高橋文哉が万年パシリのアイドルオタク・山田達人と、伝説のヤンキー・伊集院翔の2役を演じて話題の金曜ナイトドラマ「伝説の頭 翔」。
関水渚は、達人が推す、ご当地アイドルユニット「古くさい街角のスケ番ズ」(通称:街スケ)のエース・「彩姐」こと藤谷彩を演じている。
「街スケ」は‟普通の女の子たちがスケ番風衣装や特攻服で歌い踊る”というコンセプト。「テメーら! 全員ブッ潰してやんよぉ!」「調子乗んなよテメェ!」などと怒号が飛び交う、熱すぎるライブパフォーマンスを展開中だ。
さらには劇中を飛び出して、つんく♂プロデュースの楽曲でデビューが決定! スケ番、アイドル、歌にダンス…新境地に挑戦中の彼女に話を聞きました。
とにかく、歌とダンスを必死に頑張ることで、
彩に近づこうと思いました
――今回演じている藤谷彩は、「街スケ」での‟彩姐“というキャラクターが素の‟彩”に乗っかってくるような、複雑な役柄ではないかと思うのですが、どんな役作りをされましたか。
「今、彩が頑張っていることって『街スケ』の活動で、歌とダンスなんですよね。私自身、どちらも得意な方ではないので歌手の友達に歌い方を教えてもらいました。その子の歌を真似してみるところから、どう声を出したらいいのかを探ってみたり。振付ができてからは、夜、家の窓に全身を映しながら練習して。とにかく、歌とダンスを必死に頑張ることで、彩に近づこうと思いました」
――実際に演じてみて、いかがですか。
「結構、コメディ要素も多いドラマなので、楽しんで演じています。2話で達人と行ったカラオケのシーンは、ドキドキしちゃってるがゆえに、彩の口の悪い部分が出てしまうという(笑)。監督の演出で、ちょっとした逆ギレ状態になるんですけど、その不器用さが面白くて、かわいい人だなって思いました」
――好きな子の前で口が悪くなるのは、昭和のヤンキーあるあるですね(笑)。
「それです。その現象が彩にも起こっています」
――(笑)どこで2人に接点があったのかなと気になっているんですが、1話のラストで「頑張ってるね、たっちゃん」って言っていたり、2話のそのカラオケのシーンでも「思い出さないか」とセリフがあったように、彩が達人のことを知っているのは間違いないですよね。
「はい。2人が過去にどんな関係だったかは、これから物語が進むうちに明かされます。並行して、達人たちにもいろんな事件が起こるんですけど、みんなが一生懸命戦っているところもなんだかんだちょっと面白かったりするし、真っ直ぐすぎるところが面白かったりする。本当にこのドラマは良いところいっぱいなので、最後まで楽しみに見てほしいです」
――3話(8月2日放送)では、「街スケ」の彩姐として、ピンチを迎える展開だと聞いています。
「彩が『街スケ』になる前の、アイドルとしては好ましくない過去の写真がSNSで拡散されて、炎上してしまうんです。それをある人の助けで乗り越えて、彩に優しさが降りかかるような回になっています」
体力不足を感じてトレーニングに通い、
毎日ヨガをやるようにしています
――「街スケ」のライブシーンでは、歌とダンスはもちろん、間奏にはシャウトしていたりと激しいパフォーマンスが展開されていますが、準備期間はどのくらいあったんでしょうか。
「撮影に入ったのが、5月の下旬だったんですが、その一か月前に『街スケ』の劇中グッズを作成するための撮影がありまして。ダンスの練習もすぐに始まったし、『街スケ』メンバーとはすぐ仲良くなりました。小学生のときにクラシックバレエをやっていたんですけど、やる気もセンスもなくて、本当にどうしようもなくて(笑)。レッスンの輪にもうまく入っていけなくて、友達もいなかった。だから今回の『みんなで頑張りましょう!』みたいなのは初めてです。1回3時間のレッスンを何回もやって。体力不足も感じたので、トレーニングにも通い始めました。あとは毎日ヨガをやるようにしているのと、そのために食べ物にも少し気を付けるようになったり。これまでジム通いが続いたことがないので、パーソナルトレーナーさんに付いてもらって、やらざるを得ない状況に自分を追い込んで…少しでも休憩を長くしようとトレーナーさんに無駄に話しかけたりして、自分なりに工夫しながら頑張っています(笑)」
――印象に残っている練習エピソードはありますか?
「自主練のときですけど、1回、実家で窓を見ながら練習していたら、外を歩いていた犬の散歩中の親子に二度見されてしまって(笑)。『なんかすごい踊ってる子がいるけど、あの子どうした?』みたいな。あれは恥ずかしかったです…」
共演者というより『メンバー』
そこがほかのドラマとは違うかもしれない
――みなさんとのチームワークはいかがでしょうか。
「良いメンバーが集まったなって思います。ひとりひとり違うのに、ちゃんと、仲良し。約束していないのに、予定より早い時間に自然と集まってダンスの練習をしていたり、(森)香澄ちゃんとたまたま帰る方向が同じで『寄り道しよう』って話になったときも、当然のようにほかの2人にもグループLINEで『今からどう?』って聞いたり。(志田)こはくも(吉田)伶香も『もう遠くまで移動しちゃった』って来られなかったんですけど」
――グループLINEがあるんですね! 制作発表の会見では、登壇した森さんが「渚が入ってきた瞬間に『今日は機嫌がいい』とか『ちょっと落ち込んでるな』ってわかるようになりました」とおっしゃっていました。
「そうなんです。まさに『街スケ』のリーダーって感じですよね。悩んでるとき、長文を送ったりして。すぐに返事をくれて、優しいです。こはくは私のことをめちゃくちゃイジってくるんですよ!『ゲームしよう』ってなって、じゃんけんしようとしたら『最初はパー!』って言い出して(笑)。普通、『グー』じゃないですか!? ちゃんとグーを出した私を見て笑ってて…めちゃくちゃなめられてます(笑)。提案してくるゲームも面白くて。『いやいやよゲーム』、わかりますか?」
――どんなものですか?
「『こうだったらいやだな』って思うことを、お互いに(『ゆかいな牧場』のイーアイイーアイオーの)リズムに乗せて言っていくんですけど。覚えてないくらい小さなこと、例えば『家に虫が出たらいやいやよー』とか。ネタ切れしてリズムに乗れないほうが負けです」
――なるほど、意外と難しそう。撮影の待ち時間も退屈しなさそうですね(笑)。
「退屈しないですね。伶香は、うちに遊びに来たいって言ってくれるのはいいんですけど『チョコバナナ作らせてくれない?』って。『チョコバナナじゃないとダメなの?』って聞いたら、『いちご飴でもいいけど』って。謎過ぎるし、二択しかないし。もっと選択肢くれよ!って(笑)」
――すっかりイジられキャラですね。
「気づいたらイジられてて。でも、すごく楽しいですね。今まで年下の子と共演したりしてもこんなことにはなってなかったんですけど、『街スケ』は年上も年下もなくて、共演者というより『メンバー』っていう感覚がしっくりくる。そこがほかのドラマのときとはちょっと違うかもしれないです」
歌番組、ぜひ出たいです(笑)
いつでも出られるようにもっともっと練習します!
――そのメンバーで、つんく♂さんの書き下ろし曲「バッキャロー!LOVE」でデビューが決定しました。
「もう、びっくりしました。子どものころはモーニング娘。になりたかったので、夢のようです! プロデューサーさんたちが『デビューできたらいいよね。あはは』『MV撮れたらいいよね。あはは』って冗談のようにおっしゃっていたことが現実になって、こんなこともあるんだなって。自分がMVを撮る日が来るとは思ってもみなかったですし、よくわからないまま、いろんな方向から、いろんな撮り方で撮っていただいて。撮影はとにかく楽しい1日で、その楽しさが反映された作品になっていると思います」
――歌番組に出演する「街スケ」も見てみたいです。
「ぜひ、出たいですね(笑)。そこまで行ったら笑っちゃいますよ。『ここまでやらせてもらっていいの?』って。いつでも出られるように、もっともっと練習します!」
■Profile
関水渚(せきみず・なぎさ)
1998年6月5日生まれ。神奈川県出身。2019年「町田くんの世界」で映画初主演。主な出演ドラマは「八月は夜のバッティングセンターで。」(2021年/テレ東)、「大河ドラマ どうする家康」(2023年/NHK総合)、「ハマる男に蹴りたい女」(2023年/テレビ朝日)、「彼女と彼氏の明るい未来」(2024年/MBS)、「ブラックガールズトーク」(2024年/テレ東)など多数。
■エピソードトーク「関水渚さんの推しドラマ」
「オレンジデイズ」(2004年/TBS)
「リッチマン、プアウーマン」(2012年/フジテレビ)
「恋愛だったり、青春要素が入っているドラマが好きで、特にこの2作品は大好きです。『オレンジデイズ』放送当時は子どもだったのでよくわかっていませんでしたが、10代になって見て、あんな大学生活送ってみたいなって憧れました。実際はできなかったけど(笑)、それがドラマの良いところですよね。『自分にもあるかもしれない』っていうキュンキュンがたまりません。『リッチマン、プアウーマン』も、かっこいい社長がいて、仲良くなるけどうまくいかなくて…もどかしい感じもすごく好きです。それで言うと、自分が出ている『ハマる男に蹴りたい女』も、ど真ん中で大好き。今、Netflixで見られるのがうれしくて、友達におススメしちゃいました(笑)」
金曜ナイトドラマ「伝説の頭 翔」放送情報
テレビ朝日系
毎週金曜 後11:15~ ※一部地域除く
TVerでリアルタイム配信
TELASAで1話~最新話まで全話一挙配信
テレ朝動画、アベマdeテレ朝で最新話を無料配信
撮影/蓮尾美智子 文/陰山ひとみ