僕らのミクロな終末 第1回~最終回 ABCテレビのみ 毎週日曜 深0:55~1:25

第1回「危険な恋情の始まり」【2023/1/29(日)放送】
2023年9月、巨大隕石が地球に落下する。地球滅亡まで、あと10 日。生きがいのない日々を送っていたサラリーマンの仁科真澄(瀬戸利樹)は、残された時間を静かに過ごそうと、母校の大学図書館を訪れる。そこで偶然再会したのは、かつて自分を深く傷つけた「昔の男」、日下部律(中田圭祐)だった…!真澄の脳裏によみがえる、大学時代の思い出。真澄は当時、ミニコミ誌を制作する地味な出版サークルに所属していた。そして、秋の新歓シーズンに、偶然通りがかった爽やかでモテそうなイケメン、律と出会う。律が真澄の書いた特集記事について褒めたことをきっかけに、真澄は、律を出版サークルに誘うことに。律は快諾し、周りの女子も色めき立つ。しかし性に奔放な律は、これまでにもさまざまなサークルに入っては、コミュニティを荒らしてきた男であることが発覚…。それでも律は魅力的で、真澄は律の横顔を思い返しては、ベッドで一人、行為をする。
「俺は、多分、ゲイだ…」
そんな真澄の気持ちを見透かしたかのように、律は真澄をもてあそぶかのような言動を続ける。そして、やがて二人はついに…。異色の“終末”を描く恋愛ヒューマンドラマ開幕!

第2回「途切れた愛情との再会」【2023/2/5(日)放送】
真澄(瀬戸利樹)は律(中田圭祐)に、かつて1度だけインターネットで適当な男性と出会って行為をし、退屈な想いをした過去を話す。
「好きな人とするのって、こんなに違うんだ」
真澄は、律とのまぐわいによって、心が幸せでいっぱいに満たされ、何度も何度も行為を重ねる日々を送る。真澄は、周囲から好かれ誰にでも優しい律に対し、次第に不安を感じるようになるが、愛と快楽がそれをかき消していた。しかしある日、真澄は律がほかの女性と手をつないで歩いている姿を目撃する――。
心がぐちゃぐちゃになってしまった真澄は、律をストーキングするように。律がどこにいて、今何をしているのか。特別なのは、自分だけじゃないのか。……自分だけのものにしたい、律を。
しかし、そんな真澄の振る舞いに嫌気がさした律は、「もう俺に近寄らないでくれ」と言い放ち、去っていった……雨の中、ただただ呆然と佇む真澄。
それから10年。今、再び、真澄の目の前に律が現れた…。

第3回「終焉に起因する鼓動」【2023/2/12(日)放送】
大学時代、ひどく真澄(瀬戸利樹)を傷つけた律(中田圭祐)。しかし、地球滅亡に際して再会してなお、律はそんな過去を気にも留めてないようで、真澄に対して「せっかくだから最後まで一緒に過ごそう」と提案する。
拒絶する真澄だが、律は隕石による無残な最期に恐怖する真澄の心を見透かしたように、「楽に死ねる薬」を見せつける。死体の処理を手伝えば、それを渡す、と――。
戸惑いながらも律の家に行った真澄は、律に薬を飲まされたという17歳の少年・広瀬遊馬(富本惣昭)と出会う。薬を飲み、心臓が止まったのを確認したはずだったが、なぜか生き返っていたのだ。
真澄が薬を飲んだ理由を尋ねると、好きな女性にフラれ、推しのアイドルが自殺し、自暴自棄になったことを話し始める遊馬。
そんなことで死ぬなと励ましていると…、メキシコに隕石の欠片が落下し、壊滅的な被害が起こったニュースが飛び込む。
真澄と律は、遊馬に両親のもとに帰るよう提案するが、彼の自宅は遠方の静岡県・浜松だった。あらゆるインフラが機能しない状況下、三人は旅を決意する。
そして夜。同じベッドで眠る律の手が、真澄の身体に伸びて……!?

第4回「鬱々とした雨の先に」【2023/2/19(日)放送】
「地球を救うヒーローも、運命の相手もいない」
かつて律(中田圭祐)と過ごした10年前の年越しを思い出しつつも、もうあの日々には戻れないことに胸を痛める真澄(瀬戸利樹)。律の裏切りや、母から疎まれた過去、そして目の前に迫る地球滅亡の現実が、真澄の心を蝕んでいるのだった。
隕石落下まであと6日。真澄は、遊馬(富本惣昭)を静岡県浜松へ送り届けることだけを考えることに。
律の車で三人は浜松へ。すると道中、真澄の携帯電話に着信が。それは、かつて存在を否定し辛く当たってきた母からだった。
真澄がゲイであることを知ったときに「子どもができないのが羨ましい。」と親とは思えない言葉を放った母だったが、食べ物が尽き、ライフラインも尽きたことから、真澄を頼ろうと連絡してきたのだ。
「俺、お前たちとは行けない。これから実家に行ってくる」
真澄は、かつて自分を傷つけた母の元に行くという。すると律まで、家に帰ると言い出した。戸惑う遊馬を見て、真澄は律に連れて行ってやれと説得するが…。
律は、本当は実家に戻りたくないという真澄の心を見透かしたかのように、「真澄が行かないなら、俺も行かない」と言って聞かない。真澄の決断は…?

第5回「混沌とともに生まれる疑惑」【2023/2/26(日)放送】
「お前は、悪くないよ」
母に会いたくないという気持ちを押し殺そうとした真澄(瀬戸利樹)を、優しく受け止める律(中田圭祐)。
ともに静岡県浜松を目指す遊馬(富本惣昭)とともに、三人で夜を明かそうとラブホテルに向かうと、男性に強引に連れ込まれている女性を目撃する。地球滅亡を目前に、社会の治安は完全に崩壊していた――。
なんとか女性を救い出した三人。なんとその女性は、遊馬の推しの国民的アイドルで自死してしまった「まどか」と瓜二つの顔つきをしていた。それだけでなく、嘉神めぐる(井手上漠/まどかと一人二役)と名乗るこの女性は、まどかの実の「妹」であると言う。遊馬は、めぐると出会ったことを運命だと喜び、彼女を実家の長野県松本まで届けると意気込む。だが、律は何度かテレビでまどかと共演経験があり、何やら浮かない表情で…。
夜が更け、そもそも律はなぜ「楽に死ねる薬」など手に入れていたのか、まどかとはどんな関係だったのか真澄は律を問いただす。
「遊馬に飲ませた薬、自分も飲むつもりだったんだろ?」
翌朝、真澄と律は便器の前に立つめぐると鉢合わせ、その場はただならぬ空気に包まれる。そんな二人の様子にめぐるは事情を説明し始めて…。めぐると出会ったことを運命と呼んだ遊馬。これまでのすべては、偶然なのだろうか?

第6回「真実がもたらす絶望の渦」【2023/3/5(日)放送】
「姉が自殺する前、最後に電話かけてた相手、あなたですよね」
そう律(中田圭祐)を問いただすめぐる(井手上漠)。遊馬(富本惣昭)は、すぐそばにいたはずの律が、まどかを助けられなかったことに激昂する。いさめようとした真澄(瀬戸利樹)を、遊馬が突き飛ばして――。
ベッドで目覚めた真澄のそばには、甲斐甲斐しく看病をする律の姿があった。下手したら死んでいたと、意外なほどに落ち込み、力のない律。
別に死ぬのが少し早くなるだけだと強がる真澄に、律は胸の内を吐露する。
「お前に、謝りたかった。もしやり直せるなら、次は間違えないって」
泣きながら謝る律の姿。
「過去を悔やむことも、未来を描くことも、もう無意味なんだよな」
と、真澄は律にキスをして…。
焚火をしながら、まどかについて語り始める律。まどかが、グループ内の同性同士で恋愛をしていたこと。そして、相手に異性と浮気され、ひどく傷ついたこと。SNSでの誹謗中傷に胸を痛めていたこと…。
すべてを聞いた遊馬がとった行動は…?

第7回「交わった視線と体温」【2023/3/12(日)放送】
まどか(井手上漠)と過ごした時間を思い出しながら、洗いざらい話した律(中田圭祐)。深夜、律は真澄(瀬戸利樹)の寝顔を愛おしそうに眺めながら別れを告げ、キャンプ場の片隅で一人、自らの命を絶つために入手していた“楽に死ねる薬”を見つめ、これまでの人生を振り返っていた。才に恵まれ、美貌にも恵まれ、何不自由ない裕福な暮らしを送ってきた律。ただ一つ欠けていたのは、両親からの愛だった。これまでの恋愛においても、最長の交際記録がたったの半年。律にとって愛とは、その場限りの意味のないものに過ぎなかった。真澄とのそれを除いて…。とうとう手にした錠剤を口に含んだ、その時―。
「ここでお前がいなくなったら、俺がどうなるか考えてもねえんだろ!」
嗚咽する真澄を前に、律は…!?

最終回「奇跡を渇望した最期」【2023/3/19(日)放送】
めぐる(井手上漠/まどかと一人二役)を実家まで送り届け、まどかの遺影を眼前にする真澄(瀬戸利樹)と律(中田圭祐)と遊馬(富本惣昭)。遊馬はとうとう現実の死を思い知って涙し、律も遺影に手を合わせる。
「まどか……、ちゃんと会えたよ」
かつて、真澄に連絡するよう提案してくれたまどかにお礼を言う律。
その後、ついに遊馬を浜松へと送り届け、長い旅の目的を遂げた二人。真澄は遊馬のことを「超常現象を起こせるミラクルボーイ」だと言う。そんなわけないだろ、と律。地球滅亡まで、あと2日――。図書館で再会してから、身体の関係を持つことはなかった真澄と律だが、もうその心は、十分すぎるほど互いをわかり合っていた。車の中でキスをする二人。そして、その先へ…が、怪我を気遣って、最後まではしようとしない律に不満顔の真澄。
「家に帰ったら、ちゃんとやろ、な」
翌日、真澄の自宅へと戻ってきた二人。律は、「お前に会うために図書館に行ったんだ」と打ち明ける。かつて真澄が「明日地球が終わるなら、図書館にこもって本を読むわ」と言った一言を、ずっと覚えていたのだった。
そして二人は、10年ぶりの、いや、10年分の情欲を――。夢想だにしなかった、律と再び結ばれるという奇跡に満ち足りていた。真澄は瞼を閉じ、遊馬の夢を見る。果たして、地球の最期は――!?