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TVガイドみんなドラマ編集部
2022.4.6
✒朝ドラ『カムカムエヴリバディ』 ジャズが温かく紡ぎ出す、三世代ヒロインの物語……ドラマと音楽のイイ関係 vol.10
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名作ドラマの陰に、名曲あり――。
ドラマに欠かすことができないもの、その一つが音楽。
国民的大ヒットとなった主題歌や、名シーンの後ろで流れていた劇伴(げきばん=BGM)など、あの曲がドラマを観る側の気持ちをぐーっと高めてくれた……そんな経験は誰しもあるはず。

ミュージシャン/音楽プロデューサーのクニモンド瀧口さんによる、「ドラマ×音楽」の魅力に迫る本コラム。
今回は、朝ドラの世界を彩った名曲と音楽についてご紹介します。

 
 
今回ご紹介するドラマは、2021年11月1日から放送され、いよいよ今週、最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(毎週月曜〜金曜 前8:00〜)です。

1925(大正14)年、日本でラジオ放送が始まった日、岡山市内の商店街にある和菓子屋で生まれ、やがて戦争で夫と死に別れ、娘を置いてアメリカに渡る選択をした安子(上白石萌音)。母・安子に憎しみを感じつつも、ジャズに救われて自分の人生を切り拓いた娘・るい(深津絵里)。時代劇の世界に憧れながら、ラジオ英語講座によって自分の居場所をみつけた孫・ひなた(川栄李奈)。
昭和から平成、そして令和へ。3世代のヒロインが、ラジオ英語講座を聴いたことが大きなきっかけとなり、それぞれの道を歩んでいきます。

タイトルの『カムカムエヴリバディ』は、かつて戦後直後の日本を席巻した平川唯一さんのNHKラジオ英語講座、通称「カムカム英語」のオープニング曲のタイトルに由来しています。
童謡「証城寺の狸囃子」のメロディーに乗って、「カムカムエヴリバディ」と始まるこのラジオ講座は、戦後、子どもから大人まで楽しみにしていたという番組でした。また、この言葉には、戦後の重苦しい日本を明るくしたいという、平川さんの願いが込められていたそうです。


脚本は、NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』(2007~2008年)を手掛けた藤本有紀さん。
福井県が舞台となった『ちりとてちん』の撮影当時、NHK福井放送局でディレクターを務めていた堀之内礼二郎さんは、藤本さんの台本を目にして、そのあまりの面白さに衝撃を受け、「いつかきっと藤本さんと一緒にドラマを作ろう」と夢見ていたそう。そして、今作で制作統括に就いた堀之内さんの指名により、藤本さんの起用となりました。

▶イラスト:emi555

 

気になるドラマ音楽は、戦前から戦後という背景も重なり、ジャズが度々登場します。
中でも、ルイ・アームストロングが歌う「On the Sunny Side of the Street(ひなたの道)」は、このドラマで重要な役割となっています。

“サッチモ”の愛称で知られるルイ・アームストロングが、1934年に最初に録音したこの名曲は、安子と稔(松村北斗)が岡山の喫茶店で聴いた思い出の曲。“ルイ”は娘・るいの名前の由来であり、「ひなたの道」というタイトルや歌詞は、ひなたの命名につながっていきます。
また、世良公則演じる喫茶店の店主・定一が進駐軍のクリスマスパーティーで、この曲を熱唱! その姿を見ていた少年が、後にるいと結ばれる、ジョーこと大月錠一郎(オダギリジョー)でした。
まさにこの曲がドラマの登場人物を結びつける役割を担い、さらにヒロインや登場人物が歩む人生の“日なた”と“暗闇”という、ドラマ全体のキーワードになっていると思います。

 

ドラマの劇伴を担当しているのは、金子隆博さん。
“フラッシュ金子”の芸名で、米米CLUBに所属して活躍したサックスプレーヤーであり、現在は作曲・編曲、プロデューサーで活躍されています。
印象的なメインテーマ曲があるのですが、なんとバージョン違いで多数存在することがわかりました。驚くことに、楽器違いなど含めるとおよそ200曲を今回のドラマで用意したそうです。
また、特に大阪を舞台にした「るい編」では、ジャズがふんだんに登場します。ジャズをベースにした劇伴に、ジャズ界のレジェンド、ナベサダこと渡辺貞夫さん(サックス)や、92歳で現在も精力的にライブを行う北村英治さん(クラリネット)が参加していることも話題になりました。

ドラマの中で、プロのトランペッターとして活動していたジョーがトランペットを吹けなくなり、ピアノに転向するのですが、実は金子さんもサックスが吹けなくなり、ピアノに転向したという、同じ経験があるそうです。
そんなご自身の経験も、優しいメロディーに乗せているのかもしれません。

 

個人的には、今回、るいを演じる深津絵里さんの出演が楽しみでした!
深津さんと言えば、『ハイスクール大脱走』(1991年、テレビ東京)からファンになり、その後出演するドラマはかなり見てきたと思います。なかでも常盤貴子さんと共演した『カバチタレ!』(2001年、フジテレビ)はテンポも良く、何度見ても飽きない、好きなドラマとして記憶にあります。
そんな深津さんが主演ということもあり見始めたドラマでしたが、回を重ねるごとに、見事にストーリーにのめり込んでしまいました。

時代は違えど、ヒロインたちが恋に、仕事に、結婚に、自分らしい生き方を、不器用ながらも、それぞれが違うあり方で、見いだしていく。そんな展開が面白いですし、終盤になるにつれ、徐々に伏線が回収されていっているのも見どころでしょう。

実はこれを書いているのが、最終週の前日。
更なる劇伴と、安子とるいは再会できる? ジョーがどうなっていくのか?など、展開を楽しみにしています!
 
 

【番組情報】

「カムカムエヴリバディ」

NHK総合
毎週月曜~金曜 前8:00~

Profile

クニモンド瀧口(流線形)

2003年に、流線形として音楽活動を開始。
2020年、NHKドラマ「タリオ -復讐代行人の2人-」のサウンドトラック『Talio』を流線形/一十三十一の名義で発表のほか、3枚のアルバムをリリース。
音楽プロデュースの代表作として、一十三十一『CITY DIVE』、ナツ・サマー『葉山ナイツ』、古内東子「Enough is Enough」などがある。
2019年にはクリエイティブディレクター南貴之氏と、シティポップとファッションのイベント『FASCINATION』を開催するなど、今日のシティポップブームの立役者の一人。

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