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TVガイドみんなドラマ編集部
2021.12.18
✒ドラマと音楽のイイ関係 vol.6 「寺内貫太郎一家」
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名作ドラマの陰に、名曲あり――。
ドラマに欠かすことができないもの、その一つが音楽。
国民的大ヒットとなった主題歌や、名シーンの後ろで流れていた劇伴(げきばん=BGM)など、あの曲がドラマを観る側の気持ちをぐーっと高めてくれた……そんな経験は誰しもあるはず。

ミュージシャン/音楽プロデューサーのクニモンド瀧口さんが紹介するドラマの名音楽、今回は昭和を代表するホームドラマの世界です。

 今回ご紹介するドラマは、1974年1月16日から同年10月9日までTBS系列の水曜劇場枠で全39話放送されたテレビドラマ『寺内貫太郎一家』です。
 シリーズとして、1975年に全30話の『寺内貫太郎一家2』、1991年に2時間ドラマ『新・寺内貫太郎一家』、1998年に2時間ドラマ『寺内貫太郎一家98秋』、2000年に2時間ドラマ『寺内貫太郎一家2000』が放送されました(いずれもTBS)。

 当時小学生だった僕は、このドラマが大好きで、毎週欠かさず家族で観ていました。番組で似顔絵を募集している時期があって、それに応募して番組の終わりに選ばれた記憶があります。それほど大好きなドラマなんですが、簡単にあらすじをご紹介しましょう。

 東京・谷中で三代続く老舗の石材店「石貫」を舞台に、古きよき時代のカミナリ親父を中心とする一家や、彼らを取り巻く隣人たちとのふれあいを描いたホームコメディー。
 貫太郎(小林亜星)の家族に、妻・里子(加藤治子)、息子・周平(西城秀樹)、娘・静子(梶芽衣子)、母・きん(悠木千帆 ※樹木希林)、そこにお手伝いとしてミヨコ(浅田美代子)が一緒に暮らしています。
 「石貫」の従業員に、岩さん(伴淳三郎)、タメさん(左とん平)や、近所の花屋花くま(由利徹)、そのほか、藤竜也、横尾忠則、篠ひろ子などが出演。
 個性的な面々による名演・熱演は多くの名場面を生み出し、続編が制作されるほどの人気シリーズとなりました。

 このドラマの最大の魅力は、なんと言っても“お茶の間”感です。
 ここで繰り広げられる、親子喧嘩では昭和ならではの取っ組み合いや、ちゃぶ台返しが行われていました。また、親子喧嘩はしていても、食卓を囲んで家族全員で食事をしているシーンは、今となっては懐かしくも良い時代だったと。そういえばこの頃は、子どもから老人まで、食卓を囲んで、みんなで同じテレビ番組を観ていた家族が多かったのではないかと思います。僕の中では、ドリフに近い感覚でした。

 お気に入りのシーンはやはり“お茶の間”。周平ときんのかけ合いが楽しく、後にとんねるずのパロディーも話題になりました。「きたねえな、ばあちゃん!」ここでのやり取りが最高でした。そして、なんと言っても、きんが沢田研二のポスターを前に「ジュ〜リ〜〜!」と悶えるシーン。学校でもみんながマネするぐらい、当時流行しました。
 下町の風情や粋な所作、人の情みたいなことを、子どもながらにこのドラマを観て感じていたのでした。

TBS系「寺内貫太郎一家」
▶イラスト:emi555

 脚本は向田邦子。『パパと呼ばないで』や『時間ですよ』など、度々見かける脚本家ぐらいな印象でしたが、奇しくも1981年に飛行機事故で亡くなった事をきっかけに、向田さんの本や生き方に興味を持ち始めました。
 そして、プロデュース&演出を手がけたのが、久世光彦。後番組である『悪魔のようなあいつ』や『ムー一族』などを残しています。また、ドリフターズの影響を受けていて、ドラマの中にそういったコントの要素が盛り込まれているもの、久世さんならでは。久世さんの影響を受けた方は多かったのではないかと思います。

 音楽は、井上堯之と大野克夫が担当しています。2人はGSグループのザ・スパイダースを経て、ザ・タイガース、ザ・テンプターズのメンバーを中心にPYGを結成。その後は沢田研二のバックや、『太陽にほえろ!』の劇伴、萩原健一が出演するサントラ等を手掛けました。
 『寺内貫太郎一家』のオープニングは、怪しいシンセ音からシンガーズ・スリーのスキャットが乗ったロックンロールナンバーが印象的でした。

 また、今年の5月に、貫太郎役の小林亜星が亡くなりました。梶芽衣子と浅田美代子を残して、寺内家はみんな亡くなってしまいました。
 その小林さんはご存じの通り、日本を代表する作曲家。レナウンの「ワンサカ娘」「イエイエ」をはじめ、日立グループ「日立の樹」、明治製菓「チェルシーの歌」、アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」、日本レコード大賞を受賞した都はるみ「北の宿から」などが代表作です。CM曲や歌謡曲、アニソン、テレビ番組のテーマ曲など、6000曲以上を残しました。
 僕が子どものころに何気なく口づさんでいた曲は、小林さんの楽曲が多かった。子どもから大人まで歌いやすい、親しみのある作風は、多くの人の記憶に残っていると思います。

 自分も歳を取っているので当たり前なんですが、月日の流れを感じて、少し寂しくなってしまいました。
 でも先日、家にあるDVD BOXを見返して、やはり面白いな〜と1人で爆笑していました(笑)。

📺番組情報

『寺内貫太郎一家』(1974年、TBS)

【出演】
小林亜星、加藤治子、悠木千帆(現・樹木希林)、梶芽衣子、西城秀樹、堺正章、浅田美代子、左とん平、由利徹、藤竜也、篠ヒロコ、横尾忠則、藤園貴巳子、毛利久、芦沢竜介、伴淳三郎 ほか

Profile

クニモンド瀧口(流線形)

2003年に、流線形として音楽活動を開始。
2020年、NHKドラマ「タリオ -復讐代行人の2人-」のサウンドトラック『Talio』を流線形/一十三十一の名義で発表のほか、3枚のアルバムをリリース。
音楽プロデュースの代表作として、一十三十一『CITY DIVE』、ナツ・サマー『葉山ナイツ』、古内東子「Enough is Enough」などがある。
2019年にはクリエイティブディレクター南貴之氏と、シティポップとファッションのイベント『FASCINATION』を開催するなど、今日のシティポップブームの立役者の一人。

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