ももさんには、これまで誰にも言わなかった言葉がある。「死にたい」。ある夏、ひょんなことから旅に出たももさん。それぞれに生きづらさと折り合う7人と出会い―。「死にたい」自分を肯定していく、1週間の物語。
ももさんが出会う「パパゲーノ」とは、「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のことです。オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが、自殺を思い留まる抑止力になることが示され、オペラ「魔笛」の登場人物に準え「パパゲーノ効果」と呼ばれています。
「もも」という名前は、NHK が運営するサイト「自殺と向き合う」に、日々寄せられる「死にたい」「生きるのがつらい」という投稿の中で、最も多く使われるニックネーム。本作では、主人公・ももさんの人物像や、ももさんが出会う「7人のパパゲーノ」たちの生きざまを、寄せられた投稿や、当事者の方々への取材を元に描きます。
【キャラクター&キャスト】
・もも(伊藤沙莉)
都内で働く25歳。「死にたい」気持ちを言葉にできず、毎日を過ごす。
・雄太(染谷将太)
二人目のパパゲーノ。「自分のことがよく分からない」。ももと出会い、ともに旅することに。
・玲(山崎紘菜)
一人目のパパゲーノ。都内のIT企業を辞め、とある田舎の農園で暮らす。
・越智芽衣子(中島セナ)
三人目のパパゲーノ。高校2年生。吹奏楽部に所属していたが—。
・中原(橋本淳)
ももと付き合い始めて2日目の彼氏。日曜日の夜、2人は言い合いに。
・りょうパパ(野間口徹)
五人目のパパゲーノ。仕事が生きがい。だけど、仕事が苦しい。
・おむすび(平原テツ)
四人目のパパゲーノ。40代、コンビニのアルバイト店員。「楽しい事なんか見つけらんないだろ人生」。
・津田(池谷のぶえ)
七人目のパパゲーノ。ももの母・裕子が慕う、占い師。ある夏の月曜日、ももの行く先を占う。
・ももの母・裕子(堀内敬子)
ももの母親。占いにはまっており、占い師の津田が師匠。
・山口(浅野和之)
六人目のパパゲーノ。河川敷やネットカフェで暮らす。ももが旅のすべてを話す人物。
【スタッフ】
・作
加藤拓也