吉沢亮演じる駆け出しの小児科医・志子田武四郎が、厳しい小児医療の現実の中で成長していく姿を描いた「PICU 小児集中治療室」(’22年/フジテレビ系)が、4月13日、スペシャルドラマ「PICU 小児集中治療室 スペシャル2024」として帰ってくる! 今回の話題は、すっかりPICUのメンバーとして一人前の医師に成長した志子田先生に、“初めての後輩”ができること。その後輩の研修医を演じるのが、2023年の「下剋上球児」への出演で注目を集め、期待の若手俳優の仲間入りを果たした小林虎之介。吉沢をはじめ安田顕、木村文乃、甲本雅裕など錚々たる俳優陣に混ざって緊張感のある芝居に挑んだ小林さんに、撮影の日々で得たもの、感じたことをたっぷり聞きました!!サイン入りチェキのプレゼントもあります♪
お世話になった方からは「そこで調子に乗るなよ、全部耳に入ってくるから」と(笑)
――小林さんといえば、「下剋上球児」での演技が印象的ですが、つい最近まで泥だらけのユニフォーム姿だったのが、今回の「PICU 小児集中治療室 スぺシャル2024」では、白衣を着た研修医の役。最初にその姿を鏡で見たときはどう思いましたか?
「ちょっと笑っちゃいました(笑)。しかも、『下剋上~』がクランクアップした3日後くらいから『PICU~』の撮影が始まったので。あまりにも違い過ぎて笑っちゃうんですよ。うわ、やっべーな、コレ、みたいな(笑)。4カ月以上やっていた撮影からすぐ次に切り替えるっていうのが人生で始めてだったので、なかなかすぐに役が抜けなくて。監督から、“怒ってる表情がちょっと医者っぽくないから、これこれこういう部分を除いてみようか”みたいなアドバイスをいただき、“はい、やってみます”っていう中で、だんだん修正されていって、後半はあまり言われなくなりましたけど、難しかったです」
――出演が発表されたとき、周りからの反響はいかがでしたか?
「すごいじゃん、って喜んでくれた人も多かったし、『下剋上~』のメンバーでも、“そんなデカい仕事が決まったら俺も負けていられない”って言ってくれた人もいました。『下剋上~』のプロデューサーの新井(順子)さんもすごく喜んでくれていて。『そこで調子に乗るなよ、全部私の耳に入ってくるからな』って(笑)」
――調子に乗っちゃうタイプなんですか?
「普通のプライベートは結構乗っちゃいますね(笑)。でも仕事はそんなことないです。それは(鈴木)亮平さんにも言われました。僕って、普通に話していたら調子に乗りやすいというか、『ほ~ん』とかなっちゃうので。亮平さんに、『調子に乗ったらすぐ落ちるからな』『そんな甘くないぞ』ってめっちゃ厳しく言われましたけど、役者としては多分、大丈夫です」
プライドの高い瀬戸が現実に打ち負かされ、やがて認めていく。難しい場面も植野先生(安田)に助けられ乗り切れました
――今回の「PICU~」では、瀬戸廉という研修医を演じられていますが、東京の大病院の御曹司で、両親は東大卒、かつ甘いマスクで女性からの人気も高く、語学も堪能というスーパーサラブレッドですね。
「瀬戸は生い立ちからそうなので、医者にならなきゃいけないっていうプレッシャーがずっと続いていたと思うんですね。これまでたくさん勉強して、医大を出て、今回、丘珠病院に研修医として派遣されたんですけど、自分は偉大な両親の息子だっていうプライドもあると思うんです。でも、知識だけじゃ闘っていけないということを物語の中で経験していく。“無知の知を知る”みたいな思いをたくさんしていくので、演じていても苦しいなと思う部分がありました。自分ができると思っていたのに、どんどん打ち負かされる感覚って、多分、たくさんの人が人生の中で経験していると思うんですけど、瀬戸は初めてだったのかなって」
――瀬戸の心を表すように、セリフが「……」だったり、「はぁ」だったり、言葉では表現しきれない演技が多かったと思いますが、どんなふうに演じたんですか?
「そのときに置かれている状況を受け入れるだけですよね。何でこうなったんだろうって。瀬戸も瀬戸で、そういう状況になったのは自分に非があると分かっているのに、プライドがとにかく高いから認めたくない。だから『はぁ』って。すいませんって言えない若い子特有の感じがあって」
――演技とはいえ、瀬戸は先輩たちに対して不遜な態度を取ってしまいますよね。
「ホントそうですよね。でも、周りの役者さんは何をやっても受けてくださる方々なので。僕が物怖じするようなことは一切ないというか。逆に身を預けて感情を出そうと思って演じていました」
――共演の方々から言われて印象的だったことはありますか?
「植野先生役の安田さんと重たいやり取りをするシーンがあったんです。僕としてはつらいシーンで、しかも吉沢さん、甲本さんと4人でのシーンだったのでカット数も多くて。すべてのカットで同じ芝居をするのが難しくなってきたときに、安田さんが『大丈夫、大丈夫』と言ってくださって、空気を和らげてくださったんです。つい力みが出始めたときだったので、僕の雰囲気を察して言ってくださったと思うんですけど。言葉としては『大丈夫』だけですけど、僕にとってはすごく深くて、そこから素直に感情を出すことができました。たくさん経験をされてきている方なので、その姿を僕に見せてくれて、すごくやりやすかったですし、頼もしかったです」
――まさに植野先生と瀬戸の関係ですね。
「ホントにそうですね。安田さんは植野先生にしか見えなかったです。俳優としてのキャリアもそうですけど、学ぶことが本当に多くて。でも、一緒にドラマをやっている以上、同じ土俵には立っているわけだから、僕のせいでクオリティーを下げるわけにはいかないっていう闘いもありました」
――「下剋上球児」では、ちょっと不良っぽい役を演じるために「ルーキーズ」や「クローズ」を見て勉強したというお話がありましたが、今回の役も、物静かな雰囲気の小林さん自身とは全然タイプの違う役ですね。
「『下剋上~』のときはそうでしたね。今回の役も、多分、『下剋上~』のときのイメージを持ってキャスティングしてくれたんだなっていう感じはありました」
――今回も何かを見て学ぶことはありましたか?
「もともとフジテレビの医療ドラマが好きで、『Dr.コトー診療所』は何回も見ていたし、『PICU~』のシーズン1では、吉沢さんが新人の立場だったので、吉沢さんをすごく見ました。3話ぐらいまでの間に吉沢さんが置かれている境遇と、若干似ている部分もあったので、そこは参考にはさせてもらいました。実際のPICUにも行かせていただいて、リアルな患者さんに接することもありましたし、医療監修の方にもいろんなことを教えていただきました。たまたまなんですけど、病院で見学をしているときに救急搬送されてきた患者さんがいらしたんです。そうなったときのお医者さんの目とか空気感、時間も刻一刻と迫っている状況なのに、焦るけれども雑に行動することもなく、しっかり丁寧にやるっていうのも病院で学びました」
実は一人二役(笑)。アイドル役は周りに褒められ“調子に乗って”やり切りました!
――一方で実は、患者さんの推しのアイドルに似ているイケメン先生という役柄でもありましたね。
「この設定、大丈夫か? って思いますよね(笑)。実は、推しのアイドルの方も僕がやっていて、ひとり二役なんです。アイドルの方はガッツリ登場するわけではないですが、写真で出ていて。撮影に入って最初に演じた役はそっちなんです。そのときは周りのスタッフの皆さんに乗せられて調子に乗ってやってたんですけど(笑)。実際の芝居の場面でその時の写真が出るんですよ。カレンダーとかアルバムとかウチワとか。もう恥ずかしくてしょうがなくて。しかも演じている目の前には吉沢さんがいて。吉沢さんこそ“推しのイケメン”のまんまじゃないですか。その人が僕の写真を見てニヤニヤしているから、はずっ! って(笑)。しかも吉沢さんより僕の方が“イケメン”って言ってくれてる子どもの患者さんとのシーンなので、もう勘弁してくれ、大丈夫か、コレって。そんなことを思っていました」
――アイドル役の方の撮影はいかがでしたか。ヘアスタイルも全部変えて、ですよね?
「分け目が違います(笑)。毛流れが違って、メイクもすごくしていたので、ちょっと別人ですよね。最初はめっちゃ恥ずかしかったんですけど、みなさんがすごく乗せてくれるので、そこはちょっと調子に乗っちゃいました。あんなに『調子に乗るな』って言われていたのに(笑)」
――子役さんとのやり取りはいかがでしたか?
「子役の子たちはみんな元気で、ピュアですよね。オフのときにしゃべったり、お菓子の食べ合いっこしたりして過ごしていたんですけど、現場に入ると全然違って、ちゃんと役者になるんだなって。でも子どもたちがいてくれて、僕はすごく楽しめました。しっかりした大人の方たちに囲まれていたので、ちょっと気持ちも和らいだというか。一緒にお絵描きとかもしたんですけど、僕は絵が本当に下手くそで。クマを描いて見せたら、ネコだって言われて、“どっから見てもクマだろう”って(笑)。ゲームを持ってきている子もいたので、一緒に『マリオカート』をしたり。みんな普通の小学生だなっていう感じで楽しかったです」
温かさと優しさがある「PICU~」の世界観を壊さないよう全力で演じました。“頼む、見られるものであってくれ”という気持ちです!
――「PICU~」シーズン1を見ていたということですが、作品の魅力はどういうところに感じましたか?
「心の描写がとても繊細だなと思います。その中に温かさと優しさがちゃんと含まれていて、丁寧に丁寧に描いている作品だなと思って見ていました。実際に現場に入っても、みなさんすごく優しいし、受けの芝居が本当に素敵で。“出す”というより、みなさんが“受け止める”現場だなと思いましたね。そして話の最後にはちゃんとほっこりするというか。こういうことが実際にあるんだっていうことを学びながら、最後はほんのり温かい気持ちになる。いいドラマだなと思います」
――そこにご自身が入ることで、演じる上で意識したことは?
「とにかく世界観を壊したらダメだなって。大切な2時間のスペシャルドラマのゲストとして大役を任された責任はすごく感じていました。もともと人気の月9ドラマの2時間スペシャルで、しかも土曜の夜9時から放送されるので、たくさんの方に見ていただけると思うし、業界の方も見るじゃないですか。そこで変な芝居をしたら俺は終わりだって(笑)。そういうプレッシャーの中でやっていました。まだ出来上がった作品を見ていないんですけど、見るのが怖くて。“頼む! 見れるものであってくれ!”って(笑)。ちょっとした噂によると、“いいよ”っていう反応があるらしいんですけど…あんまり信用できないので(笑)。でも僕も早く見たいです」
――では、小林さんのシーンで注目のポイントと、見所を教えてください。
「僕が患者さんに処置するのを失敗してしまうシーンがあるんですが、親御さんに謝る場面も『……』の描写が多くて。言葉では『すいませんでした』としか言っていないのですが、たくさんの葛藤の気持ちも含めました。瀬戸が変わるポイントというか、負けを認めざるを得ない状況というか、瀬戸として失敗を受け入れる場面なんです。あんなにプライドの高いやつが受け入れるって結構なことだと思うので、そこが一番瀬戸としてはキーになるところだと思います。作品としては、吉沢さんが演じる志子田先生も先輩という立場でまた葛藤していくんですが、そこに僕がひとつの要因として入っていくので。前作とはまた違った部分と、変わらぬ暖かさを感じていただけたらと思います」
“心の力み”が取れているから、何かが起こった時にごく自然な反応が出る。PICUメンバーのみなさんから学んだことをこれからも頑張っていきたい
――さきほど、「下剋上球児」の共演者からのエールもあったと伺いましたが、普段から連絡を取り合ったりしているんですか?
「生田俊平とか、中沢元紀とか、兵頭功海とかもそうですけど、この前は兵頭功海が『となりのナースエイド』ですごくいい芝居をしてたから、『最高だったよ』ってLINEしたら、『虎も出るじゃん。期待してるよ。出るとき教えて』って言われました。みんな仲間っていう感じですよね。あいつ頑張ってるから俺も頑張らないとなっていうのもあるし、仲間の活躍がうれしいのもあるけど、それに鼓舞される自分もいるし。めっちゃいい芝居されたら、悔しいとも思いますし。逆に僕もそう思ってもらえるように、高め合える関係になれたらいいなって。お互い頑張ろうって思っています」
――小林さん自身はどういう役者になっていきたいと考えていますか?
「『PICU~』のみなさんにはすごく影響を受けました。とにかく受けの芝居が素晴らしいんです。『下剋上~』で共演させていただいた亮平さんと(黒木)華さんも、もちろん素晴らしいんですけど、『PICU~』の方々は特に受けがすごくて。リアリティーも担保しながら、相手の表情や空気感を受けて芝居されるのを目の前で見せていただいて、本当に勉強になりました。ドラマに出始めの頃って、まず体が力むんですよ。ある程度慣れたら体の力みは取れるんですけど、次は心が力んじゃったりするんですが、『PICU~』の役者さんたちは心の力みも取っているから、例えば芝居中にテーブルの水がぽろっとこぼれた時にも、素の状態でリアリティーのある反応が出るんです。それを目の前で見ながら、この芝居ができるようになりたいってずっと思っていました。若手は特に、“ここは悲しい感情だから精一杯悲しいように”って意識してやると思うんですけど、一流の人ほどそんなことは絶対なくて。あくまで(役柄の)その人自身として自然に振る舞えるように、とにかく心の力みを取ってあげることを『PICU~』ではすごく学びました。でも、難しいんですよ。『本番!』って声がかかってカメラが回って、シーンがシリアスであればあるほど雑念がよぎってくるし。芝居の難しさってそういうところだなって思いますね。『PICU~』の撮影を終えてから、他の現場や、レッスンの講師の方にも『成長したな』って言ってもらえたんですけど、まだまだだと思っているので、頑張っていくしかないと思っています」
――ところで、お芝居以外に今興味を持っていることは何かありますか?
「趣味とかですよね…ホントに申し訳ないぐらい何もなくて(笑)。筋トレをやっているのも役者のためで、この仕事をしていなかったらジムも行かないと思うんですよ。昨日も夜中の2時くらいにジムに行ったんですけど、“何で俺はこんな時間にこんなことしてるんだろう”って(笑)。それで疲れて帰って、すぐ寝て。生活の中心がお仕事だから、そのためにドラマとかNetflixとかずっと見ているんですけど、この仕事をしてなかったらそれほど見ないと思うんです。興味があるのも芝居というか役者だけなので。それがなかったらと考えると…僕ってめちゃくちゃドライなので」
――ドライだと思える自分が、これだけ懸けているのが役者の仕事ということですね。
「そうですね。これがなかったらホントに人生つまらなかったと思います」
――ちなみに、いろんな作品を見ている中でおすすめはありますか?
「役者さんは結構いろんな方が好きなんですけど…最近はパク・ウンビンを見ますね。韓国の俳優さんで、出演作がヒットするんです。キャラクターもすごくチャーミングで、彼女の作品を見ていると面白くて参考になることも多いので。最近は『無人島のディーバ』が面白かったです」
■プロフィール
小林虎之介(こばやし・とらのすけ)
1998年2月12日生まれ。岡山県出身。2020年にCM出演でデビュー。’23年は、ドラマ「遺留捜査スペシャル」(テレビ朝日系)、映画「18歳、つむぎます」などに出演。10月期の「下剋上球児」(TBS系)で、チームを支えるキャッチャー・日沖壮磨役を演じ注目を集める。
「PICU 小児集中治療室 スペシャル2024」放送情報
フジテレビ系
4/13(土)後9:00~
※2022年放送の連ドラ版はTVer、FODで配信中
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撮影/蓮尾美智子 取材・文/幸野敦子
ヘアメイク/樫本 佳奈(山田かつら) スタイリング/水元章裕
衣装協力/nonnative(the nonnative shop)