「ブギウギ」に喜劇王・タナケン登場!スズ子が女優業に挑戦

2024/01/16 13:01

趣里をヒロインに、戦後の大スター・笠置シヅ子をモデルとした連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK総合)が新章に突入。

大阪の歌劇団から上京し、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)との出会いでスウィングの女王と呼ばれる人気歌手になった福来スズ子(趣里)。苦しかった戦争を乗り越え、楽団員たちの新しい可能性を拡げるために「福来スズ子とその楽団」を解散すると、付き人・小林小夜(富田望生)もスズ子の元を去った。そんな中、スズ子の元に喜劇王・タナケンこと棚橋健二(生瀬勝久)の舞台への出演オファーが舞い込んだ。

1月15日放送の第72話では、スズ子に「会いたい」と言っていたはずのタナケンは塩対応。実は、オファーは舞台音楽を担当する羽鳥の推薦だったことが判明し、羽鳥の後押しでスズ子は初めての女優業に挑戦することになる。

今後、スズ子に俳優としての影響を与えていく喜劇王・タナケンこと棚橋健二を演じる生瀬勝久さんのコメントが届きました。

舞台上のタナケンと、素の棚橋健二の演じ分けを意識しています

――ご自身が演じる喜劇王・タナケンというキャラクターの印象を教えてください。

「タナケンはスズ子が成長していく上で、その一端を担っている人物だと思います。エンターテインメントの世界では、選ばれた人間ではなくて、努力をし続ける人間と、戦った人間しか残れません。戦いを止めたら、人々の記憶からも消えていきます。そういった世界なんだとスズ子に教える人物なんじゃないかなと思っています」


――演じる上で意識していること、工夫していることは?

「舞台上のタナケンと、ふだんの素の棚橋健二の演じ分けを意識しています。僕が思う才能のある喜劇人は、舞台上とそうでないときのギャップがあると感じています。例えば渥美清さんや志村けんさんの、舞台に上がっているときの弾けっぷりと舞台から降りた思慮深く謙虚な姿のように、その静と動を演じ分けていきたいです。
稀代の喜劇王を演じるにあたって、間とテンポを大事にしています。戦後当時の映画を見ると、セリフのスピードが恐ろしく速く、役者の技術がとても高かったと感じます。劇中劇でそのテンポで演じようとしていますが、やはり難しいですね。でもそうすることで、素の棚橋の姿とのメリハリが生まれるのではと感じています」


――ヒロイン・スズ子を演じる趣里さんの印象はいかがですか?

「趣里さんとは久々の共演ですが、この作品は彼女にとってとてもステップアップになると思います。これまで何十万人の俳優がいて、朝ドラのヒロインになるのは100人足らず、そのヒロインに選ばれて最後までやりきったらどれだけ貴重な体験になるか。だから頑張ってほしいですし、ステージがワンランク上がるとてもいい機会を勝ち得たんだと思っていて、そのことを趣里さんともお話ししました。
お芝居にしても、伝えることはとても難しくて、心に響かなければいけない。そのためになるべく相手の目を見て、相手の表情が変わるのを待ってから次のセリフを紡がなければいけないですが、趣里さん演じるスズ子が、ちゃんと目を見て、僕の言葉に耳を傾け、僕のリズムを受け取ってセリフを返してくれる芝居ができてうれしかったです」


――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

「この物語は、スズ子がどうやって生きていくのかが描かれると同時に、スズ子に影響を与えたさまざまな人との関わりが描かれています。視聴者の皆さんも、この周囲の人々の姿に自分を投影することもあるかもしれません。
そうした見方ができるのも朝ドラならではの楽しみだと思います。ぜひ毎朝楽しみにご覧になってください」

■プロフィール

生瀬勝久(なませ・かつひさ)
1960年10月13日生まれ。兵庫県西宮市出身。1983年に初舞台を踏み、劇作家、演出家としても活躍。現在は、さまざまなテレビドラマや、映画、CMに出演。映画「水は海に向かって流れる」「法廷遊戯」が公開中。

連続ドラマ「ブギウギ」放送情報

NHK
毎週月曜~金曜 朝8:00~