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TVガイドみんなドラマ編集部
2021.10.6
ドラマと音楽のイイ関係 vol.4「シティポップとドラマ②『くれない族の反乱』」
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名作ドラマの陰に、名曲あり――。
ドラマに欠かすことができないもの、その一つが音楽。
国民的大ヒットとなった主題歌や、名シーンの後ろで流れていた劇伴(げきばん=BGM)など、あの曲がドラマを観る側の気持ちをぐーっと高めてくれた……そんな経験は誰しもあるはず。

今回もミュージシャン/音楽プロデューサーのクニモンド瀧口さんが、ドラマの世界を彩った“シティポップ”の名曲を紹介してくださいます。

 最近ではすっかり定着してきた音楽のジャンル、“シティポップ”。
 シティポップとは、ざっくり言うと昭和50年代頃に誕生した、ジャズのコード進行や、ソウルミュージックの16ビートを取り入れたスタイリッシュなポップス。これが近年、アメリカや東南アジアも巻き込んで、ちょっとしたブームになっています。

 そして、このブームのきっけかになった1曲として取り上げられるのが、竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」。
 今回ご紹介するのは、その「プラスティック・ラブ」が収録されたアルバム『VARIETY』(1984年リリース)からシングルカットされている、「もう一度」が主題歌になったドラマです。

TBS「くれない族の反乱」
▶イラスト:emi555

 それが、前回も紹介した「金曜ドラマ」(TBS、毎週金曜日放送)略して「金ドラ」で、1984年4月から放送された「くれない族の反乱」です。

 当時、流行語大賞で流行語部門銀賞を獲得した”くれない族”。「夫がかまってくれない」「家事をしてくれない」「子供が言うことを聞いてくれない」など、それまで子供が多く使っていた「●●してくれない」という言葉が、主婦層に広がり流行った言葉でした。いろいろ不満を持った主婦が、反乱を起こすといったテーマで制作されたのが、この「くれない族の反乱」でした。

 このドラマで主演だったのが、大原麗子さん。
 実は僕、大原さんのファンでした(笑)。石立鉄男さんと共演した「気まぐれ天使」(日本テレビ、1976年10月~1977年11月放送)や「雑居時代」(日本テレビ、1973年10月~1974年3月放送)が特に好きで、気品のある所作や少し鼻にかかった声に、大人だけど可愛らしさを感じていたんですね。
 サントリーウイスキーのCMのフレーズ・「すこし愛して、ながーく愛して」は、まさに大原さんのために用意されたセリフだと思っています。また、世代が違いますが、六本木野獣会やキャンティに大原さんがいた時代背景にも憧れるものがありました。
 ちょっと話を戻すと、そんな”くれない族”の主役で大原さんが出るとなったら、見ない訳にはいきません。
 そして、大原さん演じる中野和子の勤務先の上司・佐伯亮一として登場するのが田村正和さん。のちに、『うちの子にかぎって…』『パパはニュースキャスター』などで、コミカルな田村さんが誕生するのですが、それを引き出した八木康夫プロデューサーと初めて組んだのがこのドラマなんです。

 ストーリーは至ってシンプルで、主婦の和子(大原)が、家庭に不満を抱いて、働いている知人の影響を受け、デパートの食品売り場で派遣社員として働くことに。不慣れなこともあったが、今までとは異なる生活を楽しむなかで、上司の佐伯(田村)に惹かれていく、といった内容。
 田村さんと大原さんは大人な色気がありつつも、生活感が出ていて、やけに人間くさかったりして。そんなことを考えながら、小学生のころに観たドラマでした。



 そして、もう一つ楽しみだったのが、活動を休止していた竹内まりやさんの、久しぶりの新曲が主題歌になっていることでした。
 テレビにかぶりつきながら、「キター!」と思わず声が出てしまったイントロ、なんと山下達郎さん節全開のコーラスワーク。軽やかで弾む、まりやさんの歌声、それが主題歌の「もう一度」でした。ドラマ放送の翌週が発売日ということもあり、買いにいった記憶があります。
 この曲が流れるたびに、「くれない族の反乱」のオープニングを思い出すんですよね。
 さらに、このドラマの劇伴を、林哲司さん(作曲家・編曲家)が手がけています。
 今でも覚えているんですが、この劇伴がとにかく素晴らしくて、いつか林さんの劇伴集など、音源が出ないかと心待ちにしています。

 ドラマ各回のサブタイトルには曲名が付いていて、各回の話とリンクさせているのも当時新鮮に思えました。
 そして、最終回のサブタイトルは「もう一度」。
 主題歌のタイトルをもって、このドラマはエンディングを迎えたのでした。



Profile

クニモンド瀧口(流線形)

2003年に、流線形として音楽活動を開始。
2020年、NHKドラマ「タリオ -復讐代行人の2人-」のサウンドトラック『Talio』を流線形/一十三十一の名義で発表のほか、3枚のアルバムをリリース。
音楽プロデュースの代表作として、一十三十一『CITY DIVE』、ナツ・サマー『葉山ナイツ』、古内東子「Enough is Enough」などがある。
2019年にはクリエイティブディレクター南貴之氏と、シティポップとファッションのイベント『FASCINATION』を開催するなど、今日のシティポップブームの立役者の一人。

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