鈴鹿央士主演で、今、世間をにぎわせている「闇バイト」をテーマにした完全オリジナルドラマが、テレ東「ドラマ24」に登場します。
各々の事情を抱え、高収入バイトに集まった5人の老若男女が、とある一軒家に窃盗に入るも失敗。逃げる途中で、今度は人を轢いてしまう!? 思わぬ事態にパニックになりながら、なんとか逃げきった5人は、翌日、ひき逃げを目撃した謎の男に呼び出され「お前たちには、今日から家族になってもらう」と、告げられ…!?
人生を踏み外した5人が「闇バイト家族」としてニセの家族を演じながら、空き巣、運び屋、受け子など、さまざまな指令をこなし人生の再起を図っていくさまを、ユーモア満載のコメディーで描く痛快エンターテインメント。
ドラマが始まるにあたり、逃げ足の速さだけが取り柄の長男・田中颯斗を演じる鈴鹿央士さん、人には言えない事情を抱えるワケあり長女・久保美咲を演じる山本舞香さんにお話を伺いました。
「闇バイト家族」だからって暗い話ではない
――「闇バイト家族」というタイトルに、かなりインパクトがありますね。
山本「確かに、なかなかとがってますよね。とんでもないタイトルだなって思いました(笑)」
鈴鹿「僕も、放送できるのかなってちょっと心配しました(笑)」
山本「でも、逆にいいんじゃないかな。今、逆手にとって、コメディーとしてやっていくっていう。『闇バイト家族』だからって、暗い話ではないので」
鈴鹿「そうですね。コメディーとして面白く描かれているんだけど、それだけじゃない一面も持った作品です」
――おふたりは初共演ですが、お互いの印象を教えてください。
鈴鹿「テレビで拝見していて、ウソのない真っ直ぐさが素敵だなって。で、今回ご一緒して、そのイメージは変わらないです」
山本「うれしいです」
鈴鹿「その中でも、現場がどういう状況なのか、全体が見えていて、みんなが現場にいやすくなる、そういう存在だなって」
山本「ありがとうございます。鈴鹿くんは『静かそうな子だな』って思っていて。で、お会いしてみても、やっぱり、静か(笑)」
鈴鹿「(笑)」
山本「こないだ、極寒の湖畔で撮影したんですけど、そのときに、あったかいスープを何種類か用意して『好きなものを選んでください』ってみんなに渡してくださって。すごく優しい方なんだなっていう風に思いました。やっぱり、座長として現場を見ているというか、しっかり周りに対しての気遣いをしてくれる方だなって」
鈴鹿「でも、まだクランクインしたばっかり(取材時)なんで…」
山本「人見知りなりに現場に対して気を遣ってくれてますよね?これから、絆を深めたいなって思います(笑)」
逃げて、逃げて、闇バイトにたどり着いてしまった役(鈴鹿)素の笑顔を見せない(山本)
――それぞれが演じる役柄について教えてください。
鈴鹿「僕が演じる、田中颯斗っていう人は、自分を守るために、いろんなものから逃げてきた人。逃げて、逃げて、闇バイトにたどり着いてしまった役なんですけど。なんか、読めば読むほど、自分に近いところもあるかもなっていうのを感じていて…」
山本「そうなの?」
鈴鹿「もちろん、同じ境遇ではないんですけど、僕は『時間が欲しいなぁ』とか、『一休みしたいなぁ』とか思ったりすることがあって(笑)。言ってみれば、その言葉も、逃げは逃げだし。でも、逃げたり、休むのも、自分を守るために必要なものだと思うので、颯斗に『寄り添ってあげたい』と思っています」
山本「美咲は、素の笑顔を見せないんですよ。ニセ家族を演じる上での笑顔はあるんですけど、周りに心を開いていない。みんなが1つになろうとしているときにも、美咲はちょっと距離を置いている感じなので、これから美咲がどうなっていくのかも、見どころかなって思います」
――颯斗は、足も速いという設定ですが、鈴鹿さんご自身はどうなんでしょう。
鈴鹿「あんまり速くないんですけど、回想シーンで陸上のユニフォームを着て走ったら、ちゃんと速く見えたみたいで、よかったです(笑)。以前も陸上部の役をやったことがあって、撮影後に足が痛かった経験があったので、今回は準備体操をして、家に帰ったらお風呂でストレッチとかして臨んだんですけど…そのときより、年齢もちょっと重ねて、結構、足、限界かもって…」
山本「ちょっと(笑)。うちら、まだ若いよ。(鈴鹿さんは)23歳でしょ? 私26歳。まだ若い。大丈夫だから!」
――実際は山本さんが年上ですが、兄と妹の役を演じてみていかがですか?
鈴鹿「まだ、それほど兄妹って感じのシーンを撮ってないですよね? 颯斗はお兄さんではあるんですけど、役柄上の2人の関係的にも、強そうなのは…美咲の方ですよね」
山本「見た目がこれだからかな(笑)」
鈴鹿「(笑)。兄としての妹への気の遣い方が、本物の家族とはまた違う、他人であるっていう関係のベクトルだったりするんで、そこらへんは複雑で面白いんじゃないかなと思います」
やっぱり光石さんはぶっ飛んでいて(笑)。
――お父さんが光石研さん、お母さんが麻生祐未さん、おじいさんを綾田俊樹さんと、共演者の方々も豪華で、クセ強めの、個性的なキャラクターを演じますね。
山本「そうそうたる先輩方とご一緒させていただいていて。キャストを伺ってから台本を読んだんですけど、『あ、光石さんこの役絶対ハマるし、絶対おもしろいな』って思っていたら、やっぱり光石さんはぶっ飛んでいて(笑)。もう本当にすごいなって思うようなお芝居をされるんです」
鈴鹿「(笑)。クランクインしてまだ数日ですけど、みなさん、もう、アドリブが止まらない。本当に面白いアドリブを連発していて『どうしよう』っていう…なんかすごい幸せな悩みなんですけど」
山本「まあ、怖いね(笑)」
鈴鹿「正直、怖いですね(笑)」
――演じる上で気を付けていることはありますか?
鈴鹿「撮影に入る前、『颯斗はコメディーにも、まっすぐにも振れるキャラクターだよね、いろいろ考えてやってみましょう』とお話していたんですけど。いざ始まってみると、ほかの家族4人がどう出てくるか、本当にわからない。最終的には『現場で見て、現場でお芝居を決めていきましょう』ということになりました」
山本「私も現場の空気感と、みんなでの掛け合いのバランスだったりとか、そういうもので、いい感じに作品を作れたらなと思ってます」
鈴鹿「自分の中でお芝居を決めすぎると、合うものも合わなくなって、ただビックリして終わっちゃうんですよね」
山本「あとは、やっぱり私が考えて現場に入っても、想像しなかったことを監督が言ってきたりして。例えば『ツバ飛ばしてくれるかなぁ』とか(笑)」
鈴鹿「(笑)」
山本「そこは『あ、美咲ってそんな子なんだ』っていう風に、監督が思い描く美咲に合わせて演じています」
――もしも今、実際にアルバイトをするとしたらどんなことをしてみたいですか。
鈴鹿「僕は、新聞配達かな。朝日が登る前の、街が静かなうちに配達に行って。1人きりの時間というか。早起きするのは大変だけど、普段と違う街を見られたりするのかなっていう面白さがいいなって思います」
――2話(1月12日放送分)で、飲食店で働くシーンが出てきますが、接客業は?
鈴鹿「上京してからしばらく、いくつかアルバイトもしたんですけど、接客業、苦手だったんです。レジでも、お客さんに『え?』ってよく聞き返されて。声が小さかったんですかね(笑)。だから、誰かと向き合うお仕事よりは、1人で作業するアルバイトの方が向いていると思います」
山本「(笑)。それで、新聞配達」
鈴鹿「焼肉屋さんでバイトしてたときは、主に皿洗いだったんですけど、グラスとか割っちゃったりして…」
山本「颯斗と一緒!」
鈴鹿「そう、一緒です(笑)」
山本「私は、接客業はうまいと思いますよ(笑)。今、美咲を演じていると、現場でほぼ喋らないんですけど、スイッチ入ると、みんなと仲良くできるほうなので。動物保護の活動をするのが夢なので、今やるんだったら、動物に関わる仕事をやってみたいなって思います」
現場で作っていくっていう、その作業がすごく楽しいです
――今回の『闇バイト家族』はオリジナル脚本ですが、原作がある作品との違いはありますか?
鈴鹿「今回はオリジナル脚本の作品の中でも、特に自由度が高い作品だと思うので、その自由な感じを楽しんでいけたらいいですよね」
――それがみなさんとの、アドリブに繋がっているのでしょうか。
鈴鹿「そうですね、アドリブだったり…監督さんも『ここのセリフいらないかも。変えてもいい?』っていうのを現場で言ったりするんで、その即興性みたいなところもあって」
山本「うん。やっぱり現場で作っていくっていう、その作業がすごく楽しいです」
――ますます放送開始が楽しみです。
山本「現場のパワーというか、ものすごい化学反応が起きていて、100パーセントと言ってもいいくらい、絶対に面白い作品になってます! テーマは『闇バイト』なんですけど、これは家族の話でもあって。タイトルにとらわれすぎずに、たくさんの方に見てほしいですね」
鈴鹿「直接的なメッセージみたいなもので届けられる作品ではないけど、何かを考えるきっかけになるような作品になると思います」
■Profile
鈴鹿央士(すずか・おうじ)
2000年1月11日生まれ、岡山県出身。2019年、映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞 新人俳優賞ほか、数々の賞を受賞。「MIU404」(2019年/TBS系)、「ドラゴン桜」(2021年/TBS系)、「六本木クラス」(2022年/テレビ朝日系)、「silent」(2022年/フジテレビ系)など話題作に多数出演。配信ドラマ「君に届け」がNetflixで全世界配信中。
山本舞香(やまもと・まいか)
1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。2023年は「忍者に結婚は難しい」(フジテレビ系)、「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」(テレビ朝日系)、「家政婦のミタゾノ」(テレビ朝日系)、「今日からヒットマン」(テレビ朝日系)と出演作が目白押し。「SEE HEAR LOVE~見えなくても聞こえなくても愛してる~」(PrimeVideo)が世界配信中。
推しドラマ・エピソードトーク
――印象に残っているドラマ作品を教えてください。
鈴鹿「最近だと『わかっていても』(2021年/Netflix)が良かったです」
山本「わかる!」
――韓国ドラマですよね。恋愛もの、お好きですか?
鈴鹿「いや、そうでもないんですけど。でもその『わかっていても』は…」
山本「なんとも言えないよね~!」
鈴鹿「わかっていても、そうなんですよね~!って」
山本「ダメなのはわかってるんだけど、でも、そうですよね~!っていう」
鈴鹿「あれが、良かったですね」
山本「うん『わかっていても』は、私もハマりましたね。韓国ドラマって本当に面白いですよね。テイストは違うけど、同じハン・ソヒさん主演の『マイネーム:偽りと復讐』(2021年/Netflix)も好きです」
「わかっていても」(2021年/Netflixで配信中)…恋人の裏切りで傷心のユ・ナビ(ハン・ソヒ)は、ある日、見知らぬ男と出会う。数日後、男と再会したナビは、傷付くとわかっていながらひかれていって…。
「マイネーム:偽りと復讐」(2021年/Netflixで配信中)…誕生日に何者かに父親を殺されたユン・ジウ(ハン・ソヒ)は、父の死の真相解明と復讐のために、名前を変えて警察組織に潜入する。
ドラマ24「闇バイト家族」放送情報
テレ東系
毎週金曜 深0:12~ 2024年1月5日スタート
※各話放送終了後から、動画配信サービス「Lemino」「U-NEXT」にて第一話から最新話まで見放題配信
※「ネットもテレ東」(テレ東HP、TVer)にて見逃し配信
撮影/蓮尾美智子 取材・文/陰山ひとみ
ヘアメイク/VANITÉS永瀬多壱、北原果(KiKi inc.)スタイリング/SO MATSUKAWA、津野真吾(impiger)衣装提供/鈴鹿さん:すべて/スタイリスト私物、山本さん:衣装協カ/トップス¥19,800/IMMEZ(BRAND NEWS)、靴¥127,600/Christian Louboutin(Christian Louboutin Japan)、イヤカフ¥4,950/loni(アンティローザ)、リング¥13,200/c/n(ロードス)