう。それくらい12人が被らずにキャラクターが立つように、スタッフの方々がうまく演出してくださっていました」
僕たちの代の最後の試合では、勝敗より大きなものをつかんだ。
――では、印象に残っているシーンを聞かせてください。
財津「長谷川の良さが一番出ていると思ったのは、第7話の工務店のシーンですね。この回では、長谷川が後輩の楡(生田俊平)の面倒を見ます。実はクランクインしてからずっと、越山高校野球部のオカンになりたかったんですよ。それくらい後輩たちがかわいい。僕らの学年には、リーダータイプの日沖がいて、フィジカルタイプの藤本がいる。だから、僕の役目はみんなを後ろから見守ることなんだろうと思っていた。それが一番出たのがあのシーンなので、演じるときも気合いが入りました」
鈴木「僕は、自分たちにとって最後の三重大会の試合(第4話)が印象深い。負けたけど、後輩たちが悔しがっている中、僕たちは笑って終われた」
菅生「ずっとコールド負けだったのに、初めて9回まで戦えた試合だね」
鈴木「2対1で負けたものの、いい試合だった。勝って喜ぶのもあるけど、負けて喜ぶっていうのは勝敗より大きなものをつかんだから。それがあったから笑って終われたと思う」
(座談会の完全版は「『下剋上球児』公式メモリアルブック」をご覧ください!)
■プロフィール
菅生新樹(すごう あらき)<写真中央>
’99年8月26日生まれ。大阪府出身。’22年にCM「バーチャル高校野球 高校野球がくれるもの」でデビュー。主な作品にドラマ「初恋の悪魔」(’22年)、主演映画「イカロス 片羽の街/豚知気人生」(’23年)。「凋落ゲーム」(’23年)ではドラマ初主演。野球は初心者。
財津優太郎(ざいつ ゆうたろう)<写真左>
’99年7月5日生まれ。東京都出身。祖父は俳優、コメディアンの財津一郎。舞台「ハイキュー!!“ 頂の景色・2”」(’21年)で俳優デビュー。’24年1月にテレビドラマ「正直不動産スペシャル」、「正直不動産2」(NHK)へ出演。中学時代まで9年間、野球経験あり。
鈴木敦也(すずき あつや)<写真右>
’02年8月2日生まれ。栃木県出身。面白ショート動画クリエーターとしてデビュー。中学生時代に口パク動画がTwitter でバズり、数々の人気タレントと共演。出身校は、甲子園出場の常連校である作新学院。同校野球部で4番を務め、甲子園へ2度出場。
出演者インタビューやスタッフに聞く制作舞台裏で「下剋上球児」の世界を深く振り返る公式メモリアルブックが発売中!
やる気のある部員は1名のみの弱小高校野球部が、甲子園初出場を目指す姿を通して、監督、部長、選手たちを始め、学校や町でチームを支える人々など、さまざまな登場人物たちの愛と成長を描いたドリームヒューマンエンターテインメント。このドラマの魅力を、撮影終盤に実施した出演者のインタビューや、クランクアップ密着レポート、放送終了後だからこそ明かせる舞台裏の制作秘話など、あらゆる角度から掘り下げた決定版のメモリアルブックが発売中です!
■主な内容
・出演者インタビュー(鈴木亮平/黒木華/井川遥/小日向文世)
・制作者座談会(脚本・奥寺佐渡子×演出・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子)
・越山高校野球部〝同学年″座談会
・2014年度入学組(菅生新樹、財津優太郎、鈴木敦也)
・2015年度入学組(福松凜、奥野壮、絃瀬総一)
・2016年度入学組(中沢元紀、兵頭功海、伊藤あさひ、小林虎之介、橘優輝、生田俊平)
・伊達さゆりが選ぶ名場面コラム
・オーディション舞台裏トーク
・シーン写真で振り返る名場面集
・公式資料大公開!登場人物プロフィール&小道具
・オフショット特集&クランクアップ密着レポート ほか
■商品情報
「下剋上球児」公式メモリアルブック
定価:2200円
発行:東京ニュース通信社
■Blu-ray&DVDも4月12日(金)発売決定!予約・詳細はこちら
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取材・文/幸野敦子 撮影/武重到