100年前、筆一本の力で結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた、大正時代の女性解放運動家の生涯をドラマ化する。吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当。吉高由里子が主人公の伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。
貧しい家で育った野枝は、平塚らいてう(松下奈緒)の「元始、女性は太陽であった」という言葉に感銘を受け、結婚をせず上京。自由を渇望し、あふれんばかりの情熱で「青鞜社」に参加すると、結婚制度や社会道徳に異議を申し立てていく。野枝の第一の夫・辻潤を稲垣吾郎が、後のパートナーとなる大杉栄を永山瑛太が演じる。
【キャラクター&キャスト】
・伊藤野枝(吉高由里子)
福岡の片田舎で育ち、貧しい家を支えるために押し付けられた結婚生活から逃げ出して上京。平塚らいてうの青鞜社に入り、結婚制度や貧困問題に真正面から立ち向かい、自由を求めて奔放に生きた女性解放運動家。
・大杉栄(永山瑛太)
日本を代表するアナキスト。自由恋愛を実践し、刃傷沙汰にもなるが次第に野枝とベストパートナーとなっていく。
・辻潤(稲垣吾郎)
翻訳家・思想家。日本のダダイズムの中心的人物。伊藤野枝の女学校の教師で、最初のパートナー。彼女の文才を見いだし、知の扉を開いた。
・平塚らいてう(松下奈緒)
日本初の女性による女性のための文芸誌「青鞜」を創刊。「原始、女性は太陽であった」という言葉は、日本の女性解放運動の幕開けを象徴する言葉となる。
・渡辺政太郎(石橋蓮司)
「大逆事件」の前から大杉栄らと行動を共にした社会主義者。山梨県の貧しい家の生まれ。孤児院で働くなどして社会の歪みに目を向け社会主義者となった。同志の世話養成に力を尽くす。
・村木源次郎(玉置玲央)
大杉栄の「近代思想」に共鳴し、大杉の死に至るまでいつも傍にいた。掃除洗濯台などの家事、子供の世話など何でもやり、「源にぃ」と親しまれた人物。
・神近市子(美波)
津田英学塾で学び、青鞜社に参加し、その後東京日日新聞の記者となる。大杉栄らの「仏蘭西文学研究会」に参加し、大杉と恋仲に。その後「葉山日陰茶屋事件」を起こすことに。
・堀保子(山田真歩)
婚家から出戻り、親戚の家で厄介になっていた時に大杉栄と出会い、結婚。しかし大杉には定収入がなく、保子が「家庭雑誌」の編集をして活動を支え、入獄を繰り返す大杉を物心両面から支えた
【スタッフ】
・原作
村山由佳
・脚本
矢島弘一