全国の男性アナウンサーに推しドラマを聞く、【ご当地アナウンサーの推しドラマ】。第10回は、鳥取県島根県が放送エリアの「日本海テレビ」、岩本泰平アナウンサーが登場。
岩本アナウンサーの推しドラマや育児休業の話、趣味のスキューバダイビング、鳥取砂丘や星空にまつわる山陰の魅力などを、写真とともにご紹介いたします。
2カ月間の育児休業は、とても大切な経験と時間
――大阪生まれ大阪育ちの岩本アナが、鳥取にやって来たきっかけを教えていただけますか?
「アナウンサーを目指して全国各地のテレビ局の入社試験を受ける中で、最終的に、鳥取のケーブルテレビ局に就職しました。ただ、アナウンサーとして働いていたわけではなかったため夢を諦めきれず、再びの転職活動の末、縁があって日本海テレビにやって来ました」
――なるほど、それゆえに入社3年目なのですね! 現在はどんな番組を担当されているのですか?
「『ニュースevery日本海』(月曜~金曜後6:15~)での取材や定時ニュース、あとは、『海と日本PROJECT in とっとり』(4/29(土)スタート 毎週土曜 前11:40~11:45)を担当しています。『海と日本PROJECT』通称“海プロ”は、全国の海をきれいにしようと日本財団が推進するプロジェクトで、鳥取を担当しているのが日本海テレビというわけなのです。このプロジェクトは、海洋ゴミを減らす、海の生き物を大切にするなど、今の海を未来へ繋げるアクションを広げることをコンセプトにしており、番組では、海にまつわる県内の活動などを紹介しています。例えば、海の保全に尽力している方や、地域の清掃活動を取材した様子、シロイカをはじめとする鳥取の海の幸の魅力を紹介することなどですね。“海プロ”の推進リーダーとして、日焼けをものともせず、海を守る活動を伝えております!」
――そのほかには、スポーツ実況もされていると伺いました。
「少年サッカー、高校サッカーの実況やリポーターも担当しています。あとは、中学校駅伝や、地元で開催されている“桜ずもう(櫻杯争奪相撲選手権大会)”という、小学生と中学生の相撲大会の実況なども行っております。桜ずもうは、倉吉市の名誉市民でもある第53代横綱・琴櫻関を顕彰して毎年4月下旬に開催されている一大イベント。子どもたちが、“バチン!”と一生懸命にぶつかり合う様子が、たまらなく好きですね」
――そんな岩本アナは最近、育児休業を取得されていたと伺いました。
「男性社員で初でしたが、職場の協力もあり2カ月間、育児休業を取得しました。皆さん背中を押してくれたほか、子育て中の女性社員もたくさんいるので、一気に味方が増えたような感覚です(笑)。休業中には、『na-na(ナーナ)』という弊社が運営しているWEBマガジンで、パパアナウンサーとして育休日記も書かせていただき、たくさんの社内外の方が興味を持ってくださったそうです。失敗談なども書いていたため、先輩ママさんから、『私もあったよ…』『夫に読ませたい!』と言葉を掛けていただきました。アナウンサーという仕事上、今後の取材などにも生かせると思いますし、何よりも、してみないと分からないことがたくさんある、と感じました。もちろん、復帰一発目の生放送はガチガチに緊張しましたが、2カ月間の育児休業は、とてもプラスになりました。こうして私の経験談を皆さんに伝えることで、育児休業の取得に前向きになる方が増えてくれたら嬉しいですし、とても良い機会をもらったと会社に感謝しています」
“星取県”でも有名な鳥取県は、肉眼で天の川を見られるほど星空がきれい!
――先ほどの“海プロ”の話にも通じるのですが、岩本アナと言えば、スキューバダイビングが趣味の自称・晴れ男&海男だそうですね!
「はい(笑)! 大学で、スキューバダイビングをするサークルに入ったことがきっかけで、ハマりました。何よりも安全第一なので、夏に海で潜るだけでなく、冬はプールで講習を受けるなど、想像以上に本格的な活動をしていたのです。まさに一年中潜っていたので、その流れで、レスキューダイバーライセンス(※)を取得しました。細かく言いますとスキューバダイビングのライセンスにも、初心者向けのオープンウォーター、その次のアドバンスダイバー、そして私が取得したレスキューダイバー、その上がマスターダイバーと、複数あるんですよ」
※ダイビングライセンスを発行している団体は複数あり、岩本アナが取得したライセンスは、アメリカ・シカゴ発の世界最大規模を誇る団体「PADI」のもの。
――レスキューダイバーライセンス(以下、レスキュー)を取得していると、具体的にどのようなことができるのですか?
「水深30mまで潜れるディープダイブや、潮の流れが速い場所でも潜水が可能になります。海の中では自分の体を自分で操縦できなければならないため、特に海外では、一定のライセンスがないと潜れない海が多いのです。北は北海道からと言いたいところですが、伊豆大島、和歌山の串本、沖縄、タイ・プーケット、県内では岩美町の浦富海岸などで潜ったことがあります。夏の浦富海岸は本当にきれいで、条件が揃えば、沖縄よりもきれいで透明度が高いんですよ! そんな私だからこそ、『「海と日本PROJECT」の推進リーダーは、私しかいないでしょ!?』と、実は入社一年目に自ら売り込んで任命してもらいました。それくらい、海が大好きな海男です!(笑)」
――そして鳥取と言えば、日本海に隣接する鳥取砂丘が有名ですが、これは砂丘からの景色ですか?
「馬の背という小高い丘の頂上からは、眼下に広がる日本海が見え、天気が良いと太陽が海に反射して宝石のように綺麗なんです。登るのは少し過酷ですが、丘の上は風が気持ちよく、夕暮れ時には、きれいな夕焼けも見られます。鳥取に初めて来た時は、“砂丘=砂場”としか思っていませんでしたが、実際に足を運んでみると、想像以上の広さに驚くとともに、目の前に広がる大パノラマに感動(涙)。『来てよかった…』と本当に思ったので、ぜひ皆さんも訪れてください! 日陰がないので夏は暑いですが、冬は雪化粧も楽しめて、これまた格別。ちなみに、砂丘ヨガ、ラクダ、セグウェイ、パラグライダー(写真)など、砂丘アクティビティもとても充実しています」
――続いては、夜空の写真。鳥取では、こんなにたくさんの星を見られるのですか?
「はい! “星取県”としてもPRされるほど、星がとてもきれいに見える県です。もともと人工の明かりも多くないので、写真のような星空は、明かりの少ない場所では肉眼でも見られます。ダイビングに最適な浦富海岸でも、満天の星空を楽しめますよ。これだけの星を見るには、プラネタリウムに行くしかない…という方も多いと思いますが、鳥取では肉眼でたくさん堪能できます。流れ星もたくさん見られますし、この写真の左側に写っているのも、流れ星ですね。ふたご座流星群が見られる時に、カメラマンが流れ星を狙って撮影してくれました(笑)。夏になると、天の川もきれいに見えますので、鳥取に来て初めて、『だから(天の)川なんだ!』と実感したことを覚えています」
――そんな自然が美しい山陰で、岩本アナがお薦めする地元グルメは何ですか?
「冬は松葉ガニ、夏はシロイカ(剣先イカ)といった、素材系ですね。あとは、地元でしか食べられないモサエビ。車エビほどのサイズなのですが、甘くてとても濃厚なのです。ただ、殻が弱いため傷みが早く、輸送に不向きなので、都市部に流通しないことから“幻のエビ”とも言われています。『モサなのに!?』と思いますよね(笑)。鳥取県内ではよく目にする“隣にいるエビ”なのですが、ほかの地域では出会うことができないので、山陰に来た時には食べてほしいです。ちなみに、お薦めの食べ方は、お刺身! ほかには、少しあぶってお味噌汁に入れるのもオススメです。一気に、料亭のお味噌汁の味になりますよ」
オマージュ、パクリ、身近な問題を楽しく見られる「それってパクリじゃないですか?」
――自然の産物が山陰の誇りですね! それでは最後に、岩本アナの推しドラマを教えてください。
「水曜日の夜10時から放送している『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)です。知的財産がテーマということで、『SNSなどにも通ずる部分があるのかな?』と、キャッチ―なタイトルに興味を持ちました。先ほどの娘との2ショットも、大阪万博(2025年大阪・関西万博)のキャラクター・ミャクミャクさんに扮したものなのですが、『これはオマージュなのか、パロディーなのか、それともパクリなのか?』と、気になったほど。意外と日常の身近なところに潜んでいる“著作権”“知的財産権”の問題ということで、スタートから楽しく見ております。芳根京子さん演じる新米社員と重岡大毅さん演じるエリート上司、“水と油”のこの2人の掛け合いも含めてコメディータッチで面白いです!」
――ドラマは、普段からよく見られるのですか?
「今思うと、学生の頃学校ではやっていた『野ブタ。をプロデュース』(’05年、日本テレビ系)をきっかけに、ドラマにハマりました。それからは、パイロット、弁護士などなど、ドラマの影響で将来の夢が何度も変わってきました(笑)。アナウンサーは、朝の情報番組に出演していた羽鳥慎一さんや桝太一さんの影響ですが、そういう意味でテレビは、私の将来の夢をたくさん変えてくれましたね(笑)。同じように、私の姿を見てアナウンサーを目指す方や、育休を取得しようと思ってくれる男性が増えたら嬉しいです」
■Profile
岩本泰平(いわもと・たいへい)
1994年5月25日大阪府生まれ、大阪府育ち。’20年、日本海テレビに入社。現在は、夕方の情報・報道番組「ニュースevery日本海」(月曜~金曜 後6:15~)、「海と日本PROJECT in とっとり」(4/29(土)スタート 毎週土曜 前11:40~11:45)のほか、スポーツ実況などを担当。レスキューダイバーライセンスや、世界遺産検定2級、ゾウ使いの資格を保持。育児休業中の出来事をつづった日記「パパアナウンサー、育休をとる。」が好評公開中!
取材協力/日本海テレビジョン放送株式会社