昭和3年、瀬戸内海の島。岬にある分校に、女学校を出たばかりの大石久子が教師として赴任してきた。キラキラ輝く瞳の12人の1年生は皆、明るく朗らかな久子にすぐに懐いた。自転車に洋服姿でさっそうと登校する久子は、保守的な村人たちからは敬遠されるが、子どもたちはいつも久子の味方であり心の支えであった。
ある日、久子は落とし穴で骨折してしまい、本校に転任となる。久子に会いたい子どもたちは、8キロの道のりを歩いて会いに行き、その時に皆で記念撮影をする。
数年後、岬の子どもたちは本校に通うようになり、久子と再会する。しかし忠君愛国が重んじられる時代の中、自由な発言をする久子は疎まれるようになり、教え子たちの卒業と共に教職を辞める。その後も久子は陰ながら教え子たちを見守り続けるが、12人はそれぞれの運命をたどることになる…。