あの頃のわたしたちは、世界が輝いて見えた――。福原遥がABEMAオリジナルドラマで初主演を務めた群像サスペンスドラマ『透明なわたしたち』。この番組のメモリアルフォトブック発売を記念して、出演者インタビューを1週間にわたり連日公開! 第6回は尾関健役を演じた林裕太インタビューをお届けします。
(本稿は発売中の「『透明なわたしたち』メモリアルフォトブック」内の一部記事を抜粋、再構成したものです)
この役を演じることは、すごく責任と覚悟が必要だと思っていた
――尾関は凶悪事件を起こしてしまう衝撃的な役です。役が決まった時の気持ちを教えてください。
「今回、尾関役だけオーディションがあったんです。3、4回やっていたので、決まったという連絡をいただいた時はホッとしました。僕、松本監督とご一緒したかったですし、オーディションを重ねるたびにどんどん尾関に入れ込んでいって。自分が尾関という役のために考えてきたこと、やったことが監督やプロデューサーの方に受け止めてもらえたのが嬉しかったです。この役を演じることはすごく責任と覚悟が必要だと思っていたので、オーディションの時に締めた帯をさらにギュッとするような気持ちで役に臨もうと思いました」
――どのようにアプローチしましたか?
「自分は尾関から程遠い人物だと感じていたので、その距離を詰めていくには何をするべきかひたすら考える日々でした。松本監督からは衣装合わせの時に尾関のバックボーンがまとめられた紙を1枚いただきました。あと、考えるにあたってのヒントもたくさんいただいて。例えば、クランクインまでに実際に起こった通り魔事件のことを調べてみてほしい、尾関と似たような境遇が描かれた中上健次さんの小説『十九歳の地図』を読んでみてほしいと言われました。僕自身としては、とにかく台本を読み込んで、そこから想像できることや心情をバーッと書きまくりました。それをやらないと尾関を演じられない気がしたんです」
――そういった作業を通して、共感したり、理解が深まったりしましたか?
「そこが今回、すごく難しいと思ったところでした。頭では理解はできるけど心がついていかない、みたいなことが撮影前だけじゃなく、撮影中にもあって……。そういう時は松本監督とお話ししながら進めていきましたが、わからないことをわかろうとすることを諦めずに演技をすることが大事なのかなと思っていたのを強く覚えています」
(「『透明なわたしたち』メモリアルフォトブック」より抜粋・再構成)
■Profile
林裕太(はやし・ゆうた)
2000年11月2日生まれ。東京都出身。’20年に役者として活動を始め、映画「草の響き」(’21年)でスクリーンデビュー。主な出演作に「アクターズ・ショートフィルム3『いつまで』」(’23年)など。映画「ロストサマー」(’23年)で小林勝也とともに主演を務めた。2024年10月に「HAPPYEND」、11月に「オアシス」が公開。
好評発売中!「透明なわたしたち」メモリアルフォトブック
定価:2,750円(本体2,500円)
発行:東京ニュース通信社
【主な内容】
●ドラマ名シーンで綴る、全60頁に及ぶメモリアルアルバム
●撮り下ろしインタビュー:福原遥、小野花梨、伊藤健太郎、倉悠貴、武田玲奈、林裕太
●座談会:松本優作(監督・脚本)×岸建太朗(撮影)×竹内久史(録音)×宮本茉莉(スタイリスト)
●特別対談 幾田りら×福原遥
●オフショット
誠品生活日本橋店で特設ブースを実施中!
■期間:2024年12月9日(月)まで
■会場:誠品生活日本橋
■開場時間平日 11:00〜20:00 土日祝 10:00〜20:00
※特設ブースの詳細はこちらへ
『透明なわたしたち』AbemaTVにて全6話配信中
キャスト:福原遥、小野花梨、伊藤健太郎、倉悠貴、武田玲奈 ほか
スタッフ:<企画>BABEL LABEL <監督・脚本>松本優作 <プロデュース>藤井道人<脚本>八代理沙・八瀬ねね(BABEL LABEL Writer’s room)
「もしも凶悪事件の犯人が、高校時代の同級生だったら――」
2024年渋谷。身元不明の⻘年が、ある凶悪事件を引き起こす。週刊誌ライターの主人公・碧(福原遥)は、事件の犯人が高校の同級生ではないかと気付き、疎遠になっていたかつての仲間たちと再会。誰が、なぜ、事件を起こしたのか。高校時代を回想しながら、真相を追いかけていく。その中で鮮明な記憶として甦るのは、文化祭の日に起きたある事件――。 東京と富山を舞台に、過去と現在、それぞれの事件が繋がり“真実”が紐解かれる、群像サスペンス。
※1~3話は常時無料、4~6話はABEMAプレミアム会員のみ視聴可能。
※11月21日よりNetflixでも配信開始。
撮影/為広麻里 取材・文/四戸咲子 構成/袴塚信彦