【2022/1/9(日)放送】
本町奉行所に勤める同心・渡辺小五郎(東山紀之)のもとに岡っ引きの亥ノ吉(岸優太)が飛び込んできた。サボってばかりの小五郎を見かねた与力の増村倫太郎(生瀬勝久)があてがった仕事熱心な正義漢だ。亥ノ吉は町娘に乱暴を働こうとした岸田藤十郎(木村了)をしょっ引いてきたのだが、その顔を見た増村はあわてて後は奉行所に任せろとその場を収める。
同じ頃、経師屋の涼次(松岡昌宏)は表の仕事で旧知の絵師・才三(西畑大吾)と再会する。口下手で内向的な性格ながら、涼次も認める画才の持ち主だ。だが、才三の胸には涼次も知らない熱い思いが秘められていた……。
翌日、江戸の町を見回りしていた亥ノ吉は、自分が捕まえたはずの藤十郎が悠然と歩いている姿を見て驚きを隠せない。奉行所に訴えたものの、増村は「上と相談して決めた」と言うばかり。実は藤十郎は勘定奉行・岸田重右衛門(金田明夫)の息子だったおかげで無罪放免されたのだ。やり場のない怒りを抱えた亥ノ吉は、弟の才三に「世の中には知られていない悪人がごまんといる」と言い放つと、酒を薄めて売っていると噂の酒屋の塀に絵を描かせ、不正を告発する言葉を書きなぐった。
酒屋の悪事を暴く「落書き」は世間で「世直し」として一躍評判になる。これを皮切りに亥ノ吉と才三は「世直し」を次々とおこなっていく。巷では一晩で絵を描き去っていくことから、いつしか「晩来(ばんくる)」と呼ばれることに。さらに亥ノ吉は岡っ引きとして「世直し組」を率いるようになった。
仕事に精を出す亥ノ吉の姿を見て、ひそかに思いを寄せる幼馴染の美代(高月彩良)もうれしそうな表情を浮かべるが…。江戸の民衆が熱狂する「晩来」出現が新たな悲劇の始まりに過ぎないとは、かの小五郎でさえも予見していなかったのだった…… 「絵描きの世直し」の果てに待つ驚愕の結末とは!?
【キャラクター&ゲストキャスト】
・明神 亥ノ吉(岸優太)〈King & Prince〉
岡っ引き。絵師の才三の兄。小五郎の下で熱心に働く正義漢だが、町で捕らえた岸田藤十郎がお上の圧力で無罪放免されたと知って失望し、弟の才三とともに「晩来」として隠れた悪事を暴き始める。
・才三(西畑大吾)〈なにわ男子〉
絵師。岡っ引きの亥ノ吉の弟。口下手で引っ込み思案な性格ながら、卓越した絵の才能を持つ。昔からの知り合いである涼次にあこがれている。兄の亥ノ吉に誘われて「晩来」として悪事を告発する絵を描く。
・美代(高月彩良)
辰巳芸者。亥ノ吉や才三の幼なじみ。亥ノ吉にひそかに思いを寄せている。
・岸田藤十郎(木村了)
岸田重右衛門の息子。町娘に乱暴しようとして岡っ引きの亥ノ吉に逮捕されるが、勘定奉行である父親の威光で無罪放免にされ、悪行を繰り返す。
・たね(杉田かおる)
吉蔵の妻。夫とともに団子屋を切り盛りする。面倒見のいい性格で、亥ノ吉や才三や美代が幼い頃からかわいがってきた。
・吉蔵(小林隆)
小五郎も通う団子屋の主人。亥ノ吉や才三や美代が幼い頃から食事を世話して見守ってきた。