「最高の教師」で初演技の藤﨑ゆみあ「ぶつかりにいくしかない」

2023/09/09 09:09

いよいよ第2章に突入した、新時代の学園ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)。

九条と同じく2周目を生きていた鵜久森叶(芦田愛菜)が非業の死を遂げ、世間では黒幕は誰かと考察が盛り上がっている今、今作がドラマ初出演で3年D組の優等生・阿久津由利を演じる藤﨑ゆみあに、撮影現場の様子や今現在の心境などを聞いた。

自分の役を自分のものにしなければいけないなと思っています

――ドラマ初出演ですが、第1回から存在感を放っていましたね。現場では、生徒役のみなさんとどのように過ごしているのでしょうか。

「それが、本当のクラスメイトみたいなんです。年齢の幅は結構あるんですけど、みんな楽しくおしゃべりしています。出番のないときは前室で盛り上がることもあるんですが、私はセット近くや、監督たちがいるところでモニター(でほかの出演者の演技)を見ていることが多いです。監督の近くにいると、お話ができるのもそうなんですけど、監督のシーンへの思いを感じとることができますし、台本を読んだだけでは気付けなかったことがなんとなく分かったりするので、楽しいですし、気合いが入るんです」


――撮影はやはり緊張しますか? 同世代の俳優が集まる現場だと、ご自身といろいろと比較してしまいがちなのかなと思ってしまいますが…。

「緊張はあんまりしないです(笑)。比べることも特にしないです。例えば、誰かの演技を見て、『あ、真似しよう』という風にはならなくて。もちろん『あの人の演技は素敵だな』などと思うことはあります。でも、自分が演じているのは阿久津という役で、みんなそれぞれに違う役を演じているから、比較するものでもないというか…。みんなで同じ役を演じていたら、そういう解釈もあったんだと、答え合わせのようなこともできたかもしれないんですが、役が違えばそうはならないというか。まずは自分の役のことをきちんと理解して、自分のものにしていかないといけないなと思っています。私は新人で、誰かのために演技をするとか、誰かに合わせるということがまだできないので、もうぶつかりにいくしかないんです」

中学生のときは、お弁当を作るために早起きしていました

――演技の面での奮闘もそうですが、ドラマの撮影は朝が早かったり、体力勝負な部分もありますよね。

「朝早いときもありますね。でも、めざましがあれば起きられるので大丈夫です。中学生のときに朝、お弁当をつくっていたので、勝手に早起きになりました。事務所のホームページの特技欄にも“早起き”と書いたくらいで(笑)」


――お弁当を自分で作っていたんですか? すごい!

「もともと料理をするのは好きだったので、自分で作ってみようと思い立って、中学1年生の途中から作るようになりました。はじめの頃は慣れていないので、かなり早くに起きて準備していたんですけど、段々手際が良くなってきたのと、手の抜き方が分かってきて(笑)、最後の方は家を出る少し前から作り始めても間に合うようになりました。家にある食材をスマホで検索すると、おすすめのレシピが出てくるので、それを作るのが楽しかったですね。お父さんやお姉ちゃんの分のお弁当も詰めてあげたりしていました」


――上京してからも、料理は続けていますか?

「作っても私しか食べないので、めちゃくちゃ適当です。素朴なものが好きなので、鶏肉をゆでて塩こしょうだけで食べたり、さつまいもをゆでただけで食べたり(笑)。おみそ汁は作るんですけど、今まで家族6人分の量を作っていたので、1人分を作るのが難しくて。いつもどんぶり半分くらいの量になっちゃって、それだけでお腹いっぱいになったりしています(笑)。おみそ汁の具は、普段から舞茸とかしめじとかいろんな種類のきのこをまとめて冷凍しているので、それをバッと入れています。簡単でいいんですよ」

撮影が終わって、みんなに会えなくなると思うと寂しいです

――第4回の放送では、阿久津が初めて私服を着ていましたよね。第1回ではまったく喋らず、鋭い視線をおくるだけだった彼女が、この回で急に素を見せたように思いました。

「ふふふ、面白いですよね、ニャンコTシャツ(笑)。きっと阿久津も友達にしか見せない面もあるだろうし、あの抜けた感じが人間味があっていいよねとスタッフの方々とお話をして、あの衣装になりました。ほかにも候補があったのですが、衣装さんが『阿久っちゃんはこれまでの人生の中でおしゃれをする場面がなかったと思うから、まずそんなにおしゃれじゃないよね』と仰って(笑)。そこから、あのTシャツが出てきて、監督とプロデューサーさんに見せたら、『ぇえ! ニャンコTシャツ!?』と言われたんですけど、諦めきれずにボトムだけ変えて繰り返し見てもらっていたら、『目が慣れてきた』と言ってくださって、着用OKになったんです(笑)」


――みなさんで役を作りあげていく過程が楽しそうですし、素敵ですね。この先、阿久津は“良い子”のままでいくんでしょうか。

「うーん、そこは見てのお楽しみ! という感じです(笑)。次から第7話の撮影に入るのですが(※取材時)、本当にあっという間ですね。撮影が終わってほしくないなって思います。普通の学校のように会ってきたみんなと会えなくなると思うと、寂しいです」

共演者のみんなに仲良くしてもらって、嬉しいです

――ご自身の公式Instagramで、共演の田中美久さんと花火大会へ行ったことを報告していました。

「そうなんです。気が合って普段から仲良くしてもらっているんですが、美久ちゃんに花火大会に誘ってもらいました。6歳年上なんですけど、同い年くらいの感覚で話しかけてくれて、あとから年齢を聞いてそんなに離れているんだとびっくりしたくらいです。当日は矢吹奈子ちゃん(田中美久が所属するHTK48の元メンバー)もいたんですけど、私の地元の友達が奈子ちゃんのファンで、よく話を聞いていたので、かなり驚きました(笑)。たくさんおしゃべりしたり、ベビーカステラを80個も買ってみんなで食べたりして、楽しかったです!」


――阿久津と同じ優等生の東風谷葵(こちや・あおい)を演じる當真あみさんとも仲が良いそうですね。

「そうですね。ごはんや買い物へ行ったり、映画も見に行ったりします。成人したら沖縄にある、あみちゃんのおじいちゃん家へ行く約束もしています(笑)。今はまだ15歳で、行動できる範囲がそんなに広くないので、成人したらあれをしようこれをしようと、たくさん約束しているんです。あみちゃんは将来運転免許も取りたいみたいで、そうなったらあみちゃんが運転する車で遠くに行きたいです。運転をお任せしちゃって悪いんですけど(笑)」

MV撮影のときに、今のままでいいんだと言ってもらっている気がしました

――菅田将暉さんが歌う本作の主題歌「ユアーズ」のジャケットと、MVに起用されました。大抜擢ですね。

「お話をいただいたときは本当に嬉しかったです。 『よっしゃー!』という感じでした(笑)。両親に報告したら『え…菅田さんの!?』という反応で、ジャケットに載ることもそうですが、菅田さんの作品に携われることに驚いていましたね」


――今回のMVには、何かテーマがあったのでしょうか。

「MVの中では、ずっとさまよっている女の子を演じています。普通のパターンだと、さまよっているけど途中で何かに気付いて、最後には答えを見つける、という流れが多いと思いますが、今回は、ずっとさまよってさまよって…。最後に笑っているシーンがあるんですけど、それは何かを見つけたからではなくて、気持ちが少し軽くなったくらいで。答えがないのが答え、という感じなんです。でもそれが、リアルでいいなぁと思いました。考え事があってもずっと暗いわけじゃなくて、笑うことだってありますし。私自身、今出せるものを出してほしいんだ、と言ってもらっているような気がしました。今後、経験を積んでいく上で固定概念を持ってしまうこともあるかもしれないけど、そんなものはいらなくて、今のままで、素のままでいいんだよと」

ライバルと言えるようになった状況がとても嬉しいです

――今後、どのような女優になっていきたいですか?

「オールマイティに活躍されている広瀬すずさんに憧れます。作品を見るごとにいろんな面を知れるのが楽しいんです。あとは、昔から小松菜奈さんが大好きで、小松さんみたいに映画に重きを置くのもすごく素敵だなって思います。そういえば先日、ドラマの前室であみちゃんと話しをしているときに、『當真あみは私のライバルだから』と言うタイミングがあって(笑)。もちろんけんか腰ではなくて、ノリでそんな話になったんですけど。言ってしまえば、去年はまだ私がこの仕事を始めていなくて、そんなときにあみちゃんはすでにいろいろな作品やCMに出演していて、こちらから一方的に見ているだけでした。それが今、その子が隣にいるっていうのが不思議で。私が勝手にですけど、ライバルと言えるようになった状況がとても嬉しいです!(笑)」。

■Profile

藤﨑ゆみあ(ふじさき・ゆみあ)
2008年2月16日生まれ。広島県出身。B型。「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)に出演中。その他の詳細は公式HPへ。
X(旧Twitter)@Fujisakiyumia
Instagram @yumia_fujisaki
 

「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」放送情報

日本テレビ系
毎週土曜 後10:00~
TVerhuluで配信中




撮影/佐藤佑一 取材・文/歌田美結